株式会社Logomixへの出資を決定

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東京大学協創プラットフォーム開発株式会社は、バクテリア、酵母、動物培養細胞、ヒト幹細胞など様々な生物種の細胞や細胞システムを機能改変する、世界でも数少ない合成生物ベンチャーである株式会社Logomixへ1億円の出資を行うことを決定しました。
今回の投資は、Angel Bridge、ジャフコグループ、エンジェル投資家との共同投資となります。

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長 植田浩輔、以下「東大IPC」)が運営するオープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合(以下「AOI1号ファンド」)は、東京工業大学発ベンチャーである株式会社Logomix(本社:東京都中央区、代表取締役 相澤康則、石倉大樹、以下「Logomix」)に対して、1億円の出資を行うことを決定しました。 

また、今回のLogomixへの投資は、Angel Bridge株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 河西佑太郎)、ジャフコグループ株式会社(本社:東京都港区、取締役社長 三好啓介)、エンジェル投資家との共同出資となります。
 

合成生物学に基づくソリューションで産業・社会への新たな価値創造を目指す 

Logomixは、バクテリア、酵母、動物培養細胞、ヒト幹細胞など様々な生物種の細胞や細胞システムを機能改変する、世界でも数少ない合成生物ベンチャーです。日本人で唯一世界的なゲノム合成計画GP-writeに参加している東工大の相澤康則准教授と、医療機器専門ベンチャーキャピタルである株式会社日本医療機器開発機構(JOMDD)の取締役CBOを務め、医療機器インキュベーション投資の第一人者として活動していた石倉大樹氏が2019年に共同創業しました。また同年、東京工業大学の研究成果や人的資源等を活用して起業されたベンチャー企業に対して授与される東工大発ベンチャーの称号を授与されています(授与番号102)。

独自のゲノム大規模構築技術を有する、プラットフォーム Geno-WritingTM(*1) を通じて、機能性化合物の物質生産に活用される微生物のゲノムだけではなく、ヒトゲノムをはじめとする構造が複雑なゲノムを効率よく設計改変し、産業価値のある細胞システムの構築を推進することで、パートナー企業とともに産業的価値や社会的価値を創造を目指します。

製薬企業、化学、素材系企業などの国内企業と協業を推進、更に米国展開へ

すでに、パートナー企業のニーズに合わせた合成生物学(*2)ソリューションを提供しており、田辺三菱製薬株式会社、ロート製薬株式会社、旭化成株式会社、長瀬産業株式会社など、製薬企業、化学・素材系企業等、幅広い業種の企業様を中心に10件の協業を推進しております。

今回調達した資金により、研究開発体制を拡充し、今後20年で400兆円に達すると予測されているバイオエコノミー世界市場の中心である米国で、本格的な事業展開を図ります。

Logomixは2021年、東京工業大学をはじめ国内4大学の共催プログラムとなった第5回1stRoundに採択されました。東大IPCは1stRoundのコーポレートパートナーである日本ゼオン株式会社をはじめ企業との連携等を支援し、この度の出資に至りました。

株式会社Logomix  代表取締役 石倉大樹 コメント

ディープテック領域に強力なネットワーク・ご知見をお持ちの東大IPC様に、この度ご出資いただけること、大変心強く感じております。1stRoundご採択いただいて以降、戦略的なご助言からインプリメントにおける具体的なアドバイスまで、大変ご丁寧にサポートをいただいて参りました。今後、日本および海外で事業を展開していくにあたって、東大IPC様の創薬領域・バイオものづくり領域におけるご知見・ネットワーク・ノウハウを最大限に活用させていただき、企業価値の向上に取り組んでまいります。                                                                                                    
                              
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社 パートナー兼CIO 水本尚宏 コメント

弊社は東京大学の子会社ですが、その投資対象は東大関連ベンチャーに留まらず、広く日本のアカデミアベンチャーに対する投資を行っております。東工大発ベンチャーであるLogomixも弊社が開催する1stRoundで採択し、1年近くご一緒させて頂きました。石倉社長を始めとする経営メンバーと、相澤先生および東工大を中心とした研究体制、そして今回参加した株主の皆様と共に同社の海外展開を支援していきたく思います。

                       

(※1)Geno-WritingTM:Geno-WritingTMは、ヒトゲノムの大部分を占める「ガラクタ配列」の機能を解明するために東工大で当初開発された技術を土台とし、現在はヒト以外の様々な生物種の細胞ゲノムを対象に設計・改変・合成できるレベルに発展されたゲノム構築技術です。CRISPR等のゲノム編集技術よりさらに大規模かつ自由自在にゲノム改変を可能とし(国際的に現時点で最も大規模のゲノム配列(100万塩基対)の改変が可能)、構造が複雑なゲノムを効率よく設計改変が可能です(高効率、痕跡なし、アリル特異的)。より詳細な情報はウェブサイトの「Engineering」をご覧ください。
                           

(※2)合成生物学:自然界の様々な生物種が持っている代謝経路を組み合わせて、新しい物質生産システムやセンサー機能をもつ人工細胞を設計・創出する学問領域。古来より発酵産業において物質生産工業に活用されていた微生物や細胞を、近年開発されている様々なゲノム工学技術により改良することで革新的な物質生産システムが次々と生まれています。合成生物学は今日、物質生産以外の様々な産業セクターにまで拡がり、今世紀の産業革命の原動力の一つと大きく期待されています。
 
                                     

株式会社Logomix
概要      ゲノムエンジニアリング技術に基づく創薬・バイオものづくりR&D支援
設立      2019年7月
所在地  東京都中央区晴海4丁目7−4
代表者  代表取締役 相澤康則、石倉大樹
URL      https://logomix.bio/                    

Stanford 大学 StartX 2022 cohort 採択
東大 IPC 第5回1stRoundに採択
UTEC Founders Program Grant Track(第1期)に採択       
        

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)
概要     東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指す投資事業会社
設立     2016年1月
株主     国立大学法人東京大学(100%)
所在地 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
代表者 代表取締役社長 植田浩輔
URL    https://www.utokyo-ipc.co.jp/

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