箭内道彦さんらトップクリエイターの下で学び、
福島の魅力を発信する道場“誇心館”から送り出すプロジェクト。
福島県クリエイティブディレクターの箭内道彦さんを館長に、そして福島県の情報発信に携わってきたトップクリエイターの方々を師範に迎え、県内クリエイターがその技術と哲学を学びながら、実践としてふくしまの魅力や正確な情報を発信する道場「FUKUSHIMA CREATORS DOJO 誇心館」。コピーライター/クリエイティブディレクターの並河進さんを師範に学んだ3人の県内クリエイターが、福島弁のさまざまな効果を実証し、福島弁の使用を全国に広げていくプロジェクトを立ち上げ、検証動画を制作しました。
「福島弁全国普及プロジェクト」WEBサイト:https://fukushimaben-project.com
■企画内容
「福島県に住んでいるのに、福島弁にマイナスイメージを持っている人は少なくない。そんな悲しい現状を少しでも良くしていきたい」という想いから始まった、福島弁全国普及プロジェクト。
福島県の人々に、福島弁への誇りを持ってもらえるように。また、県外の人に対しても、福島弁を通して福島県の魅力を知って貰えるように。福島弁の魅力を再発見するための調査や幅広い実験を行っていくプロジェクトです。
2023年度は、3つの調査・検証を実施しました。
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1.福島県民アンケート調査
2023年2月に、本プロジェクトの第一弾として、県内20〜60代の男女1,000名にアンケート調査を行いました。(結果は「福島弁全国普及プロジェクト」webサイト https://fukushimaben-project.comに掲載)
<アンケート結果>
Q1.福島弁を誇りに思っていますか?
→YES:43.95% / NO:56.05%
Q2.福島弁を聞くと気分が落ち着く。
→(ネイティブ層※)YES:73.45% / NO:53.04%
(ノンネイティブ層)YES:46.96% / NO:53.04%
※言語が定着する3〜15歳までの間に県内に住んでいた層のこと
Q3.福島弁は親しみやすいイメージがある。
→(ネイティブ層)YES:78.08% / NO:21.92%
(ノンネイティブ層)YES:60% / NO:40%
Q4.あなたは普段、どのくらい福島弁を話しますか(年代別)?
→20代:49.2% / 30代:62.1% / 40代:61.7%
/50代:66.5% / 60代以上:56.4%
Q5.一あなたは普段、どのくらい福島弁を話しますか(地域別)?
→福島弁をもっとも使う地域は、南会津。
Q6.あなたは福島弁が好きですか?
→全年代共通で「好き」と答えた割合は50〜60%程度。
Q7.あなたは福島弁を誇りに思っていますか?
→全年代共通で「YES」と答えた人は40%台。
Q8.異性が福島弁を話していると、魅力的に感じる
→全年代共通で「YES」と答えた人は30%台。
Q9.一見怖そうな人が福島弁を話していると、優しい印象に変わる
→20代:46.9% / 30代:49.5% / 40代:54.6%
/50代:49.4% / 60代以上:63.6%
Q10.初対面の相手が福島弁を話していると、標準語よりも緊張しない
→20代:60.3% / 30代:65.4% / 40代:64.5%
/50代:68.2% / 60代以上:77.6%
Q11.福島弁に関する6種類のイメージ調査
→「親しみやすい」「素朴」の情的イメージ評価が高く、
「かっこいい」の知的イメージ評価は低かった。
福島弁を誇りに感じている福島県民は全体の4割程度という悲しい結果に。
啓発の鍵は【情的】イメージの発信?
アンケート結果に関して、福島大学・人間発達文化学類の
半沢 康(はんざわ やすし)先生に分析をしていただきました。
結果と分析コメントを合わせて、webサイト内にて紹介しております。
https://fukushimaben-project.com
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今回のアンケート結果で出た
【福島弁を聞くと気分が落ち着く/YES:73% 】
【初対面の相手が福島弁を話していると標準語より緊張しない/YES:67% 】
の2つの項目に焦点を当てて、
【日常の中で福島弁がどんな効果を発揮するか】を実験するプロモーション映像を制作しました。
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2.福島弁絵本読み聞かせMOVIE
標準語と福島弁の絵本とでは、子どもを寝かしつけるまでの時間に
何秒の差が生じるか?
事前のアンケートでは、福島弁を聞くと気分が落ち着くと答えた人は
全体の70%以上にものぼりました。
それなら、小さなお子さんに対しても
リラックス効果を与えることができるのでは?
そんな仮説をもとに、福島県内在住のご家庭3組にご協力をいただいて、
福島弁の絵本と標準語の絵本を使ってお子さんの寝かしつけにかかった時間を
計測して貰いました。
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気になる結果は、
【福島弁の絵本を読んだ時の方が6分29秒はやく眠りについた 】
という結果に。
※サンプル数が3組という少なさのため、科学的根拠という点ではサンプル不足なものの、親御さんからの感想は「物語が柔らかい印象になった」「温かさを感じる部分はあった」など好意的な反応をいただくことができました。プロモーション動画は、福島県公式YouTubeチャンネルにて公開しております。
<動画URL>
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3.福島弁オンライン会議MOVIE (※現在制作中)
福島弁でweb会議をすると、標準語のweb会議よりも
笑顔の回数が●回増える?
事前のアンケートでは、初対面の相手が福島弁を使うと緊張しないと答えた人は全体の60%以上にのぼりました。
コロナ禍で急激に増えた“オンライン会議”は、以前から「感情を伝えるのが難しい」と不満を感じる声が上がっていました。
福島弁の親しみやすさを活用することで、その不満を少しでも解消することができるのでは。
そんな仮説をもとに、
・福島弁だけを使ってweb会議をするグループ
・標準語だけを使ってweb会議をするグループ
2組に分けて30分間会議をして貰い、会議中の参加者全員の【笑顔の回数】を計測しました。
※動画は現在制作中。完成・公開は2023年3月下旬を予定しています。
■概要
▽タイトル:福島弁全国普及プロジェクト
▽URL:https://fukushimaben-project.com
▽企画制作:並河組塾生 山口弘道、福田大地、岩本裕貴
■「誇心館」とは
「FUKUSHIMA CREATORS DOJO 誇心館」は、これまで福島県の情報発信に携わってきたトップクリエイターの技術と哲学を学ぶ場を提供するとともに、実践として福島県の魅力や正確な情報を発信するクリエイティブを作成し、県内外に広く発信することにより、風評払拭・風化防止やブランド力向上を図る道場です。
■主催
福島県
■問い合わせ先
FUKUSHIMA CREATORS DOJO 誇⼼館 事務局(株式会社山川印刷所内)
fukushima-creators-dojo@yamakawa-p.co.jp