島根県立美術館コレクション展「受贈記念 奈良原一高×勝井三雄」の開催について

この記事は約6分で読めます。
奈良原作品は、新収蔵品の中から《ヨーロッパ・静止した時間》《ジャパネスク》のシリーズをお披露目します。
勝井作品は寄贈いただいた約100点を紹介します。

奈良原一高《塔 Segovia  Spain〈ヨーロッパ・静止した時間〉より》1963-65年 島根県立美術館蔵 ©Ikko Narahara Archives奈良原一高《塔 Segovia Spain〈ヨーロッパ・静止した時間〉より》1963-65年 島根県立美術館蔵 ©Ikko Narahara Archives

 

 

勝井三雄《LITHRONE project  the appearance of light-a》2008年  島根県立美術館蔵 ©Mitsuo Katsui勝井三雄《LITHRONE project the appearance of light-a》2008年 島根県立美術館蔵 ©Mitsuo Katsui

 島根県立美術館では、コレクション展「受贈記念 奈良原一高×勝井三雄」を下記のとおり開催いたします。

  写真家・奈良原一高(1931-2020)は、2020年1月19日、88歳の生涯を閉じました。戦後日本の写真を牽引した奈良原は、国際的にも高い評価を得ています。2020年度、島根県立美術館はご遺族より、305点の作品の寄贈を受けました。それは、2010年に開催した企画展「手のなかの空 奈良原一高1954-2004」の出品作を中心とした作品群です。
 1995年に美術館準備室が設立されて以来、島根県立美術館では松江高校の卒業生でもある奈良原一高を重点作家として、作品の収集や展覧会準備を進めてきました。2010年には、大規模な回顧展「手のなかの空 奈良原一高1954-2004」を企画・開催しています。そして、今回の寄贈によって、全775点の奈良原一高の全体像を見通せる世界最大規模のコレクションとなりました。
 今回は、新収蔵品のなかから《ヨーロッパ・静止した時間》《ジャパネスク》のシリーズ約110点をご紹介します。2023年度、2024年度も、引き続き新収蔵品のお披露目をいたします。
 一方、日本の戦後デザインを牽引したグラフィック・デザイナー勝井三雄(1931-2019)は、奈良原一高の親友として生涯親交を続けています。2010年に「手のなかの空」展が島根県立美術館で開催されると、勝井はすぐに駆けつけ、自らの作品を語る奈良原の文章の美しさに感銘を受けました。それが契機となって、『太陽の肖像 奈良原一高文集』が刊行されます。そのご縁で、日本デザイン史に残るポスターの中から89点、また奈良原と共作したカレンダーをご遺族よりご寄贈いただくこととなったのです。今回の展覧会では、その全貌を約100点でご紹介します。
 この展覧会は、写真とデザインの領域で日本を代表する、厚い友情で結ばれたふたりの作家からの、島根県への心温まる贈り物といえるでしょう。

  • 開催概要 展覧会名/「受贈記念 奈良原一高×勝井三雄」

会  期/2022年9月2日(金)~11月28日(月)火曜休館
料  金/一般:300円、大学生:200円、高校生以下無料
会  場/島根県立美術館 コレクション展示室4・5
時  間/9月/10:00~日没後30分(展示室への入場は日没時間まで)
     10・11月/10:00~18:30(展示室への入場は18:00まで)

  • 記者発表

日  時/2022年9月2日(金)10:00~11:00
感謝状授与/奈良原一高アーカイブズ代表 新美虎夫 様
      勝井沙子 様    (勝井三雄夫人)
                 
                 プレゼンター   島根県立美術館長 藤間 寛 
新美様ご挨拶
記者質問

  • 関連イベント

「ギャラリートーク(担当学芸員による作品解説)」
講  師/蔦谷典子(当館主任学芸員/本展企画者)
日  時/2022年10月16日(日)14:00~(約60分)
会  場/島根県立美術館 コレクション展示室4・5
※要コレクション展観覧料

  • 関連出版物

「写真家・奈良原一高の物語」冊子12ページ(無料配布)
 

  • みどころ

奈良原一高《樹 Paris〈ヨーロッパ・静止した時間〉より》1965年  島根県立美術館蔵 ©Ikko Narahara Archives奈良原一高《樹 Paris〈ヨーロッパ・静止した時間〉より》1965年 島根県立美術館蔵 ©Ikko Narahara Archives

■コレクション展示室4 奈良原一高
●《ヨーロッパ・静止した時間》
初個展「人間の土地」で衝撃的なデビューを果たし、「無国籍地」「王国」とあわせて、50年代の3部作を作り上げた奈良原一高は、1962年ヨーロッパへと旅立ちました。3年間で47000キロを車で走破し、フランス、スペイン、イタリア、オランダなどの国々を撮影して回ります。帰国後初の写真集『ヨーロッパ・静止した時間』を上梓し、日本写真批評家協会作家賞、芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞を受賞します。日本写真史に残る名作《ヨーロッパ・静止した時間》の貴重なヴィンテージ・プリントです。

 

奈良原一高《色〈ジャパネスク〉より》1968年  島根県立美術館蔵 ©Ikko Narahara Archives奈良原一高《色〈ジャパネスク〉より》1968年 島根県立美術館蔵 ©Ikko Narahara Archives

  ●《ジャパネスク》
 ヨーロッパでの生活は、日本人としての自分をあらためて
意識させるものでした。帰国後、ヨーロッパの国々を見て来
た眼差しで、あたかも異邦人のように日本を捉えた写真集
『ジャパネスク』を刊行しました。
日本の伝統文化の典型である「禅」「色」「刀」「富士」
「能」「角力」などを新鮮な感覚で表現した作品群です。

 

 

勝井三雄《Graphic Trial 2012》2012年  島根県立美術館蔵 ©Mitsuo Katsui勝井三雄《Graphic Trial 2012》2012年 島根県立美術館蔵 ©Mitsuo Katsui

■コレクション展示室5 勝井三雄
●ポスター 
 1967年に制作された初期の作品から近作まで、戦後日本
のグラフィック・デザインを牽引してきた勝井三雄の代表作
89点を展観します。

 

 

《富士紡績カレンダー 1967》 デザイン:勝井三雄 衣装:森英惠 撮影:奈良原一高 1966年  島根県立美術館蔵 ©Mitsuo Katsui《富士紡績カレンダー 1967》 デザイン:勝井三雄 衣装:森英惠 撮影:奈良原一高 1966年 島根県立美術館蔵 ©Mitsuo Katsui

●カレンダー
 勝井三雄がデザインし、衣装は森英惠、そして写真は奈良原一高という顔ぶれで作成した富士紡績カレンダーは、1967年通産大臣賞を受賞しました。1970年までの一連のカレンダーを展観します。

 森英惠さんは2022年8月11日に逝去されました。
 謹んで哀悼の意を表します。                                   

タイトルとURLをコピーしました