日本初※1 “シェア”するワイナリーで「日本ワイン」の更なる可能性を発信。誰もが自分のワイナリーを持てるように。ーHokkaido SPACE Winery ※1 自社調べ

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日本でワイン造り新規参入が増え続ける一方、醸造設備や施設にかかる莫大な費用負担や、ワイン醸造に関わる知識・経験の不足が課題にある日本ワイン業界。参入規模や経験の幅に関わらず、より次世代に渡って発展性のあるワイン造りを実現するため、(株)JAPAN WineGrowers代表の麿 直之がこの度新しく、株式会社 Hokkaido SPACE Winery(北海道・長沼町)を立ち上げたことをお知らせ致します。
  • 日本初「シェア」するワイナリーとは

年々国内のワイナリー数が増加し「日本ワイン」の更なる普及と発展が望まれる一方、ワインを造るために必要な醸造設備や施設維持にかかるコストが、既存ワイナリーだけでなく新規参入者にとって大きな課題の一つとなっています。さらには、醸造免許を取得し自分たちのワイナリーを持つためには製造量の最低基準を満たす必要があり、初期にその要件を満たすのが難しい新規参入者は「委託醸造」という形でワイン造りを始めることがほとんどでした。
「委託醸造」とは他のワイナリーに醸造を依頼したり、一部施設を借りて自分たちのワインを醸造することを言います。新規参入者が初期に施設を抱えるリスクは減る一方、造ったワイン一本あたりにかかる委託醸造費が高い場合や本数制限があったり、そこで得られる知識や経験がワイナリーによってばらつきがあったりと、長期的なワイン造りを見据えたときに必ずしもそれが最適解にはならないという実情がありました。

そこで、新規参入の造り手たちがよりハード面・ソフト面両方で安心してワイン造りをし、必要なサポートを受けながら品質の伴った日本ワインを世に出せるよう、日本初の醸造設備を共有するシェアワイナリーを立ち上げました。

契約した人は醸造設備を共有し、かつそれぞれがオーナーとして各個人の占有部屋が割り当てられます。必要であれば従来よりワイナリーのサポート事業を行ってきた(株)JAPAN WineGrowersのサポートを受けることができます。また、占有スペースを持つことにより委託醸造では叶わなかった、「自分たちのワイナリー」として関係者を案内するということが可能になります。

様々なワインのスタイルが造れるよう、醸造機器を揃えている。また、国内外含め様々なワイナリーを見てきた麿の経験を踏まえ、ワイナリー施設はスムーズにブドウの搬入から醸造、保管が出来るよう、導線が緻密に考えられている。

契約は基本的には3年契約ですが、1年単位での契約も可能です。各ワイナリーは自分たちの占有スペースで造れる範囲であれば生産本数の上限はありません。追加の設備費用も発生しないので自分たちの醸造計画に基づいたコストダウンが可能となり、安定したワイン生産が見込めます。将来的には自分たちでワイナリーを建てたいという人たちが、初期費用を最小限に抑えながら自社のブランディング醸造経験を積めるというのが大きなメリットです。

  • ワイン造りにおける「知識と経験の集積地」をつくる

ワイン造りにおいて、各ワイナリーがもつ哲学や目指すスタイルは違えども、「美味しいワインをより多くの人に飲んでもらいたい」という情熱は共通だと考えます。その前提として必要なのが科学に基づく知識と経験です。近年は経験をほとんど積まずにワイナリーを始める人も多いですが、まずはしっかりとした醸造知識がなければワインは造れません。そこに更に経験が積み重なり、各々が理想とするスタイルの美味しいワインが生み出されます。
Hokkaido SPACE Wineryでは、今までワイン醸造のサポート事業も行ってきた醸造家・麿直之を始め、ワイン業界に関わるたくさんの専門家が集まることで、新規参入者も安心してワイン造りができるという環境が整います。また、各ワイナリー同士でも常に現場を前にしながらタイムリーな情報交換をすることが出来ます。
北海道ワインが今後更なる発展をするために、ワイン造りにおけるコストの軽減だけでなく、「知識と経験の集積地をつくる」という意義は大きいと考えます。ただのワイナリー施設というだけでなく、造り手どうしで情報共有をし、刺激をし合って成長できる「学びの場」としても機能するのが理想です。

  • 世界で活躍するトップワインメーカーの招聘

海外のワイン大国に比べると、まだまだワイン業界の構造そのものや技術が道半ばである日本において、ワイン造りが文化として根付く海外の国々からの刺激も大切だと考えます。
既に2023年の醸造から、ニュージーランドのワインメーカーを2名招聘予定し、日本でワインを造ってもらうという新しい試みを行う予定です。一人目は「Hermit Ram(ハーミット・ラム)」の醸造家Theo Coles(セオ・コールズ)氏です。彼の造るワインは日本でも販売後に即完売をした実績を持ちます。二人目はNZ Winemaker of the year 2018に輝いた「Greystone/Muddy Water(グレイストーン/マディ・ウォーター)」のワインメーカーDom Maxwell(ドム・マックスウェル)の右腕として活躍するアシスタントワンメーカーのGavin Tait(ギャバン・テイト)氏です。実力も経験も兼ね揃えた彼らが、日本のブドウをどう捉え醸造しどのようなワインが出来るのか、期待が高まります。日本人が自分たちの土地で、日本人ならではの感性を発揮しながら造る「日本ワイン」が重要ということは前提としつつ、その道筋を立てるために、経験を伴ったワイン造りの知識や感性を取り入れることは今の日本の成長期に重要だと考えます。

将来的には他のワイン大国の醸造家も招待し、彼らがどう日本の風土やブドウと向き合ってそれを理解するのか、その過程から学び、最終的には日本人の感性を発揮した日本ならではのワイン造りに活かしていきます。

MARO Wines醸造家・麿直之がニュージーランドの日本人醸造家・小山竜宇(こやま たかひろ)氏と2022年より始動させた「KOYAMARO」も引き続き継続予定です。KOYAMAROについてはこちらをご覧ください。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000099701.html

  • 空知地方・長沼町である意味

北海道の産地は全道に広がりますが、特にワイナリーが多く集まっているのが余市を含む後志地方と岩見沢を含む空知地方です。今回Hokkaido SPACE Wineryを建設するにあたり空知地方・長沼町を選んだのは、北海道も地球温暖化の影響を例外なく受ける中、将来に渡って長沼町がワイン用ブドウに適すという見通しに加え、その利便性の良さにあります。新千歳空港から車で20分、札幌からも40分という好立地であることから、シェアワイナリーとして重要な、「人が集まりやすい環境」にあります。

また、北海道の中心地・札幌に近いながらも広大な自然が広がる長沼町は、近年特に道内外から移住して様々な業種のお店を始める人が増えています。お互いが違うことをやりながらも協力をし合って町を盛り上げようという開放的な空気感が、今回当社が新しい挑戦をするにあたり最適だと考えました。

  • 飲み手の層を増やす

ワイナリー数は増えつつもまだワイン造りの歴史が浅く、日常的にワインを飲む文化が根付いていない日本。特に20~30代の若い世代に日本ワインを飲んでもらうためには、ワインそのものの価格や品質における造り手側の努力はもちろんですが、造り手と消費者を繋げる「橋渡し役」の多様性も重要と考えています。
Hokkaido SPACE Wineryは「橋渡し役」をワイン業界内だけで完結させようとするのではなく、他の業種の方々とも協働しながら相乗効果を伴って「日本ワイン」を発信していくことを大切にしていきたいと考えています。

  • Hokkaido SPACE Winery 施設概要

施設名称    : Hokkaido SPACE Winery(北海道スペースワイナリー)

所在地       : 北海道夕張郡長沼町東9線南5番地

着工          : 2023年5月9日

竣工          : 2023年9月15日

施工会社    : 武部建設

【Hokkaido SPACE Winery公式サイト】

Hokkaido SPACE Winery | 北海道長沼町の、"シェア"するワイナリー
北海道長沼町初、日本初の醸造設備をシェアできるワイナリー。醸造費を抑えつつ、ワイン造りにおける知識と経験が集約されることで質の高い日本ワイン造りを目指します。

近い将来には2階部分にテラス付きのテイスティングスペースを設け、ワインを通じて様々な人が繋がれる場として機能させていく予定です。

  • 設計・施工は「武部建設」

ワイナリーの建設は、道内では珍しいワイナリー建設の実績が多い武部建設です。元々は林業を生業としてスタートした武部建設は、今では原材料から設計・施工までを手掛ける建設会社として道内に多くの実績をもちます。

建てて終わりでなく、そこから「育んでいく」というということを共に大切にしていける関係づくりができました。

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