最大2万kmの海底ケーブル検証が可能なコヒーレントOTDR MW90010Bを販売開始

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アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、海底ケーブルの光ファイバ障害箇所を特定できるコヒーレントOTDR [※1] の新製品MW90010Bを開発し、販売を開始しました。

MW90010Bは、従来機MW90010Aと比べ、測定距離が20,000kmまで延長でき、波長範囲がCバンド[※2]帯をフルにカバーすることで、柔軟な波長選択が可能です。また、筐体サイズを継承しつつ、重量を40%軽量化することで可搬性を高めました。

これらの強化により、海底ケーブルの敷設や保守を行うお客さまのニーズに応え、進化する海底ケーブルの通信品質向上に貢献いたします。

  • 開発の背景

5Gモバイル通信やクラウドサービスの普及により、通信トラフィックは増加を続けています。また、世界中で利用されているデータ通信のほとんどは海底ケーブルを経由しており、今後も、技術革新により、世界をつなぐ海底ケーブルのネットワークは拡大を続けることが想定されます。

近年は、世界各地に広がるデータセンターを結ぶため、大手ITベンダによる海底ケーブルへの出資だけでなく、海底ケーブルを保有するケースが増えてきました。自社データセンター間での膨大なデータを低遅延かつ高速に同期させるため、データセンターに直接、海底ケーブルを接続することができるよう、複数箇所の陸揚げ局[※3]に分岐することが増えています。

複雑化する海底ケーブルは、敷設や保守においてケーブルや中継器の品質保証が重要となります。そこで、海底ケーブルの敷設や保守に必要な試験環境を強化しました。

  • 製品概要

コヒーレントOTDR MW90010Bは、波長可変光源を搭載しコヒーレント(光ヘテロダイン)検波方式を採用した光パルス試験器です。MW90010Bは、従来機から、更なる長距離対応やCバンド帯をフルにカバーしたモデルです。伝送経路ごとに割り当てられた波長を選択することで、陸揚げ局からすべての経路が測定でき、海底ケーブルの品質試験に貢献いたします。

MW90010Bについてもっと詳しく

コヒーレントOTDR MW90010B | アンリツグループ
コヒーレントOTDR MW90010Bは、Cバンドに対応した波長可変光源を有するOTDRです。最大20,000 kmまでの超長距離光海底ケーブルの障害検出を10 mの測定分解能で実現できます。

  • 主な特長

・最大2万kmの海底ケーブル障害探索
80 km以上の間隔で設置された中継器間の海底ケーブルを通常12,000 kmまで測定し、障害探索が可能です。測定距離拡張 MW90010B-003の追加により20,000kmまで延長できます。

・広い波長範囲(1527.60 nm ~ 1567.13 nm)
Cバンド帯をフルにカバー。波長確度+/-0.05 nm, ITU-T 50 GHzグリッドに準拠した波長可変光源を搭載。柔軟な波長選択ができるため、海底ケーブルシステムにおいて、波長ごとに分岐するすべての伝送経路を測定可能です。

・小型・軽量のポータブルサイズ
320(W) x 177(H) x 451(D) mm、重量10 kg以下で従来機比40 %ダウンを実現。局舎内や海底ケーブル敷設船などの測定現場へ簡単に持ち運べます。

  • 用語解説

[※1]コヒーレントOTDRコヒーレント(光ヘテロダイン)検波技術を採用した光パルス試験器(OTDR、Optical Time Domain Reflectometerの略)のこと。光中継器により増幅を繰り返す海底ケーブルの光ファイバ特性を測定するのに適している。

[※2] CバンドConventional-bandの略。光ファイバの伝送損失が最も小さい波長帯を示し、海底ケーブルで使われる、波長分割多重方式(WDM)に採用されている。

[※3] 陸揚げ局海底ケーブルを引き揚げるための専用施設で、海底ケーブルと陸上ネットワークの中継地点。

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