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イベント概要
大分県佐伯市米水津公民館に集合し「藻場」「磯焼け」「アイゴ」といった海洋環境の変化とその原因となる魚種の学習を行い、実際に地元の海、米水津湾で藻場を観察する。主なプログラム「藻場・磯焼けについての学び」「アイゴについての学び」「アイゴの実食」「米水津湾クルージング」。
藻場を見学し、アイゴを食べながら自然と磯焼けや食害、海水温上昇といった環境課題への学びが深まるプログラムを展開しました。佐伯にある浦々の豊かさに気づき、この環境が当たり前ではないことにも意識を向けながら若い世代がどのように海に向き合いながら”自分ゴト”として海に対するアクションを日常の中でどう展開していくかを今後も見守っていきます。
イベント名称:子ども海洋体験イベント
日程:
・第1回目 2023年8月20日(日) 9時30分~12時30分
・第2回目 2023年8月26日(土) 9時30分~12時30分
・第3回目 2023年8月27日(日) 9時30分~12時30分
開催場所:米水津地区公民館
総参加人数:44名 (家族:15組 大人:17名 子ども(幼~中学生):27名)
主催:一般社団法人 KIISA
共催:日本財団 海と日本プロジェクト
協力:株式会社コウネンコーポレーション
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藻場(もば)ってなに?
このテーマでは、”藻場”という海藻が生息する場所について実際の写真や活動されている方のお話をもとに学習した後、実際に船に乗り米水津湾の藻場生息域を観察しながら学んでいきました。最初は藻場という言葉さえ知らなかった子どもたちが、藻場学習と洋上体験を過ごしながら藻場という言葉を知り、実際に目で見て観察し、自分ゴトとして藻場・磯焼けを語れるように成長していました。
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アイゴってなに?
このテーマでは、磯焼けの原因の一つである海藻を食べる魚について学習した後、実際にアイゴの干物を味わうことでアイゴを知り、味わい、身近なアイゴを知ることで海の課題とアイゴという魚の関係性、そして海の課題と自分たちの暮らしが一体となっているかということを学びました。食べる習慣のないアイゴを知らなかった子どもたちは、初めのうちは「まずそう~!」「なんかやだ~」と言っていましたが、実際に口にしてみると「おいしい」「サバとフグのあいだみたいな感じ」「いつも食べる魚より美味しい」「お家でもアイゴを食べたい」と積極的にアイゴを食べることに興味を示してくれました。お父さんが魚釣りでアイゴがよく釣れる話をしてくれた家庭では、お父さんとお子さんがアイゴを釣って帰る約束をし、お母さんがアイゴの捌き方を関係者に熱心に質問している姿勢も見られました。
アイゴは決して悪者ではなく、環境の変化の中で磯焼けの一原因となっていることも丁寧に説明。休みが明けたらお友達にアイゴのこと、アイゴを食べたことを自慢したいとアイゴについて語る子どもに成長してくれました。
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参加者からの声
(イベントに参加した子ども 小学校2年生)
アイゴは臭い、毒があって怖いと思っていたけど、食べたらおいしかった。月曜になったら米水津の海で藻場を見たこと、アイゴを食べたことを友達に自慢したい。
(イベントに参加した子ども 小学校4年生)
最初はどんな味わいか分からずに、「不味そう」と思ったけど、実際に食べてみると美味しかった。最後まで残さず食べることができた。給食でも食べるようにしてほしい。海を大切にしたいと思いました。
(イベントに参加した保護者30代)
30年後の未来を見据えた時に、子育て世代の私たちが出来ることは今の現状を知る事だと改めて思いました。海の問題は思っていたより深刻。意識して守っていかなければと思います。
(イベントに参加した保護者30代)
林業の獣害や裸地化で減少する森林と、植食生魚類が藻場を食べ荒らし藻場が減少するという磯焼けがとても似ている。海も山もつながっていると感じた。佐伯は海も山もあり、海山、一体で考える必要がある。藻場減少の問題と、その問題に対してアクションを起こしていきたい。アイゴ、おいしかったです。
<団体概要>
団体名称:一般社団法人KIISA
活動内容:高校生が地域を知るきっかけをつくるカフェ”cafe &comunity KIISA”の運営。cafe & comunity KIISAはカフェ機能とコミュニティスペース機能を持つ高校生びいきの場所です。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。