アートフラッグは、大丸有エリアのまちづくりを20年間推進してきたリガーレが大切にする、まちづくりへの想いや価値観を踏まえて、アーティスト達が表現する「言葉」と「写真」の2つの要素で構成されています。大丸有エリアを訪れたさまざまな属性の人たちから発せられた言葉から抽出した多声的(ポリフォニック)なワードと、このエリアの建築、空間、人々や一瞬の光の姿をとらえた写真がフラッグを舞台として響き合い(リフレクション)、街路に新たな風景を立ち上げます。
TPRがアートフラッグに採用した写真は、写真家・村田啓*² 氏が大丸有という特徴的な都市空間の中で起こる様々な現象や状況をグラフィカルに撮影した数千枚の写真からセレクト。言葉は都市研究コレクティブ・A NEW SCALE*³が大丸有エリアに普段馴染みのない職業や社会的属性の6名とともにフィールドリサーチを実施する中で生まれた、新鮮な観点を持つ彼らの言葉から抽出・編集しました。またフラッグデザインは、デザイナー・石塚俊*⁴ 氏が写真と言葉、リガーレのロゴが全体で1つのビジュアルを表すよう意図し、常に街の中で風になびいていることを想定しデザインしています。
アートフラッグを設置することで、大丸有エリアで働く人々や、ショッピングや娯楽を楽しむ街ゆく人々の感性や好奇心を駆り立て、それぞれの内面に新たな「気づき」や「発見」を生み出すことを通じて、豊かな社会活動や都市生活を送るきっかけをもたらすことを目的としています。
◆アートフラッグ一例
- 概要
【名 称】 POLYPHONIC REFLECTIONS(ポリフォニック・リフレクションズ)
【掲出期間】 2022年5月20日(金)~
※エリアマネジメント広告展開により、掲出されていない場合があります。
【掲出場 所】 大丸有エリアの街路灯柱266枚・16種類
※状況により、掲出されていない箇所があります。
【主 催】 NPO法人 大丸有エリアマネジメント協会
【企画・制作】TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECT
◆制作の風景
- 参加者・アーティスト
*¹TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECT
東京フォトグラフィックリサーチは、2020年代を迎えた東京を舞台に、最先端の写真・映像表現を通じて未だ見ぬ都市と社会と人びとの姿を探求し、見出されたヴィジョンを未来へ受け継ぐことを目的としたアートプロジェクトです。写真家・小山泰介を代表として、写真家、現代美術家、建築家、メディアアーティスト、音楽家、デザイナー、編集者など20名を超えるメンバーの有機的な協働によって、アートプロジェクトや展覧会、コミッションワークやコラボレーション、都市のリサーチや国内外の芸術大学との共同プロジェクトなど、多様な活動を展開しています。
https://www.tokyophotographicresearch.jp
*²村田啓(写真家)
1990年生まれ。 2013年に多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業後、16年に東京藝術大学大学院美術研究科絵画油画専攻を修了。視覚やスケールの変容への興味に基づく、光の現象を特徴とした写真作品を中心に制作している。
*³A NEW SCALE / 深井佐和子+内田友紀
A NEW SCALE(ア・ニュー・スケール)は、身体から都市/社会まで、スケールを寄り引きしながら領域と領域の間を横断し、都市のデザインを研究するコレクティブです。編集者・深井佐和子と都市デザイナー・内田友紀が中心となり、身体、都市デザイン、アートを切り口に領域を横断した様々な実践者のゲストを交えて対話をアーカイブしていきます。
深井佐和子(編集者)
1981年東京生まれ。上智大学文学部卒業後、ROCKET、G/P galleryを経て2018年独立。デンマーク、ロンド ン、アムステルダムでの計5年のヨーロッパ在住を経て現在は東京を拠点にSIRI SIRI、MMAなど様々なブランド・ディレクションを手がける他、翻訳、編集、出版を行う。
内田友紀(都市デザイナー・株式会社Re:public)
早稲田大学で建築を学び、イタリア・フェラーラ大学大学院にてSustainable city designを修める。イタリア・ブラジル・チリでの地域計画プロジェクト参画を経て、現在は、ビジョン構築、リサーチ、組織・事業開発、コミュニティデザイン等を通じて、市民・企業・自治体・大学らと持続可能な地域社会に向けたエコシステムの構築に携わる。YE代表、Re:public Inc シニアディレクター。
‐今回のリサーチに参加した6名について
ライラ・カセム
職業:デザイナー・大学研究員
1985年生まれ。東京都出身。
スリランカ人の父とイギリス人の母を持つ。先天性の脳性麻痺で歩行が困難な障害をもち、外出は主に車椅子を使っている。2016年に東京藝術大学大学院デザイン科の博士課程を修了し、現在は東京大学大学院附属UTCP に特任研究員として所属。渋谷区と共同で行い、アートディレクターを務める「シブヤフォント」プロジェクトは「グッドデザイン賞2019」「IAUD国際デザイン賞2020」などを受賞。2022年度からはGOOD DESIGN 賞、ACC アワードの審査員も務める。
斎藤悠
職業:ボディワーカー、ピラティスプラクティショナー
1982年生まれ。神奈川出身。
Polestar Pilates®コンプリヘンシブ認定プラクティショナー。インド政府公認 Sivananda Yoga 正式指導者。ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジBA ヒストリーオブ アート卒業。解剖学的に身体を捉えるだけでなく、動きの中で感覚や意識、認識を高めていくホリスティックアプローチを用いたセッションを行う。
東直子
職業:編集者
1981年生まれ。熊本県出身。
文化服装学院でファッション情報科を専攻し、シティ大学ロンドンで社会学を学ぶ。ロンドンの書店兼ギャラリー、Nogでショップマネージャー、カルチャー誌『TOKION』『PAPERBACK』『Someone’s Garden』『Apartamento』などの雑誌を経て2012年から写真雑誌『IMA』の編集を手がける。2009年よりTOKYO ART BOOK FAIRプロジェクトマネージャー。
Tom Buggs
職業:編集者、英語教師
1996年生まれ。ケンブリッジ出身。
ケンブリッジ大学出版社とCambridge English(IELTSテストの開発)勤務を経て2020年来日。現在ライコス(Hender Scheme / FOT / Polyploid)他ファッションブランドの海外PRを担当。
鎌田美希子
職業:プランツディレクター、アーティスト、園芸学研究科博士過程在籍
北海道大学大学院農学研究科を修了。生命科学のアカデミックなバックグランドを生かし、プランツディレクターとして空間の緑化事業を手がける。2015年に室内緑化ツールとして、多肉植物の魅力を再現したクッション【Tanicushion®】を発表。現在は空間を緑化することの重要性を研究するため、千葉大学大学院園芸学研究科博士課程にて「植物とヒトの関係性」の再構築を目指し研究中。同時に検証の一環でもある表現活動を継続的に行っている。植物や微生物の存在をテーマにしたインスタレーション、作品を制作。
佐藤惇
職業:日本のトレーサー、日本初のパルクール指導員
東京出身。2006年からパルクールを実践し、関東を中心とした活動で日本の パルクール発展を支える。2007年にParkour Generations(英)との出会いをきっかけに本場フランスへ赴き、創始者YAMAKASIメンバーとの練習や国際 指導資格の取得を通じて、安全な実践方法を普及すべく国内外で活動中。合同会社 SENDAI X TRAIN共同代表。
*⁴石塚俊(グラフィックデザイナー)
埼玉県出身、グラフィックデザイナー。早稲田大学にて映像学を専攻、デザイン事務所勤務を経て2014年よりフリーランス。舞台芸術や現代美術、音楽やファッションなどの分野において、宣伝美術や装丁、ディスプレイデザインなどを行う。https://shunishizuka.com/
- 【ご参考】大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり3団体について
大丸有地区は、公民協調によるサステイナブル・ディベロップメントを通じて、約120haのまち全域で「新しい価値」「魅力と賑わい」の創造に取り組んでいます。
大丸有まちづくり協議会を中心に公民でまちの将来像を合意し、リガーレが賑わいや都市観光を促進、エコッツェリア協会が社会課題の解決や企業連携によるビジネス創発を具体化しています。