トルコ・シリア大地震、発生から1週間~何百万人もの子どもが緊急支援を必要に【プレスリリース】

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北西部アレッポのラタキアにある一時避難所で、毛布に包まって眠る子ども。(シリア、2023年2月9日撮影) © UNICEF_UN0781632北西部アレッポのラタキアにある一時避難所で、毛布に包まって眠る子ども。(シリア、2023年2月9日撮影) © UNICEF_UN0781632

【2023年2月13日 ニューヨーク/アンマン(ヨルダン)/ジュネーブ発】

2度の壊滅的な地震と何回もの強い余震がトルコ南東部とシリアを襲ってから7日が経ちました。広範囲にわたって町が破壊され数万人の命が奪われたなか、ユニセフは、何百万もの子どもが緊急の人道支援を必要としていると警鐘を鳴らしています。

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被災した子どもの総数はまだ明らかになっていませんが、地震で被害を受けたトルコ国内の10県には460万人の子どもが住んでいます。またシリアでは、250万人以上の子どもが被災しています。
 

アレッポ、ラタキア、ハマーに届けるため、トラックに詰め込まれるユニセフの支援物資。(シリア、2023年2月13日) © UNICEF_UN0782390_Naderアレッポ、ラタキア、ハマーに届けるため、トラックに詰め込まれるユニセフの支援物資。(シリア、2023年2月13日) © UNICEF_UN0782390_Nader

ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは、「トルコとシリアの子どもたちと家族は、この壊滅的な地震により想像を絶する苦難に直面しています。この大惨事を生き延びたすべての人が、安全な水や衛生設備、栄養・保健関連の物資など命を守るための支援を受けられるよう、また子どもたちがメンタルヘルスを保つための支援を受けられるよう、今だけでなく、長期にわたって私たちは全力を尽くさなければなりません」と述べました。

公式発表の死亡者数は3万5,000人を超えていますが、地震とその余波で死傷した子どもの数はまだ明らかになっていません。

地震がこの地域の子どもたちや家族に及ぼした影響は壊滅的で、何十万人もの人々が絶望的な状況に置かれています。多くの家族が家を失い、一時的な避難場所で過ごしていますが、凍えるような寒さと雪や雨が彼らをいっそう苦しめています。また、地震は学校や重要な各インフラにも広範囲にわたる被害をもたらしており、子どもたちやその家族の暮らしをさらに脅かしています。安全な水と衛生設備へのアクセスも、被災した人々の保健に関連するニーズと同様に大きな懸念事項となっています。

ユニセフは、地震で被災した人々の命を守るために、24時間体制で支援活動を続けています。被災地にいるユニセフの支援チームは、パートナーたちと協力して、必要不可欠な保健物資、毛布、衣類、安全な飲み水、衛生用品などの支援物資を配布しています。また、子どもたちが安全に遊ぶことができ、目の当たりにした悲惨な出来事のショックから立ち直れるような空間を提供する活動を続けています。
 

カフラマンマラシュの一時避難所へ逃れ、身を寄せ合うシリア難民の家族。(トルコ、2023年2月11日撮影) © UNICEF_UN0781448_Ölçerカフラマンマラシュの一時避難所へ逃れ、身を寄せ合うシリア難民の家族。(トルコ、2023年2月11日撮影) © UNICEF_UN0781448_Ölçer

支援活動は続けられていますが、被災者のニーズは膨大であり、課題は多く、複雑です。主要な道路とインフラの損傷や破壊に加え、凍えるような寒さと雪や雨により、被災した人々に必要な支援を提供することが困難になっています。多くの救助・救援に携わるファーストレスポンダー、またユニセフのパートナー組織のスタッフが死傷、または避難を余儀なくされており、オフィスや設備が損壊、または使用不能に陥っています。

今後もユニセフはパートナーと協力し、可能な限り1人でも多くの子どもとその家族の命を守るための支援を提供し続けます。

シリアでは、ユニセフは地震で被災した人々が必要とする支援を行っています。ユニセフはすでにシリア北西部に支援物資を配備しており、可能な限り多くの人々に配布し始めています。当面の優先課題は、安全な飲み水と衛生設備を利用できるようにすることです。これは災害発生後の初期段階で、感染症の発生と拡大を予防するために重要です。ユニセフは、地震による主な給水所の被害状況を確認し、避難している人々に安全な水を提供するために活動しています。ユニセフは保健・栄養支援の移動式チームを配備し、避難所に逃れてきている人たちを含め、支援を必要とする人たちに保健・栄養サービスや物資を提供しています。
 

アレッポで、地震による学校の被害状況を確認する校長先生とユニセフのスタッフ。(シリア、2023年2月12日撮影) © UNICEF_UN0782268_Al-Asadiアレッポで、地震による学校の被害状況を確認する校長先生とユニセフのスタッフ。(シリア、2023年2月12日撮影) © UNICEF_UN0782268_Al-Asadi

トルコでは、被災した子どもたちや家族が切実に必要としている支援を受けられるようにすることが、ユニセフの当面の優先事項となっています。ユニセフの対応は子どもの保護に重点を置いており、「子どもにやさしい空間」での応急の心理社会的サポートの提供、主な給水所の被害状況と給水サービスの中断や損傷の有無の確認、保健・栄養に関するニーズの特定、および子ども用の冬服、毛布、家族用や移動用の衛生キットの配布を行っています。ユニセフとトルコの青年スポーツ省は、現地の対応チームと一緒に活動するために、追加で5,000人のユースボランティアを動員しています。彼ら彼女らは、すでに活動を開始している3,000人以上のユースボランティアとともに支援活動を続けます。

トルコとシリアの両国において、子どもの保護はユニセフの優先事項であり、家族と離ればなれになった子どもや同伴者のいない子どもを特定・保護し、家族と再会できるようにします。また、心に傷を負った可能性のある子どもへの心理社会的サポートを提供することも重要です。

またユニセフは、子どもたちが一刻も早く学習環境に戻れるよう取り組んでいます。学校の被害状況を確認し、早急な修理と仮設学習スペースの開設に向けた準備を進めています。捜索、救助、復旧活動が続くなか、シリアの被災地では少なくとも2023年2月18日まで、トルコでは被災した10県で3月1日まで学校が閉鎖されます。

 

 

ユニセフ「自然災害緊急募金」ご協力のお願い
地震や津波、洪水、台風やサイクロン、干ばつなどの自然災害に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「自然災害緊急募金」を受け付けております。トルコ・シリア国境で発生した地震の影響を受けた子どもを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。

1. クレジットカード/コンビニ/ネットバンクから
https://www.unicef.or.jp/kinkyu/disaster/2010.htm

2. 郵便局(ゆうちょ銀行)から
振替口座:00190-5-31000/口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「自然災害」と明記願います。
*窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。

※ 公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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