全国にある73万の橋梁のうち約60%が2032年度に建設から50年を迎えるため、老朽化対策が必要になっています。国土交通省が2023年8月23日に公表した「道路メンテナンス年報」によると、2022年までに点検した602,682の橋梁のうち、早期に対策すべき橋梁(早期措置段階)は8%、予防措置が必要とされる橋梁(予防保全段階)は51%とされています。こうした点検・メンテナンスが必要な橋梁のなかで、例えば、鉄道と上下で交差する橋梁など仮設足場による補修工事が時間的に大きく制限される橋梁や、海上など仮設足場の設置が困難な橋梁などでは常設足場の設置が有効な解決手段となります。今後は橋梁の老朽化の進展と就労人口減少を背景として、こうした常設足場を設置する必要がある橋梁の市場規模は拡大していくことが予想されます。サン・ステラスは、この様な常設足場を必要とする橋梁向けの景観配慮型製品として販売します。
サン・ステラスは光を取り込み、紫外線をカットでき、耐燃焼性の高い膜材をはじめ、格子状のFRPやPVCプレートなどの複数部材で構成されたハイブリッドパネルです。安全性に配慮した全面フラットで明るい床面をもつ常設足場で、脚立や台車を使用した作業もでき継続的な点検・メンテナンスの作業効率が飛躍的に向上します。サン・ステラスで橋梁を覆うことで、紫外線や飛来塩分から守り、メンテナンス作業そのものを大幅に低減し,橋梁の長寿命化を可能にします。また、橋梁の側面は膜構造との組合せで、曲線形状を表現することも可能なため、夜間はライトアップにより、周辺環境に調和した美しい空間を演出できます。
なお、サン・ステラスは、本州四国連絡橋をはじめとして日本各地の長大橋や特殊橋の設計に携わってきた株式会社長大(本社:東京都中央区、代表取締役社長:野本 昌弘)の技術協力を得て開発しました。今後の具体的な設置についても、長大の橋梁設計に関する知見を活用して導入を進めます。
■橋梁内部(点検空間)の明るさ
サン・ステラスを設置した橋梁内部の照度を計測すると、晴天時、点検空間は300lx、最大で500lx程度の照度が確保されました。これは厚生労働省が規定する「付随的な事務作業(文字を読み込む必要のない作業)」の作業照度に相当することから、晴天時にはライトで照らす必要はありません。
■サン・ステラスの高い耐久性
サン・ステラスに使用している膜材はフッ素樹脂+ガラス繊維平織物からなり、高い耐燃性を有します。
また、耐久性に優れ、歩行、落下物、経年の繰り返し荷重に対する安全性も検証確認しています。
□燃焼性試験
試験体の膜面を800℃程度まで加熱し、8分30秒間照射。
火災発生の際、足場内への燃えぬけ、足場下への破損物の落下がないかを確認しました。
□繰返し試験
100年相当の実用回数プラスαを想定し、20万回の裁荷試験を実施。
曲げ剛性初期値の80%を下回らないこと、ボルトに緩みが無いことを確認しました。
□衝撃試験
作業員が1.0mの高さから足場上に飛び降りた場合を想定し、重量90㎏の砂袋を400mmの高さから40回自由落下させ、パネルが脱落しないことを確認しました。
■ハイウェイテクノフェア2023への出展
サン・ステラスの販売開始に際し、2023年11月9日(木)、10日(金)に開催されるハイウェイテクノフェア2023(主催:公益財団法人 高速道路調査会、会場:東京国際展示場(東京ビッグサイト)西3・4ホール、屋上展示場)へ出展します。当日はサン・ステラスを設置した橋梁内部の様子を原寸大で体験できるデモンストレーションを実施し、点検空間の明るさやメンテナンス工事のしやすさを体験いただけます。
■太陽工業株式会社について
太陽工業は、社会の安心・安全を支え、人々の豊かな生活の実現に貢献することを目指す「膜構造のリーディングカンパニー」です。軽くて丈夫な素材の特性を活かし、巨大ドームの屋根に象徴される各種建築事業をはじめ、土木や物流、さらには環境分野などにも製品を展開しています。研究開発により膜の無限の可能性を引き出し、イベントや施設運営のグループ会社との連携を強化することで、これまで以上にお客さまに感動と快適な環境をお届けします。
公式HP:https://www.taiyokogyo.co.jp/