国土交通省の砂防施設点検でDroneNestを用いた実証実験に協力

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自動充電型ドローンポート「DroneNest」の提供を基幹事業とする合同会社SORABOT(本社・神奈川県横浜市 代表 奥村英樹、以下SORABOT)は、国土交通省金沢河川国道事務所の砂防施設点検高度化検討業務の委託を受けた株式会社建設技術研究所(本社・東京都中央区 代表取締役社長 中村 哲己)のもと、株式会社WorldLink&Company(本社・京都府北区 代表取締役社長 須田 信也)とともに、石川県白山市の牛首川流域における砂防施設の点検を見据えたドローンポートを活用した実証実験に協力しました。

実証実験実証実験

山間部の渓流に設置されている砂防施設は、人が巡視して土砂の堆積状況や堰堤の劣化損傷や周辺状況の点検を行っています。徐々にドローンの活用も始まっているものの、当該現場は金沢市内から往復3時間の移動が必要であり、なおかつ落石などによる作業の危険を伴う場所です。作業の安全性向上と効率化が求められる中、ドローンポートを用いた砂防施設点検の可能性に着目いただきました。

SORABOTの提供する「DroneNest」は、自動充電・遠隔操縦が可能なドローンポートです。立ち入り管理措置をとることにより、全国包括の補助者なし目視外飛行(カテゴリーⅡ飛行)の許可承認を取得しています。今回の飛行においても、直線約800mの距離を往復し、補助者による目視が取れない環境においても、飛行が実現できました。

また、これまでもドローン活用が進められてきたものの、マニュアル飛行での撮影が中心であったため、点検ごとの撮影位置や画角が異なり、取得データのばらつきが生じていて、経年的の比較や損傷具合・土砂の堆積量などの定量的な把握が難しいという課題がありました。

今回のドローンポート活用は、移動時間の削減と作業の安全性向上、取得データの品質向上に向けて、活用可能性があると考えます。一方で、今回利用したシステムは、ドローンとドローンポート間の電波見通しの確保が必要となり、山間部特有の入り組んだ地形が電波の阻害要因となり、飛行範囲に制限が生じる課題があります。本格導入に向けて、海外の事例や日本国内のドローン物流で用いられる手法の、ドローン本体にLTE通信を搭載するなどの改良を引き続き進めてまいります。

 ■実証試験概要
試験場所             :石川県白山市白峰
実証日時             :2023年11月12日(日)
実証内容             :ドローンポート設置を見据えた砂防施設の定期点検の実用可能性検証
取得データ          :インターバル撮影による写真取得(別途、SfMによるモデル化)
使用機材             :SORABOT 「DroneNest」 DJI MAVIC2Pro 仕様

石川県白山市白峰 上流の様子石川県白山市白峰 上流の様子

点検対象の砂防施設点検対象の砂防施設

■DroneNestについて
DroneNestは国土交通省より夜間におけるレベル3飛行の承認を受けた実績のある、全自動で自動充電・遠隔操縦・自動着陸が可能なドローン充電ステーション(基地)です。海外でも多くの実績があり、業界を問わず、設備点検、巡回監視、警備、防災、測量、工事進捗確認など、あらゆる用途に活用が可能です。

DJI製ドローンへの対応を中心としつつ、Ardupilot、PX4等複数のプラットフォームに対応し、また、国産ドローンなどへの適用も可能な製品です。また、当社より提供している産業用ドローン遠隔操縦プラットフォームFlytBaseは、DJI Dockにも対応完了しています。汎用的な製品の活用により価格を抑えたサービス提供を目指します。

また、2022年12月に施行された改正航空法において、カテゴリーⅡの飛行許可承認要件のうち、立入管理区域に関する定義が明確化されました。これにより操縦者が不要、かつ遠隔地からドローンの操作が可能なシステムの活用領域がさらに広がると考えています。

■DroneNestで解決しうる課題
(1)遠隔地からの操縦による、操縦者の移動/配備の縮減
 インターネット経由での遠隔地からの操縦により、操縦者が実際の現場にてドローン飛行をする必要がなくなります。遠隔地からのリモート環境でのドローン運用により、現場までの移動工数の削減や各拠点への操縦者の配備が不要となり、1名のオペレーターが日本全国のドローンを飛行でき、より効率的にドローンの運用が可能となります。

(2)自動充電による、充電/機体準備が不要
 DroneNestに着陸したドローンは、飛行終了後自動的に充電が開始されます。充電完了後も、DroneNest内で保管されており、機体の準備も不要です。バッテリー充電や事前の準備が不要となり、ドローン運用に付帯する作業を削減できます。

(3)各拠点での操縦者育成業務の集約化
 ドローンの運用を検討する際に、拠点が複数ある事業者においては、各拠点にて操縦者の育成が必要となります。DroneNestであれば遠隔地からの操縦が可能となるため、本社などの主要拠点にオペレーターを配置すれば、日本全国のドローンの運用ができ、オペレーター育成を1つの拠点に集約することが可能です。

■DroneNestの特徴
(1)DJI製の機体に対応
 DroeNestは、DJI MAVIC2 Pro / MAVIC2 Zoom / MAVIC2 Enterpriseシリーズをはじめとする、すでにお持ちの機体を利用することが可能です。また、現在、MAVIC3 Enterpriseシリーズへの対応を進めているほか、大型の充電ポート(D135)を用いることで、MATRICE300RTKの活用も可能です。今後も、DJIの新機種が発表されるごとに、新機種への対応が計画されています。

(2)世界各国での豊富な実績
 DroneNestは海外で豊富な実績を持つ製品で、ベルギーでは警察や消防の緊急駆け付け業務をサポートする用途に70台が導入され(https://youtu.be/E4db9mhF-60)、アルゼンチンでは火力発電所の設備の定期巡視や敷地境界の警備用途(https://www.flytbase.com/blog/thermal-power-plant-inspection)で活用されています。そして、すでに運用実績があるからこそ、より使いやすいシステムとなるよう常に改善がなされています。

(3)遠隔地からの運用を想定した、ストリーミング及び画像アップロード機能
 遠隔地からの運用が想定されたシステムのため、飛行中のドローンからの視点を他のオペレーターや現場の作業者へもストリーム配信が可能です。同じ映像を見ながら、現況確認や作業計画を立てることもできます。また、撮影した画像・動画は、飛行終了後クラウドストレージへのアップロードを行うことができます。現場での人の介在をせず、データの取得も可能です。

DroneNest for MAVICシリーズDroneNest for MAVICシリーズ

MATRICE300RTK対応ドローンポートMATRICE300RTK対応ドローンポート

■SORABOTがめざすこと
レベル3を中心とした遠隔操縦によるドローン運用経験をもとに、高所作業や遠方にある施設の点検、施設の巡回監視等、省人化を進めるべき業務にDroneNestの導入を広げ、作業の安全性・正確性の向上と業務の効率化の実現を目指します。

また、自動および遠隔でのドローン操縦が普及することで、操縦者の移動を伴わずに1人の技術者が全国の施設の点検・監視業務を担えるようになり、技術者育成や移動のコストを削減可能です。今後のさらなるドローン利活用の高度化にも寄与するものと考えています。

SORABOTは機体に依らないマルチプラットフォームなDroneNest(自動充電ドローンポート)を中心としたドローンに関するサービスの提供を通して、あらゆる業界・企業のDX実現に貢献してまいります。

■合同会社SORABOT代表 奥村英樹について
2022年9月20日に合同会社SORABOTを設立。
国産ドローンメーカーにおいて、日本初の目視外補助者なし(レベル3)の承認を取得したドローン物流事業に従事し、数多くの物流や災害現場での目視外飛行を経験。その経験を活かし、太陽光事業において、自動充電型ドローン DroneNestを導入し無人での設備点検や警備・巡回監視用途への活用を検討。株式会社afterFITからDroneNestの譲渡を受け、SORABOTにてドローンポート事業開始。

■SORABOTの取り組みについて
”そら飛ぶロボットで、「やりたい」を「できる」に” をスローガンに掲げ、ドローン活用における課題を解決することを目指し、「できる」製品の調査や操縦対応・操縦者育成・実証実験対応など、あらゆるドローン事業のサポートを行います。ドローンに関する調査やお困りごとはSORABOTにお任せください。

 創業     2022年9月
 代表者    代表社員 奥村 英樹
 事業内容   自動充電型ドローンポートの販売、ドローン活用のサポート
 URL     https://www.sorabot.com/

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