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調査サマリー
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1)月に1冊以上読む人は約6割で、月に3冊以上読む人はおよそ4人に1人
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2)読書のタイミングは、メンバーは休日などまとまった時間、管理職以上は隙間時間の活用度が高い傾向
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3)読書における課題は「時間の確保」(39.5%)に次いで、読んだ内容の「定着」(24.3%)と読んだ内容の「活用」(22.4%)
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4)「時間の確保」に課題感が高いのはメンバーで、低いのは管理職。管理職は隙間時間の活用がメンバーより10~20ポイントほど高く、読書量も最も多い
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5)読んだ内容の「定着」と「活用」のいずれも課題感が高いのは、情報システム、企画・広報・マーケティング、人事・労務部門で、課題感が低い部門と比較すると20~40ポイントほど高い
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6)読んだ内容の「定着」においては、管理職以上は「読書中」の取り組みがメンバーより10ポイント以上高く、経営者はさらに「読書後」の「アウトプット」の活用度が際立って高い
※データをご利用の際は出典を記載いただきますようお願いいたします。
出典:株式会社壺中天 「大人の読書習慣実態調査」
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本を読まない人は約4割。一方およそ4人に1人が働きながらも月に3冊以上読む習慣がある
「月にどれくらい本を読むか」を調査した結果、本を読まない人は42.4%、1冊以上読む人は57.6%となりました。さらに、3冊以上読む人は24.2%と、およそ4人に1人であるとわかりました。
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月に1冊以上読書をする人の割合が高いのは、役職別では管理職で約8割
月に1冊以上読書をする人は、メンバーが52.6%、管理職が79.0%、経営者が66.6%と、管理職が最多となりました。さらに月に3冊以上読む人は、メンバーが18.1%、管理職が43.0%、経営者が38.3%と管理職以上がメンバーと比較して20ポイント以上高い結果となりました。
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読書のタイミングは「就寝前」「休日」などまとまった時間の活用が最も多い
本を月に1冊以上読む人に「いつ本を読むことが多いか」をたずねたところ、「就寝前」(46.7%)、「休日」(35.5%)といったまとまった時間に次いで、「通勤など移動時間」(31.6%)や「仕事の休憩時間」(31.2%)などの隙間時間の活用が並びました。
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経営者や管理職はメンバーと比較し「隙間時間」の活用度が10ポイント以上高い
読書のタイミングに関して役職別でみていくと、経営者、管理職はメンバーと比較して「朝起きてから」が10ポイント以上高く、また「仕事の休憩時間」「家事・育児の合間」などの隙間時間の活用も10~20ポイントほど高い結果となりました。さらに、読書を月に1冊以上する管理職のうち半数が「仕事の休憩時間」を活用し、読書をおこなっていることが明らかになりました。一方メンバーは「休日」に読書をする人が、経営者や管理職と比較し10ポイントほど高い傾向がみられました。
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読書の課題は「時間の確保」(39.5%)に次いで、読んだ内容の「定着」(24.3%)や「活用」(22.4%)
読書を月に1冊以上する人を対象に「読書における課題」を聞いたところ、約4割の人が「読書のための時間の確保が難しい」と感じており、次いで「読んだ内容が記憶に残らない」(24.3%)、「読んだ内容が活用できていない」(22.4%)という読書後に関する項目が続きました。
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「時間の確保」に最も課題感が高いのはメンバー、低いのは管理職で10ポイント以上の乖離がある
役職別にみていくと、「読書のための時間の確保」への課題感はメンバーが最も高く、一方、管理職以上は読書後の課題感が高い傾向となりました。「読んだ内容が記憶に残らない」は管理職および経営者がメンバーより10ポイントほど高く、「読んだ内容が活用できていない」は管理職がメンバーおよび経営者より10ポイントほど高い結果となりました。
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読んだ内容の「定着」と「活用」のいずれも課題感が高いのは、情報システム、企画・広報・マーケティング、人事・労務部門で、課題感が低い部門と比較すると20ポイントほど高い
読書における課題のなかでも、読んだ内容の「定着」と「活用」は部門間の乖離が大きく、環境変化のスピードが速く随時知識をアップデートする必要性が高い職種や企画系の職種に課題感が高い傾向がみられました。
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「記憶の定着」のための取り組みは「繰り返し読む」が最多。経営者は「アウトプット」の活用度が高い
「記憶の定着のためにおこなっていること」をたずねたところ、「何度も繰り返し読む」が最多で25.7%、次いで「読書中に印をつけながら読む」(20.4%)、「読書中にメモを取りながら読む」(19.7%)と「読書中」の取り組みが続きました。
「読書前」や「繰り返し」の取り組みに関しては、役職別で大きな差はみられませんでしたが、「読書中」の取り組みにおいては経営者および管理職がメンバーより10ポイント以上高い結果となりました。さらに、経営者は「読んだ内容を誰かに話す」では20~30ポイントほど、「読んだ内容をSNSやWEBなどで発信する」では10ポイントほど管理職およびメンバーより高く、読書後の「アウトプット」を記憶の定着に活用している傾向が明らかとなりました。
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まとめ
リスキリング・アップスキリングや生涯学習など大人の学びについて関心が高まるなか、ビジネスパーソンの約4割は読書習慣がなく、約6割は働きながら読書を行っていることが明らかになりました。さらに、読書における課題感は「時間の確保」に次いで、読んだ内容の「定着」や「活用」が高い結果となりました。
役職別では、最も読書量が多いのは管理職で、「時間の確保」の課題感においてはメンバーと比較し10ポイント以上低く、「隙間時間の活用」や「記憶の定着」に関する読書中の工夫は10ポイント以上高いことも特徴的です。一方で、読んだ内容の「定着」や「活用」への課題感も高く、読書による知識習得の意欲の高さとそのための工夫が見て取れます。
読んだ内容の「定着」や「活用」への課題感においては、部門ごとで大きな乖離があり、情報システム、企画・広報・マーケティング、人事・労務部門といった環境変化のスピードが速い企画職系の部門に、課題感が高い傾向がみられました。
テクノロジーの進化が著しく、人の役割が見直されるなかで、こうした課題への打ち手となるような取り組みに目を向け、ビジネスパーソンの読書習慣、さらには読んだ内容を自らの知識として定着させ活用することを促進する必要性が高まっているのではないでしょうか。
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■調査概要
調査概要:ビジネスパーソンの読書習慣実態調査
調査方法:WEB調査
調査期間:2023年10月12日〜2023年10月19日
対象者:職業を有している20代以上の男女
有効回答:528人
■会社概要
会社名:株式会社壺中天
所在地:〒111-0036 東京都台東区松が谷2丁目28-8
代表者:代表取締役 坪谷 邦生
設 立:2020年 4月
20年以上人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、書籍などを通じて企業の人事支援をおこなう。 主な著作は『図解 人材マネジメント入門』(2020)、『図解 組織開発入門』(2022)、『図解 目標管理入門』(2023)など。人事のプロを目指す有志による研鑽の場「壺中人事塾」、人事の基礎知識をおさえたいすべての人に役立つ「人事力検定」を運営。株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、株式会社ポニーキャニオン 人事アドバイザーほか。
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