外あそび推進の会、小倉少子化担当大臣に要望

この記事は約6分で読めます。

「子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会」(代表発起人:早稲田大学人間科学学術院・前橋明教授、以下「外あそび推進の会」)は11月2日、小倉將信少子化担当大臣に子どもの外あそび環境の整備に向けた要望を申し入れました。

今回の申し入れには、同会主催の「もっとこんな風に外あそびがしたい!子ども作戦会議(9月22日開催、協力:放課後NPOアフタースクール)」に参加した小学生たちが自ら、あそび

 

境の充実化を求める当事者の声を政府に届けました。子どもが小倉大臣に直接申し入れたのは、今回が初めてです。

左から放課後NPOアフタースクール代表理事 平岩国泰氏、元陸上選手 為末大氏、京都ノートルダム女子大学 石井浩子教授、早稲田大学前橋明教授、小倉將信大臣、井上信治衆議院議員、小学校高学年児童左から放課後NPOアフタースクール代表理事 平岩国泰氏、元陸上選手 為末大氏、京都ノートルダム女子大学 石井浩子教授、早稲田大学前橋明教授、小倉將信大臣、井上信治衆議院議員、小学校高学年児童

小倉大臣と小学校高学年児童小倉大臣と小学校高学年児童

小倉少子化担当大臣要望申し入れ

外あそび推進の会は、「子どもの健全な成長のための外あそび推進に関する国会議員勉強会」(座長:井上信治衆議院議員、以下「国会議員勉強会」)とともに、日本における外あそび推進の環境整備に向け、2022 年 2月から6月にかけて、2021年6月に加藤官房長官(当時)に提出した政策提言で取り上げた課題の解決策を議論し、要望書にまとめました。そして、このたび、当事者である子どもたちが、「子ども作戦会議」で話し合った内容をまとめた意見書とともに、小倉將信少子化担当大臣に提出しました。

要望書は、こどもの施策を総合的に推進するためのこども大綱に、子どもの健全な成長に不可欠な外あそびの重要性が明記されることを求めるとともに、日常生活の中で十分に外あそびを行うための、空間・仲間・時間(3つの間:サンマ)を取り戻すために必要な外あそび推進の環境整備として、(1)子どもたちに外あそびを促し、(2)安全を見守る人材の確保や、(3)外あそびに関する包括的ガイドブックの作成・普及、(4)校庭開放および園庭開放の促進、(5)街区公園の整備、(6)地域の新たなあそび場の整備、(7)デジタルデバイスの利用における外あそびの推奨、の7つの項目における施策を政府に求めるものです。

要望書の全文:
https://kodomo-sotoasobi.com/pdfs/kankyoseibi-01.pdf
別紙資料:
https://kodomo-sotoasobi.com/pdfs/kankyoseibi-02.pdf
「子ども作戦会議」意見書:
https://kodomo-sotoasobi.com/pdfs/kodomosakusenkaigi-01.pdf

子どもの生活リズム改善の一点突破口である外あそび

現代の子どもたちの生活リズムは、就寝時刻の遅れ、睡眠リズムの乱れから、著しく崩れており、それにより、自律神経の乱れや体調不良などが引き起こされています。また、デジタルデバイスの浸透など生活環境の著しい変化を背景に、近視の増加や体力低下等の子どもの健康管理上さまざまな問題が生じており、子どもの健全な成長が脅かされています。

その崩れた生活リズムや健康上の問題を一点突破口として改善し、子どもの健全な成長を促すのが外あそびです。そして、子どもが日常生活の中で十分に外あそびを行うためには、空間・仲間・時間(3つの間:サンマ)の確保が必要です。

空間・仲間・時間(サンマ)の確保の重要性

しかし、都市化やテクノロジーの進化が加速する近年、都市部や地方にかかわらず、このサンマが喪失しています。「間」が一つでも欠けていると、子どもたちが十分に外あそびを行うことが難しくなります。特に、子どもの居場所となる地域のあそび空間が不足する状況が続くと、家庭の経済格差が子どもたちの体験格差につながることが懸念されます。

一日で最も体温が高まり、活動的な状態となる放課後の午後3時~5時の間に、家庭と教育・保育の場に次ぐ地域の居場所を確保し、そこで、外あそびを活発化させることが、すべての子どもの健全な成長を促す上でも、子どもの孤立を防ぐ上でも、極めて重要です。

少子化に直面する日本において、子どもたちが安心・安全な場所で、外あそびの機会を十分に得られるよう、サンマを取り戻し、外あそび推進の環境を築いていくことが必要です。

外あそび推進の会は、今後も、すべての日本の子どもが十分に外あそびを行うことができる環境の実現を目指し、有識者や民間団体と連携し、政府への働きかけや、外あそびの重要性に関する啓発活動を続けていきます。

—————————————————————————————————-
子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会について

「外あそび推進の会」は、子どもの身体、こころ、そして脳の健全な発育に寄与するという、外あそびの重要な効能に注目し、日本の子どもたちが、身近な環境で外あそびを行うことができるよう活動を行う任意団体です。近年、デジタルデバイスの浸透や生活の夜型化などの生活環境の変化によって、子どもが外あそびをするのに必要な空間・仲間・時間(3つの間:サンマ)が不足し、多くの子どもたちにとって、日常的な外あそび体験の確保が難しくなっています。一方、外あそびは、身体的・社会的・知的・精神的・情緒的な成長に重要な役割を果たし、健全・健康な発育に加え、社会の未来に貢献する、自立した人間形成に貢献するものです。本会は、外あそび時間が減少し、あそび場の確保が難しくなっている現状を改善するため、外あそびの効能について調査、啓発を進めるとともに、国や地方自治体に働きかけ、すべての子どもが身近な場所で日常的に外あそびを行える環境を整備することを目標に設立されました。 
https://kodomo-sotoasobi.com/

発起人(敬称略)
・早稲田大学 人間科学学術院 健康福祉科学科 教授・医学博士 前橋明(代表発起人)
・京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 こども教育学科 教授 石井浩子
・一般社団法人アスリートソサエティ代表/株式会社Deportare Partners 代表/男子400メートルハードル 日本記録保持者 為末大
・公益社団法人MORIUMIUS 理事、キッザニア創業メンバー 油井元太郎
・ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニー(協賛)

<参照>
・外あそびの効能
https://kodomo-sotoasobi.com/kankyo/kono.html
・「子どもの健全な成長のための外あそびの重要性」(早稲田大学前橋明教授)
https://kodomo-sotoasobi.com/movies/20210817/03.mp4
・「学童の近視増加の実態と、抑制における屋外活動の重要性」(筑波大学平岡孝浩准教授)
https://kodomo-sotoasobi.com/movies/20210817/04.mp4

プレスリリースの全文は以下からもご覧いただけます。
https://prtimes.jp/a/?f=d84815-20221102-fb1e6a1fe91e2728c2bfb489027cb13f.pdf

本件に関するお問い合わせ先:
外あそび推進の会事務局(APCO Worldwide内)
playoutdoor@apcoworldwide.com

タイトルとURLをコピーしました