凸版印刷、JAREC、放電精密の3者で高度マテリアルリサイクル研究会を設立

この記事は約4分で読めます。
 凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)と、公益財団法人全日本科学技術協会(JAREC)(本社:東京都文京区、理事長:沖村 憲樹、以下 JAREC)、株式会社放電精密加工研究所(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:工藤 紀雄、以下 放電精密)の3者は、難処理プラスチック※1の、物性を維持した状態でリサイクル可能な新技術を開発し、社会実装することを目的とした高度マテリアルリサイクル研究会を発起人として設立しました
 本研究会は、アルミ蒸着フィルムや複合素材を貼合したフィルムなど従来リサイクルすることが難しかった難処理プラスチックを、水の飽和水蒸気を利用し、プラスチックを溶解させると同時に強制的に分散させる「MF式混合溶融技術※2」を活用することで、難処理プラスチックのリサイクルスキーム構築とリサイクル製品を拡充し、社会実装を目指します。また、地方における資源循環の課題解決と地域活性化にも取り組みます。

高度マテリアルリサイクルのイメージ ©高度マテリアルリサイクル研究会高度マテリアルリサイクルのイメージ ©高度マテリアルリサイクル研究会

■ 本研究会設立の背景
 日本においては現在、多くの廃プラスチックがサーマルリサイクルされ、その熱が活用されています。しかし、近年、地球温暖化対策や石油資源の有効活用の観点から、その廃プラスチックを焼却処理だけでなく原材料として再利用するためのリサイクルのスキームを構築することが喫緊の課題となっています。
 日本で排出される廃プラスチックのうち、約50%は容器包装由来のものです。中でもプラスチックフィルムを使用する軟包材においては、内容物の保存性の向上やレトルト調理への対応などのため、高いバリア性などの機能性が求められることから、アルミ蒸着フィルムをはじめとする、リサイクルが難しい複合プラスチック製品が多く使用されており、それらをリサイクルする技術やリサイクルスキームの構築が求められています。

■ 本研究会の目的
・本研究会は、従来リサイクルが難しいとされた、アルミ蒸着フィルムを含む複合プラスチックを対象とし、そのリサイクル技術の確立と社会実装を目的に設立されました。

・リサイクル技術の開発だけではなく、分別回収から再製品化までの一連のフローを対象にし、プラスチック成型メーカーの協力により、新たな市場を開拓していきます。あわせて、法規制や制度などに関して、リサイクルを推進するための提言を行います。

・大学や研究機関の協力により、マテリアルリサイクルされた再生材の物性を評価し、安定的なマテリアルリサイクルの社会実装に貢献します。

・初期段階は、工場などから排出される廃プラスチックを対象とし、リサイクルにおける課題抽出を行い、技術開発と安定的な運用を目指します。

■ 本研究会に参加する企業・団体
発起人
凸版印刷株式会社
公益財団法人全日本科学技術協会
株式会社放電精密加工研究所

参加企業・団体
株式会社兼子
株式会社サティスファクトリー
株式会社セイコーレジン
大同化成株式会社
萩原工業株式会社
株式会社パイロットコーポレーション
株式会社パイオラックス
株式会社平和化学工業所
森村商事株式会社
株式会社ライプロンコーポレーション
国立大学法人福井大学 産学官連携本部
学校法人福岡大学 工学部 機能構造マテリアル研究所

※1 難処理プラスチック
特に包装材などに使用されるプラスチックフィルムは、各種の機能性を高めるために、アルミ蒸着フィルムや2種類以上のプラスチックの複合素材となっています。そのため、従来のマテリアルリサイクルの方法では、処理が難しいとされています。

※2 MF式混合溶融技術
株式会社放電精密加工研究所が保有する混合溶融技術は、羽根車が高速回転するケーシングの中で物質と物質を衝突させ、物質を微粉化すると共に、内部に水蒸気を発生させ高温高圧状態を作り出し、異なる材料を瞬時に混合溶融する技術です。瞬間的に加熱することで、熱履歴による物性の低下が抑制され、各種の成型方法に適したリサイクルプラスチックを製造できます。また、プラスチックとバイオマス材や無機物などの材料を混合溶融することで、新たな素材を作ることも可能です。

* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以 上

 

タイトルとURLをコピーしました