毛髪と歯の再生事業を推進するオーガンテック社へ出資~再生医療分野の拡大を支援~

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小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:小林章浩、以下「当社」)は、毛髪と歯の再生事業を推進するバイオベンチャー企業 株式会社オーガンテック(旧社名:株式会社オーガンテクノロジーズ、本社:東京都中央区、代表取締役:小川美帆、近藤嵩、以下「オーガン社」)に出資いたします。今後、オーガン社への出資を通して、再生医療分野の拡大を支援してまいります。

 

  • 出資の背景

当社は「“あったらいいな”をカタチにする」をブランドスローガンに掲げ、お客さまの生活・健康上のお困りごとを解決し快適な暮らしに貢献することを使命に、世の中にないニッチ製品で新しい生活習慣を作り、新市場を創造してきました。
出資先であるオーガン社は、旧社名、株式会社オーガンテクノロジーズとして、毛髪と歯の再生医療分野で高い技術力と研究力を活かした事業に取り組んできた経緯があります。
特に毛髪再生医療では、臨床試験の実施に関して2020年6月に特定認定再生医療等委員会の承認を得るなど、世界初であり日本発の器官再生医療の実現に向けて開発を進めていましたが、2020年10月から事業を停止しておりました。
薄毛を自覚されている方で頭髪にお悩みを持つ方は約64%※と深刻化する一方、生命への影響が少ないため見過ごされがちな分野と言われており、毛髪の再生医療を主軸に研究開発を手掛ける企業は多くありません。当社は、マスマーケットから取り残されたお悩みに、高い技術力と研究力を持って向き合うオーガン社に大きな可能性と期待を感じ出資に至りました。
今回の出資によってオーガン社の成長を支援するとともに、協業を通じて最新の再生医療技術を学び、再生医療ビジネスに携わる研究開発人材を育成していくべく取り組みを進めてまいります。
※「(株)リクルート ホットペッパービューティーアカデミー 薄毛に関する意識調査2022」詳細データより

 

  • 今後の展開について

まずはオーガン社との協業を通じて技術力、人材力の強化を図りつつ、長期的には再生医療分野の知見を活かした革新的な製品開発や、既存事業の枠を超えた事業展開なども検討してまいります。
 

  • オーガン社について

「21世紀型の器官(臓器)再生医療とウェルネスイノベーションにより、世界の人々の健康と生活の質の向上に貢献する」を理念とし、再生医療、ライフヘルスケア及びメディカルヘルスケアの分野で世界初、日本発の器官再生に向けた事業活動に取り組んでいるバイオベンチャー企業。

1. 毛髪再生医療の社会実装

脱毛症は、患者のQOLに関わる課題であり、世界的にみても大きなマーケットが存在します。従来の植毛術では植毛する本数と同数の頭皮組織の採取(1.5cm☓10cm程の範囲)が必要となるため、患者負担が非常に大きく、また、頭部全体の毛髪総本数は増えません。オーガン社は、患者本人の後頭部から採取した毛髪を含む頭皮組織から、毛包の幹細胞を取り出し、オーガン社が独自開発した三次元立体加工技術、器官原基法を用いて「毛包の種(たね)」を再生し、患者の脱毛症部位に移植することにより、100本程度の毛を50~100倍に増やすことができる革新的技術を有します。オーガン社の技術が社会実装された場合、従来の植毛施術に対し患者負担を軽減しながら毛髪総本数を増やすことで、世界初の器官再生事業として革新をもたらします。 

 

2. 次世代インプラントの開発

 

現行のインプラント(骨結合型)においては、知覚機能や口腔内衛生の保持に課題があるとされており、これらの機能には歯根膜※が重要な役割を担っています。オーガン社の開発する次世代インプラントは、この歯根膜をインプラント表面に結合させるため、歯の生理機能を完全に再生し、患者のQOLを高めると期待されています。日本歯科医学会が次世代インプラントの社会実装をロードマップに加えた背景もあり、オーガン社の次世代インプラントの社会実装にも注目が集まっています。
※歯根膜:歯の根の周りを取り巻く膜で、歯に伝わる衝撃を和らげる緩衝材の働きをしています。

 

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