「物流の2024年問題」をはじめ、深刻化する人手不足や環境への配慮を背景に、持続可能な物流の構築が企業の経営課題のひとつと位置付けられるようになっています。
JPRは、2022年5月に長瀬産業株式会社にTranOptをライセンス提供し、塗料・インキ等の化学品に特化した共同輸送マッチングサービス構築に向けた実証実験をサポートする等、化学品業界の輸送効率化にも貢献してきました。化学品は、引火点の管理が必要な危険物があり、消防法等に基づく厳格な管理が求められています。
今回リリースされたTranOptの新機能の一つは、AIにより危険物の混載を制御する機能です。この機能追加によって、安全な共同輸送の機会創出が可能になります。
▼共同輸送マッチングサービスTranOptの概要
TranOptは、AI によって業界を跨いだ荷主企業同士をマッチングするサービスです。共同輸送の機会を創出することによって、物流業界全体の課題である、実車率や積載率の向上、CO2 排出量の削減に貢献します。長距離輸送等でのモーダルシフト、地域や業界、自社・グループ内でのマッチング等さまざまなシーンでの活用が広がっています。
サービス概要:https://lp.tranopt.jpr.jp/
▼新機能について
今回リリースされる新機能は以下の通りです。新機能によって、より安全で、よりスピーディなマッチングが実現します。
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AIによる「危険物混載制御」機能
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自動「いいね!」機能
その他、さまざまなユーザビリティの強化を図りました。
<AIによる「危険物混載制御」機能>
危険物は、法令により第1類から第6類までに分類され、混載して運搬を行うことができない組み合わせが定められています。TranOptの「危険物混載制御」機能は、マッチングを行う際に危険物の種類を考慮し、混載が禁止された組み合わせをマッチング候補から除外し、混載可能な組み合わせを提示する制御を行います。
これにより、より安全なマッチング成立につながります。
運搬にあたって所定の条件を満たす必要がある危険物輸送では、共同輸送のハードルは一般貨物に比較して一段と高くなります。このような課題を背景に「危険物混載制御」機能を実装しました。
<自動「いいね!」機能>
TranOptでの共同輸送開始までのプロセスは図1の流れになっています。TranOptが提示したマッチング候補に「いいね!」でリアクションすることによって相手方企業との条件すり合わせに進むしくみです。従来は利用者がTranOptを都度操作することによって「いいね!」の意思表示をしていました。
この度追加された自動「いいね!」機能は、予め設定された条件のマッチング候補に対して、自動的に「いいね!」を返します。また、他の会員からのマッチング申入れ(「いいね!」)に対しても、自動「いいね!」されますので、この場合も自動的にマッチングが成立します。もちろん、自動「いいね!」機能の利用は会員毎に設定いただけます。
これにより、よりスピーディなマッチング成立につながります。
▼進化するTranOpt(これまでの発表内容)
TranOptは、JPRの経験とAI技術を活かした、特色ある共同輸送マッチングシステムです。TranOptは、2021年10月のサービスイン以降、さまざまなシーンでの活用が広がっています。
1.群馬大学と、協力効果が高い輸送ルートの組み合せを高速に列挙する共同輸送マッチング技術を開発(2021/10/21)
2.共同輸送マッチングサービス「TranOpt(トランオプト)」をリリース(2021/10/21)
3.化学品業界に特化した共同輸送の取り組みの促進を支援。JPR、共同輸送マッチングサービスTranOpt(トランオプト)をライセンス提供(2022/5/31)
4.サプライチェーン可視化と共同輸送マッチングによる輸送最適化~デジタルツインとAIを駆使し2024年問題対策やカーボンニュートラルを目指す(2023/7/20)
製品・サービス利用希望の企業様のお問い合わせ先
日本パレットレンタル株式会社
デジタルロジスティクス推進部 輸送マッチング推進グループ 担当:渡邉、関川
E-Mail:tranopt@jpr.co.jp