「給与デジタル払い」利用したい32%、したくない49% — 決済口座へ1回につき入金したい額は「5万円未満」が最多 —

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 新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:別所 直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたWeb調査を、18歳以上の男女1,000人に行っています。
■調査の背景
 スマートフォンの決済アプリで賃金を受け取る「給与デジタル払い」が2023年4月に解禁されます。今回は本制度の利用意向や、スマートフォンのキャッシュレス決済サービスの利用状況などを調査しました。本調査は年齢や地域別、職業別などのクロス集計も行っています。

■​調査結果サマリ
 2023年4月に解禁される「給与デジタル払い」制度の利用を「したくない」「あまりしたくない」は計49%となり、「したい」「場合によってはしたい」の計32%を上回った。利用に前向きな人は相対的に20代から40代が多かった。仮に制度を利用するとした場合の理由(複数回答)を聞いたところ「給与振込から支払いまでキャッシュレスで手間なく済む」がトップ。制度を利用しない場合の理由(同)は「セキュリティ不備による不正引き出しなどに不安」が1位だった。利用する場合のアプリ決済口座への1回の入金額は5万円未満が最多で、次いで5万円以上10万円未満だった。
 給与のデジタル払いが広がると、金融機関の利用頻度や方法に変化が起きると思う人は「ある程度」を含め計73%。買い物の場所や方法に変化が起きると思う人は「ある程度」も含め54%いた。キャッシュレス決済の比率向上について影響があると思う人は「ある程度」を含め70%に上った。制度導入に労働者の同意や労使協定を定めたことを52%が「妥当だ」と判断。
 買い物などでスマートフォンのキャッシュレス決済を利用する人の割合は87%を占め、頻度は支払いの約1割から3割が30%で最多。計37%が支払いの7割以上で使っていた。スマホ決済で利用しているサービス(複数回答)は「PayPayやau PAY、楽天ペイなどのQRコード決済」が1位で87%に達した。

  • 給与デジタル払いを「利用したくない」「あまり利用したくない」は計49.4%で、「利用したい」「場合によっては利用したい」の計32.6%を上回った。(Q6)
  • 給与デジタル払いを「利用したい」「場合によっては利用したい」と思う人を年代別に見ると、20代が4割台で最多、10・30・40代が3割台、50代以上の層はいずれも2割台以下だった。地域別に見ると四国・沖縄が4割台で最多となっており、北海道・関東・中部・九州が3割台、それ以外は2割台以下だった。職業別に見ると「教職員」の5割が最多で、「公務員(団体職員や教職員を除く)」が4割台、「契約社員・パート・アルバイト等」「会社の正社員・団体の正職員」「自営業・専門職(士業等)・自由業」「医療、福祉関係の職員等」が3割台、それ以外は2割台以下だった。(Q6)
  • 給与デジタル払いでアプリ決済口座に1回で入金したい金額は「5万円未満」36.3%が最多で、「5万円以上10万円未満」14.1%が続いた。「5万円未満」を職業別に見ると「公務員(団体職員や教職員を除く)」が6割台で最多、「会社の正社員・団体の正職員」「契約社員・パート・アルバイト等」「学生」は4割台、それ以外は3割以下だった。(Q7)
  • 仮に給与デジタル払いを利用するとした場合の理由を複数回答で聞くと「キャッシュレスで手間なく済ませられる」39.7%が最多で「ATMの手数料を軽減できる」32.9%が続いた。(Q8)
  • 仮に給与デジタル払いを利用しないとした場合の理由を複数回答で聞くと「セキュリティ不備による不正引き出しなどに不安」49.0%が最多で「デジタル化によるメリットを感じない」37.5%が続いた。(Q9)
  • 給与デジタル払いの利用が広がると金融機関利用の頻度や方法に「変化が起きる」「ある程度変化が起きる」と思う人が計73.0%に達した。(Q10)
  • 給与デジタル払いの利用が広がると買い物の場所や方法に「変化が起きる」「ある程度変化が起きる」と思う人が計54.4%を占めた。(Q11)
  • 給与デジタル払いの解禁がキャッシュレス決済比率向上に「かなり影響がある」「ある程度影響がある」と思う人が計70.1%に上った。(Q12)
  • 給与デジタル払いの解禁は多様な働き方や働き手の確保に「資すると思わない」「あまり資すると思わない」人が計52.7%を占めた。(Q13)
  • 給与デジタル払いの導入には労働者の同意と、企業が労使協定を結ぶ必要があることについて「妥当だ」が52.1%を占めた。(Q14)
  • 普段の買い物などでスマートフォンのキャッシュレス決済を利用する人の割合は87.8%を占め、頻度は「支払いの約1から3割」が30.1%で最多。計37%の人が支払いの7割以上で使っていた。「いつも利用している」人を年代別に見ると、20代から50代の各層は1割台で、60代と70代以上はともに一桁だった。地域別に見ると、四国が3割台、沖縄が2割台、北海道・関東・中部・中国・九州が1割台、他は一桁だった。職業別に見ると「教職員」はゼロで、それ以外はすべて1割台だった。(Q15)
  • スマホのキャッシュレス決済で利用しているサービスを複数回答で聞くと「PayPayやau PAY、楽天ペイなどのQRコード決済」87.2%が最多だった。(Q16)
  • 岸田内閣を「支持する」16.2%(前回11月10日15.2%)、「支持しない」63.3%(66.5%)だった。(Q17)
  • 政党支持率は自由民主党20.0%(前回11月10日20.4%)、立憲民主党4.6%(4.1%)、日本維新の会9.6%(10.1%)、公明党1.4%(1.8%)、国民民主党3.9%(3.2%)、日本共産党1.9%(2.2%)、れいわ新選組1.6%(2.4%)、社民党0.5%(0.6%)、NHK党1.8%(1.8%)、参政党0.8%(1.0%)、その他の政党・政治団体0.2%(0.2%)、「支持する政党はない」とする無党派層50.4%(49.1%)(Q18)

調査レポートの詳細      https://ksi-corp.jp/topics/survey/web-research-45.html

【調査概要】
・調査期間: 2022年12月1日
・調査機関(調査主体): 紀尾井町戦略研究所株式会社
・調査対象: 全国の18歳以上の男女
・有効回答数(サンプル数): 1,000人
・調査方法(集計方法、算出方法): インターネット上でのアンケート
    ※「Yahoo!クラウドソーシング」(https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/)を活用

【紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI:https://www.ksi-corp.jp/)について】
KSIは2017年にZホールディングス株式会社の子会社として設立され、2020年4月に独立した民間シンクタンク・コンサルティング企業です。代表取締役の別所直哉は、1999年よりヤフー株式会社(現Zホールディングス株式会社)の法務責任者として、Yahoo! JAPANが新規サービスを立ち上げるにあたり大変重要な役割を担ってきました。その中で培った幅広いネットワークや政策提言活動を通じて得られた知見をもとに、新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティング行っているほか、社会に貢献していくという方針を軸に多様なサービスを提供しています。

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