8月25日にリリース致しましたCPコンクリート・プレプロトタイプの試験施工見学会を、見学及び施工関係者併せて総勢約70名で8月31日(水)に実施致しました。
開催のご挨拶として草苑学園の理事長であり、またCPコンクリートコンソーシアムではNEDOからの委託先として参画頂いている株式会社内山アドバンスの代表取締役・柳内光子様からのご挨拶に続き、今回の試験施工の目的や内容を説明を頂きました。
いままではその多くが産業廃棄物として処分されてきた余剰の生コンクリート、通称“残コン・戻りコン”を事前に粒状化させ、CPコンクリートの幹事会社である株式会社安藤・間の筑波研究所にて、その粒状化させた骨材にCO2を意図的に吸収固定させたもので舗装用の新たな生コンクリートを製造しています。また、通常のコンクリート舗装は施工完了後、
コンクリートが固化するまでに長期の養生期間を要しますが、即日開放可能な調合で施工をしているのも一つの大きな特徴です。
また、NEDOのスコープ外ではありますが、先日の小池都知事との対談(https://youtu.be/wYi95MLP9rs) でも話題に上った、東京都が日本で初めて本格的な採用を検討している低炭素型アスファルト混合物の施工も実施致しました。舗装業界ではアスファルト舗装は「クロ舗装」、コンクリート舗装は「シロ舗装」と呼ばれていますが、まさに我々が提唱する“WHITE CARBON”が夕日に映える、工事終盤の風景でした。
施工をご担当頂いた大成ロテック株式会社 技術研究所 渡邊 清隆氏(知財戦略室長)によると、今後、CPコンクリートの可能性をいろいろなバリエーションで試しつつ、コンソーシアムを通じて静岡、滋賀、大阪等で試験施工を計画中とのこと。「より社会実装に近い大型施工を想定しており、また施工後のモニタリングを充実させていきたい」とのこと。RRCSとしては、可能な範囲で、今回と同様に広く皆様に公開していきたいと考えています。
今回の施工場所は古くは徳川家が所有していた目白の閑静な住宅街にある草苑学園内で行いました。普段は隣接する幼稚園の園児たちが行き交う場所、次世代の日本を背負って立つ子供たちの前で、CPコンクリートプロジェクトが脱炭素社会に向けた第一歩を踏み出した意味は大きいのではないでしょうか。カーボンニュートラル達成は2050年。建設業界では昨今、多種多様な脱炭素型コンクリートが紹介されてきておりますが、本質から外れてしまっているものが散見される中、“脱炭素はオールジャパンで!”を合言葉に、各社・各グループが切磋琢磨して共にゴールに向かっていけることを強く願っています。今回の試験施工見学会は、確かなコト、確かなモノを次世代に紡いでいくのが我々の責務であることを、参加して頂いた皆さんと共有出来た貴重な機会でした。
参加者(順不同):国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、㈱高昭産業、住友大阪セメント㈱、㈱NIPPO、㈱日本ネットワークサポート、㈱フローリック、㈱トウザキ、五葉共創㈱、鹿島建設㈱、㈱安藤・間、日本道路㈱、㈱淺沼組、㈱内山アドバンス、㈱丸壽産業、光洋機械産業㈱、(一財)電力中央研究所、㈱セメント新聞社、㈱コンクリート新聞社、㈱日刊建設工業新聞、㈱日経BP、日報ビジネス㈱、㈱建通新聞、㈱徳力建設工業
協賛:学校法人草苑学園