大阪大学歯学部発ベンチャーのアイキャット、歯科インプラント治療へのAI技術活用に向けたクロスライセンス契約をImagoworks社(韓国)と締結。歯科医の診断をよりスムーズに、高精度に。

この記事は約4分で読めます。
株式会社アイキャット(大阪府大阪市、代表取締役CEO 西願 雅也、以下iCAT)は、Imagoworks社(韓国)と自社の持つ歯科インプラントの臨床データの提供とImagoworks社の持つAI技術の提供についてのクロスライセンス契約を締結しました。その第1弾としてiCATは自社ソフト「LANDmarker®(ランドマーカー)」にImagoworks社が実用化したAI自動データ合成機能を搭載します。

[概要]

iCATは約20年前より自社製の歯科インプラントシミュレーションソフト「LANDmarker®」を開発・販売しており、国内の多くの歯科医院に導入され長年歯科インプラント治療の現場で活用されてきました。一方、Imagoworks社は歯科用ソフトウェアにおけるAIソリューション技術で世界的に注目されており、今回のクロスライセンス契約によってImagoworks社はiCATの豊富な臨床データを活用した様々なAIソリューションの開発が可能になり、iCATはImagoworks社の先進的なAIソリューションの活用が可能になります。

        LANDmarker®

[背景]

歯科インプラント治療は、以前はレントゲンフィルムによる平面的な2次元診断と術者の手技に依存したフリーハンドによる手術が行われてきましたが、歯科用CTやiCATをはじめとするシミュレーションソフトの普及によりデジタル化が進み、顎骨のCTデータをもとにした立体的な3次元診断とその診断データをもとにCAD/CAMで設計した手術用ガイド(シミュレーション通りの位置、方向にドリルができるようにするためのもの)を用いた手術が一般的になってきました。

また、近年、歯科医院においては歯の形状を従来の型取りによる石膏模型ではなく専用のスキャナーで取得し、その3Dデータを顎骨のCTデータに合成してインプラントシミュレーションに活用する医院が増えていますが、iCATではまずこの合成作業をAIによって自動化できる機能を実装します。これによりシミュレーションのための事前準備が省力化されるとともに合成精度もアップし、診断精度の向上につながります。

歯科では今後一層のデジタル化、AI化が進むと予想され、iCATでは自社技術に加え実績のあるImagoworks社のAIソリューションを導入することで市場ニーズに合致した製品開発のスピードを加速させます。

顎骨CTデータと歯の形状データを取り込んだ状態

AI自動データ合成を行った後

[今後の展望]

「LANDmarker®」への機能搭載を皮切りに両社の連携を強化し、Imagoworks社ではiCATから提供したデータをもとに新たなAIソリューションを開発、iCATではそのソリューションをソフトウェアへ実装、展開してまいります。これらAIソリューションの活用による自動処理化、効率化で、歯科医のよりスムーズな、より高精度な診断を実現してまいります。

[iCATについて]

株式会社アイキャットは大阪大学歯学部の研究成果を基に2003年に設立された大学発ベンチャーです。歯科臨床のニーズを知る歯科医が自ら研究開発に携わり、3DシミュレーションとCAD/CAMを融合させた歯科インプラント手術支援システムや、独自の画像再構成技術による高画質歯科用CT装置など、先進的なソリューションを提供してきました。(https://www.icatcorp.jp/

[Imagoworksについて]

Imagoworksは2019年に設立された韓国のAI企業。10年以上に渡る医療分野における技術的な専門知識の蓄積をもとに、AIによる自動化、3D形状モデリングとメッシュ処理、SaaSなど、歯科に特化したデジタルソリューションの提供をグローバルに展開しています。(https://dentbird.jp/

タイトルとURLをコピーしました