気候変動、生物多様性の損失、土壌や海洋の劣化は、すでにご存じのとおり人々と地球上の生命一般に対する脅威となっています。
これらの脅威への対応策、および欧州グリーンディールの一環として、欧州委員会は2020年に、意欲的なEUのアクションと食料システムの変革へのコミットメント(Farm to Fork戦略)をグローバル基準とすることを提案し、競争力のある持続可能性、人間と地球の健康の保護、および食料バリューチェーンにおけるすべてのアクターの生活を確立することを目標としています。
日本政府もまた、土壌の劣化、異常気象、海岸浸食、栄養問題など世界的な脅威のいくつかに直面しています。そして、これら負の影響に対する計画や戦略に着手しています。
10月5日のワークショップは、共通の基盤、方針、行動などを見いだし、EUと日本がそれぞれ展開している「Farm to Fork戦略」と「みどりの食料システム戦略」における提携関係を深める場となります。
このワークショップの主要な目的は、EUと日本の専門家が、食料システムの持続可能性と回復力を達成するために、EU・日本間の協力体制を強化かつ調和させる方法を、議論し見極めるプラットフォームを提供することです。
議論は持続可能な食料システムに重点をおいて行われます。持続可能な食料システムは生産手段というレベルを超えており、また栄養不足や飢餓といった栄養面での課題も抱えています。
これらの課題が根強く残る一方で、新型かつ複数の栄養障害が発生しています。食品が基になって起こるがん、肥満、心血管疾患などの非伝染性疾病は人々や医療システムを圧迫しています。当日午後のセッションで行われる対話のテーマは、土壌の健全性、持続可能な農薬の使用法、フードロス、食品廃棄物、および持続可能な消費方法です。いずれのテーマも、複数の食料システム関係者とともに、さまざまなレベルにおける望ましい変化を踏まえて、戦略、政策、実践方法を検討します。プレゼンテーションに続いてパネルディスカッションが行われます。ここでは、世界規模での変化に向けたコラボレーションにつながる各種アプローチの間で起きている、または今後予見されるシナジー効果がテーマとなります。
背景
食料システムの変革は、2021年9月の国連食料システムサミットで文書化され要請されました。変革に当たっては、食料生産、加工、輸送、消費の方法に横断的に影響を与える土壌劣化や食料損失などの問題に取り組んでいくうえで、各国における現状が異なっているということを考慮する必要があります。
持続可能な食料システムの問題は、生産方法の他に、栄養不足や飢餓など、栄養面でのさまざまな問題にも関連しています。これらの問題は、新しい、かつ複数の栄養不良による疾病が発生する一方で、根強く残っています。特に、食品がもたらすがん、肥満、循環器系の病気など非伝染性疾患は、人々と医療システムを圧迫しています。
世界的に認識が高まり、コミットメントが宣言され、解決策が検討・実行されている一方で、より多く、迅速かつ確実なアクションを実行し、世界規模での協力と連携が必要であることに変わりはありません。EUと同様に、日本もこの課題の解決に取り組み、国内外で対応策を施行しています。
この地域および国に焦点を当てた一連のワークショップは、食料問題の解決に貢献するEUの戦略であるFarm to Fork戦略(F2F)の下、欧州委員会の外交政策手段局から資金提供を受けており、環境、健康、社会、経済面での利益をもたらす持続可能性への移行の道筋を提案するものです。
欧州委員会のFarm to Fork戦略の詳細については、下記リンクでご覧いただけます。また、次のソーシャルメディアのタグもご参照下さい。
<欧州委員会のFarm to Fork戦略について>
https://food.ec.europa.eu/horizontal-topics/farm-fork-strategy_en
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