【導入事例】医療機器メーカーのプレシジョン・システム・サイエンスに貿易まるなげパッケージ「デジトラッド」を提供

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デジタル貿易プラットフォームの開発・提供を手がける株式会社STANDAGE(東京都港区、代表取締役社長:足立彰紀、以下スタンデージ)は、2022年4月からプレシジョン・システム・サイエンス株式会社(千葉県松戸市、代表取締役社長:田島秀二、以下PSS)に貿易まるなげパッケージサービス「デジトラッド」の提供を開始しています。契約開始から約1年で、アフリカへの販路開拓および売上構築を実現し、アフリカにおけるPSSの事業展開の基盤づくりを達成したことをお知らせいたします。

  • 導入の背景

2020年頃から世界は新型コロナウイルスの流行という困難に見舞われ、各地域で混乱が広がりました。特にアフリカは医療分野の発展途上であり、コロナ禍以前からさまざまな感染症の問題が深刻視されていました。

こうした背景から、PSSは兼ねてより自社製品である核酸(遺伝子)自動抽出機器「magLEAD」および全自動PCR検査機器「geneLEAD」のアフリカ展開に意欲的であったものの、アフリカ現地の事情に通じたパートナー企業や代理店との接触機会が得られず、大きな課題となっていました。

スタンデージは2017年の創業当初からアフリカ地域に注力してビジネスを展開しており、ナイジェリア、南アフリカ、ケニア、エジプトの4カ国に拠点を配置。現地人材を雇用し、アフリカとの貿易に関わるさまざまな取り組みを行っています。

2022年春より順次提供を開始していた貿易まるなげパッケージ「デジトラッド」は、自社単独での貿易構築が困難な国内企業向けに、販路開拓から決済、物流まですべてスタンデージに委託ができるサービスです。

国内企業の輸出支援においても、創業当初から築いてきたアフリカとの強固なリレーションを生かし、アフリカ向けの貿易構築・販路開拓に強みを発揮しています。

自社の医療機器をアフリカ地域に展開したいPSSを、アフリカ地域に拠点とリレーションを持ち、アフリカ向け貿易の構築に強みのあるスタンデージが支援することで、アフリカ現地の医療・福祉の発展に貢献ができるという理由から、契約に至りました。

  • 主な役務提供内容

製品は国内にて買取を行うため、メーカーは国内への出荷と同様の手順・工数にて輸出を行うことが可能です。その後の販路開拓や契約関係の作業、輸出関連書類の作成等はすべてスタンデージが行います。

並行して、スタンデージ側ではメーカーの製品理解と現地における市場・需要の調査を行います。結果に基づいて現地のバイヤーが集まる展示会への出展等の販促活動を行い、引き合いの発生から価格交渉、契約、決済、サンプル含む輸送の手配まですべてスタンデージが実施いたします。

PSSのPCR検査機器2種の販促活動を現地展示会で実施した結果、エジプトの代理店からの引き合いがあり、機器の提供が実現しました。

  • プレシジョン・システム・サイエンス 取締役 田中英樹様のコメント

弊社は主として遺伝子を扱う体外診断および研究分野で利用される全自動PCR検査装置、ならびに付随する専用の消耗品(遺伝子抽出試薬等)を開発・製造し、全世界に提供しています。

かつてはOEM供給をメインの事業にしていましたが、コロナ禍で自社ブランドの認知が急速に高まり、今では自社ブランド製品の販売も基幹事業になりました。

コロナ禍では日本国内の医療現場に広く全自動PCR検査装置を提供できましたが、コロナ以外の感染症やガン等の遺伝子変異の検査、動物の検査等の国内外で高まるニーズに応えたいと考え、海外の販売代理店の拡充が新たな喫緊の事業課題となりました。そんな折に取引先銀行を通じてスタンデージ社の紹介を受け、貿易代行サービス「デジトラッド」を申し込んだという経緯があります。

スタンデージ社の大森副社長が元バイオ関連分野の研究者ということで、遺伝子検査分野への造詣が深く、PSSの製品のコンセプトを深く理解したうえで、早速エジプトとケニアの展示会にて製品紹介と販売代理店探しに従事していただきました。

さらに、エジプト生まれの専任の担当者からもアフリカ・エジプト現地で支援していただいた結果、念願であったアフリカ初の成約、販売代理店の獲得および製品販売に至りました。まさに一連の海外貿易業務の「まるなげ」を実感しました。

今後は今回の販売実績をモデルケースとして、スタンデージ社とはより一層のビジネスパートナーシップを構築する方針です。「デジトラッド」を更に有効活用し、アフリカ圏を皮切りにその他の地域の新規販売先の開拓だけでなく、PSSブランドの新たな遺伝子診断分野における製品プロモーション活動も手伝ってもらうことになっています。

  • 国内のべ100社が導入する「デジトラッド」

「デジトラッド」はスタンデージが独自に開発した、販路の開拓から交渉・契約、決済、物流や通関に関わる事務手続きまでワンストップで提供する総合貿易パッケージサービスです。

22年下半期の急激な円安や、輸出拡大に向けた国の取り組みにより、日本全体の輸出高は緩やかな右肩上がりで推移する一方、中小企業の輸出高を都市部・地方部別に見ると、その格差はまだまだ大きく広がっています。

「デジトラッド」は、こうした課題を抱える日本の製造業がより自由に、より簡単に海外進出を実現できるよう、販路開拓から契約・交渉、決済、物流まで一気通貫で貿易づくりを代行するパッケージサービスとして誕生しました。

一部業務のシステム化やコンサルティングにとどまるのではなく、貿易におけるすべての流れを「まるなげ」できるサービスです。23年8月時点で、導入企業数はのべ100社に達しました。

  • スタンデージについて

2017年3月設立。「すべての国が、すべてのモノに、平等にアクセスできる世界の実現」をビジョンに掲げ、地域や国に関わらず安心・安全・安価に「商品」と「代金」の同時交換を可能にする、ブロックチェーンとステーブルコインを活用した新貿易決済システムの開発を行う。主要な市場はアフリカをはじめとする新興国とみて、ナイジェリアをはじめアフリカ4か国に拠点を設置し対アフリカ貿易事業を展開。貿易決済領域にとどまらず、販路開拓や受発注、国際物流といった貿易全体のDXを実現するシステムの開発・提供を行いながら、国内の新規貿易プレイヤーを増やすため、中小企業の輸出支援にも取り組んでいる。

◇「デジトラッド」サービス公式サイト:https://standage.co.jp/digitrad

 設立  2017年3月

 代表者 代表取締役社長 足立 彰紀

 資本金 6億856万8,500円(3億278万250円の資本準備金を含む)

 URL  https://standage.co.jp/

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