スーダン:紛争地域拡大毎時700人の子どもが新たに避難~1,400万人の子どもに緊急人道支援が必要【プレスリリース】

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スーダンとの国境に近い、チャドのアドレにある避難所で暮らす親子。(チャド、2023年8月10日撮影) © UNICEF_UNI425935_Dejonghスーダンとの国境に近い、チャドのアドレにある避難所で暮らす親子。(チャド、2023年8月10日撮影) © UNICEF_UNI425935_Dejongh

【2023年8月24日 ポートスーダン発】

スーダンで4カ月前に紛争が勃発して以来、少なくとも200万人の子どもが家を追われています。これは、平均して1時間あたり700人の子どもが新たに避難していることを意味します。暴力がスーダンを荒廃させ続ける中、170万人以上の子どもがスーダン国内で移動していると推定され、47万人以上が近隣諸国に渡っています。この52日間で、過去4年間の合計よりも多い数の子どもが避難を余儀なくされており、ユニセフ(国連児童基金)は、平和なくしては、スーダンの子どもたちの未来は危機に瀕す、と警鐘を鳴らしています。

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ユニセフ・スーダン事務所代表のマンディープ・オブライエンは、「わずか数カ月で200万人以上の子どもが紛争によって住処を追われ、さらに数え切れないほどの子どもが非情な状況に置かれています。協調した対応が緊急に必要であることは、いくら強調してもし過ぎることはありません。すべてを失い、愛する人が死んでいくのを目の当たりにしなければならなかった子どもや家族がいるなど、想像を絶する話も聞いています。繰り返しになりますが、今一度言います。子どもたちが生き残るためには、今、平和が必要なのです」と述べています。

ワドメダニ病院で体重を測定し、栄養不良の検査を受ける子ども。(スーダン、2023年8月10日撮影) © UNICEF_UNI424664_Mohamdeenワドメダニ病院で体重を測定し、栄養不良の検査を受ける子ども。(スーダン、2023年8月10日撮影) © UNICEF_UNI424664_Mohamdeen

現在、1,400万人近い子どもが緊急の人道支援を必要としており、その多くは毎日、さまざまな脅威に直面し、恐ろしい体験をしています。ダルフールやハルツームといった紛争の中心地域とは別に、激しい戦闘は現在、南コルドファンや西コルドファンを含む他の人口密集地域にも広がっており、命を守るための支援を緊急に必要としている人々へ支援を届けることや彼らが支援を利用することが制限されています。

 

最新の総合的食料安全保障レベル分類(IPC)によると、スーダンでは食料不安が高まりつつあり、2023年7月から9月の間に2,030万人が食料不安に陥り、その少なくとも半数は子どもであると推定されています。つまり、1,000万人以上の子どもが、生き延びるためには食事の量か質を落とさねばならない可能性があります。多くの家庭では、その両方を落とすことを余儀なくされるでしょう。

 

雨期に入り、多くの家屋が洪水によって破壊され、その結果、住む地域から避難する家族が増加しています。さらに、雨期にはコレラ、デング熱、リフトバレー熱、チクングニア熱などの感染症発生のリスクが著しく高まります。現在スーダンでは、940万人以上の子どもが安全な飲み水を利用することができず、340万人の5歳未満児が下痢性疾患やコレラの高いリスクにさらされています。

 

暴力は保健・栄養サービスの提供を妨げ続け、何百万人もの子どもを危険にさらしています。ハルツーム州やダルフール一帯、コルドファン一帯では、保健・医療施設の3分の1以下しか十分に機能していません。また、治安の悪化や避難民の増加により、患者や保健・医療従事者が病院やその他の保健・医療施設にたどり着くことができなくなっており、伝えられるところによれば、その多くが攻撃を受け破壊されています。

 

避難民キャンプで、はしかの予防接種を受ける子ども。病気が蔓延しやすい環境に置かれた子どもたちを守るため、ユニセフはスーダン全土で予防接種を行っている。(スーダン、2023年7月25日撮影) © UNICEF_UNI421906_Awad避難民キャンプで、はしかの予防接種を受ける子ども。病気が蔓延しやすい環境に置かれた子どもたちを守るため、ユニセフはスーダン全土で予防接種を行っている。(スーダン、2023年7月25日撮影) © UNICEF_UNI421906_Awad

被害の少ない他の11州の保健システムは、戦闘激戦地からの住民の大規模な移動により、崩壊しています。ユニセフの情報元によると、スーダンのすべての州で、命を守るために必要なものを含む医薬品や物資の深刻な不足と欠品が報告されています。

 

青ナイル州や白ナイル州など、国内避難民が多く、保健・医療システムに負荷がかかっている地域では、はしかなどの疾病の流行が再発しており、関連死も出ていると報告されています。

 

はしか、栄養不良、避難生活の致命的な組み合わせにより、緊急に対策を講じなければ、子どもたちの命が非常に高いリスクにさらされます。紛争が国土を荒廃させ続けるなか、重度急性栄養不良に陥った約70万人の子どもが、治療を受けなければ生き延びられないという大きな危険にさらされています。さらに170万人の乳児が命を守るために極めて重要な予防接種を受けられないおそれがあり、また、子どもの世代全体が教育を受けられない可能性も高いのです。

 

ワドメダニの国内避難民キャンプで、石けんを使った正しい手洗いを学ぶ子ども。(スーダン、2023年8月15日撮影) © UNICEF_UNI425215_Mohamdeenワドメダニの国内避難民キャンプで、石けんを使った正しい手洗いを学ぶ子ども。(スーダン、2023年8月15日撮影) © UNICEF_UNI425215_Mohamdeen

この4カ月間、ユニセフはスーダン全土の400万人以上の子ども、母親、家族に対して、保健・栄養・水と衛生(WASH)・教育・保護に関するサービスを提供してきました。ユニセフは、今後100日間で最も弱い立場にある子どもたちを支援するための危機対応を継続し、その規模を拡大するために、緊急に4億米ドルを必要としています。

 

ユニセフは引き続き、紛争に関わるすべての当事者に対し、子どもの安全とウェルビーイングを優先し、子どもを確実に保護し、被害を受けた地域に人道支援が妨げられることなく届くよう求めていきます。何百万人もの脆弱な立場にある子どもの権利を守り保護するために、命を守る人道支援が遅滞なく提供されなければなりません。

 

■ 注記

ユニセフのスーダンに関するこれまでの発信は、こちらからご覧いただけます。

https://www.unicef.or.jp/children/children_now/select.html?tag=sudan 

■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 http://www.unicef.or.jp/

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 http://www.unicef.or.jp/

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