【救急集中治療医がマンガで解説】小児科医が、入浴浮き輪を薦めない理由とは?

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千葉大学発医療スタートアップ企業である株式会社Smart119(本社:千葉県千葉市、代表取締役社長/CEO:中田孝明)は、乳幼児入浴浮き輪の危険性を解説したイラストレーションを、本日一般公開しました。入浴浮き輪には、「転覆しやすい」「首を圧迫する」などの危険性があるため小児科医は使用を薦めておらず、実際に、家庭内で起こる乳幼児の溺水事故の原因のひとつになっています。市販されている「首掛け浮き輪」「パンツ型浮き輪」のお風呂での使用が危険な理由を、救急集中治療医の見地から、親しみやすいマンガで解説します。本資料は学校、企業、公共機関、町内会等で自由に配布・利用していただくことが可能です。

子育ての便利グッズとして普及している乳幼児入浴浮き輪ですが、小児科医は使用を薦めていません。お風呂での浮き輪は家庭内溺水事故を誘発しやすく、乳幼児が救急搬送される原因のひとつに挙げられています。市販されている「首掛け浮き輪」「パンツ型浮き輪」の注意点を解説します。

「首掛け浮き輪」では、「浮き輪に顎をのせずに装着し、乳幼児が抜け落ちてしまう」「注入する空気量を少なくしてしまい、十分な浮力を得られず浴槽に沈んでしまう」などの使用上の不注意で、溺水事故が発生しています。また、浮き輪が首まわりを圧迫して血流や呼吸を阻害する恐れもあるため、注意が必要です。

「パンツ型浮き輪」では、乳幼児の重心と、浮き輪が持つ浮力の中心(浮心)のバランスが崩れて転覆しやすい特徴があります。はしゃいだりしている間に転覆し「逆さ宙づり状態」に陥ります。これは、頭部が水没する極めて危険な状態です。

 浮き輪をして入浴する乳幼児は、楽しそうに見えます。その様子から、保護者は油断してしまい、子供から目を離しがちになります。こうした不注意は禁物です。溺水で鼻と口が水に浸かった状態が長く続けば、重症度が高い傷害へ至ります。後遺症は、生涯にわたって残る場合があることを忘れてはいけません。

◆テーマ
「子供の事故 お風呂での浮き輪は危険」

◆解説者
中田孝明
株式会社Smart119 代表取締役
千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授
https://twitter.com/Nakada119

谷口昌志
堺市立総合医療センター集中医療科医長

◆印刷用資料ダウンロードリンク
https://smart119.biz/manga/000501.html

◆乳幼児入浴浮き輪の危険性
●首かけ浮き輪

  • あごが完全に浮き輪に乗っていないと、頭ごと体が抜け落ちてしまうことがある
  • 「首まわりが苦しそうだから」と空気の注入量を減らすと、浮力が得られず溺れる恐れがある
  • 首まわりは大きな血管や神経が通っているため、圧迫してしまうことで命の危険にもつながる

●パンツ型浮き輪

  • 子供の重心位置が、浮き輪の浮力の中心(浮心)より高い位置にあるとバランスが崩れて転覆する危険がある
  • 転覆すると元に戻らず、そのまま水没してしまう
  • 転覆すると「逆さ宙づり状態」となり、頭部がお湯に浸かり溺水となる

◆乳幼児との入浴安全ポイント

  • 乳幼児から、絶対に目を離さないこと
  • 小児科医は、乳幼児入浴浮き輪の使用を推奨していない

◆参考資料
・消費者庁:Vol.497 首掛け式乳幼児用浮き輪は気をつけて使用しましょう!
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20200402/

・国民生活センター:気を付けて、浴槽での首掛け式浮き輪の事故!!-赤ちゃんは御機嫌でも一瞬も目を離してはいけません-
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20141009_1.html

・日本小児科学会:首浮き輪による溺水
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/injuryalert/0032.pdf

・子どもの安全研究グループ:浴槽用浮き輪による溺水
https://kodomonoanzen.jp/category/performance/ukiwa/

◆医療情報イラストレーション・シリーズ ホームページ
https://smart119.biz/manga/
※画像など当コンテンツを報道にて引用いただく場合は、「(株)Smart119 提供」と記載ください。また、その際はpress@smart119.bizまでご一報いただけますと幸いです。

<株式会社Smart119について>
株式会社Smart119は「現役救急医が設立した、千葉大学医学部発スタートアップ」です。
『今の「119」を変える』ため、音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」を開発・運用。
千葉市において、日本医療研究開発機構 (AMED) の救急医療に関する研究開発事業を実施。
緊急時医師集合要請システム「ACES」、災害時をはじめ、医療事業継続支援システム「respon:sum」の開発・運用を行なっています。Smart119は「安心できる未来医療を創造する」を目指します。
 

【株式会社Smart119概要】
会社名: 株式会社Smart119
住所: 千葉県千葉市中央区中央2丁目5-1千葉中央ツインビル2号館 7階
設立: 2018年5月
代表者: 中田 孝明
事業内容: 
音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」の開発・運用
緊急時医師集合要請システム「ACES」の開発・運用
医療事業継続支援システム「respon:sum」の開発・運用
URL: https://smart119.biz
Twitter: https://twitter.com/Smart119_jp
メールアドレス: press@smart119.biz (担当:中村)

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