【「音響性能評価」と「コミュニケーション評価」の実施概要】
<評価方法>
評価は、「DNP低反射・低遮音フィルムパーティション(0.25mm)」と、比較用に反射防止性能のない2種類の材質のパーティション(0.025mmPETフィルム、2mmアクリル板)を用意し、それぞれのパーティションの「音声の伝わりやすさ(音響性能評価)」*1と、「会話しやすさ(コミュニケーション評価)」*2を実施しました。「音響性能評価」では、パーティション越しの音圧レベルを測定しました。また、「コミュニケーション評価」では、2人1組でパーティション越しに3分間の「しりとり」をした後、会話・声・見え方の印象に関するアンケートに回答しました。
*1 2022年度日本建築学会大会にて発表予定
*2 2022年度日本音響学会秋季研究発表会にて発表予定
<評価結果>
「音響性能評価」では、「DNP低反射・低遮音フィルムパーティション」はアクリル板のパーティションよりも遮音性能が低く、音声が伝わりやすいことがわかりました。
薄い素材ほど音声が伝わりやすくなる傾向が見られましたが、薄くすると破損しやすく、空調でフィルムが揺れるなどの課題もありました。そのため、「DNP低反射・低遮音フィルムパーティション」は、アクリル板の10分の1程度の薄さのフィルムを採用しています。
また、「コミュニケーション評価」では、「音響性能評価」で確認した遮音性に関わらず、反射防止性能の有無が評価に影響を与えることがわかりました。「音響性能評価」で遮音性能が最も低かったPETフィルムより、反射率の低い「DNP低反射・低遮音フィルムパーティション」が、会話のしやすさ・声の聞き取りやすさ・声の大きさに関する項目で評価が高くなる傾向が見られました。これまで「DNP低反射・低遮音フィルムパーティション」の使用者から得ていた「自然に会話ができる」といった感想と一致する結果が得られ、会話がしやすいことがわかりました。
【今後の展開】
DNPは今後、パーティションの厚みと遮音性の関係といった質量則に加え、光の反射が少ないことによる視覚の改善効果が、声の聞こえやすさを含むコミュニケーション全体に与える影響について、さらに研究を進めます。東京大学・佐久間教授のご指導のもと、遮音性および光の反射性がコミュニケーションの快適さに与える影響について、実際の会話を模した印象評価実験を行い、複合的な関連性を明らかにしていきます。
またDNPは、2022年3月に、新型コロナウイルス等の感染防止対策として、社内の複数の拠点(東京:市谷・五反田、大阪:なんば)に本製品を設置したほか、オープンイノベーション施設「DNPプラザ」(東京都新宿区)にも設置しています。そのほか、RX Japan株式会社主催の展示会のセミナー会場(日本ものづくりワールド2022)、日印国際産業振興協会主催の展示会の受付(インドトレンドフェア東京2022)、DICグラフィックス株式会社の社内会議スペース、DNP社内の警備室などでも使用され、「視界がクリアになった」「お客様の声が良く聞こえる」「軽量のため移動が楽」「監視エリアがクリアになり、通過する方の顔まではっきりと見え業務が行いやすくなった」といった声をいただいております。
今後もDNPは、感染防止対策を継続していくなかで、ストレスなく快適なコミュニケーションを行っていくためのツールとして、本製品などを展開していきます。
※本製品は細菌やウイルス等の感染を完全に予防できるものではありません
※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。
<参考>
・ DNP低反射・低遮音フィルムパーティションについて →https://www.dnp.co.jp/biz/solution/products/detail/10161738_1567.html
・ DNP超低反射フェイスシールド開発のニュースリリース → https://www.dnp.co.jp/news/detail/10158729_1587.html
・ 2022年1月20日リリース「相手の表情が見やすく、声を聞きやすいパーティションを開発」 →https://www.dnp.co.jp/news/detail/10161975_1587.html
・ 2022年3月29日リリース「コロナ対策用パーティションに下部開口型の新機能と空間の雰囲気と調和する新デザインを追加」 → https://www.dnp.co.jp/news/detail/10162318_1587.html