比国政府はこれまで、海外で就労する自国民の権利と利益を保護するため、人材を受け入れる日本の団体や企業を対象に厳格な書類審査を行っており、実際に人材を受け入れるまでには多大な時間と労力が必要とされていましたが、2022年秋の省庁再編によりDMWを新設、これまで複数の省庁が担当してきた海外雇用に関する政策担当機関を一本化しました。これにより、日本の団体や企業にとっては受け入れ準備の効率化が実現できることになりました。またオプレ大臣は、DMW内に日本への人材送り出し特化した「Japan Desk」を開設する考えも表明しました。各種手続きの迅速化や適正化が図られ、「日本への送り出し人数で(中国やベトナムを上回る)第1位になることを目指す」などと語りました。
こうした状況の変化を受けた今回の改訂版RoDでは、従来からの協力関係をさらに強化する方針を確認したうえで、日本政府の人権保護ガイドラインにそって実習生の人権保護に力点を置いた活動を展開する方針を新たに盛り込みました。これは外国人材活用の現場で人権侵害を行わないようにするための義務として、企業や団体で「人権デューディリジェンス」が確認されることを念頭に置いたものです。フィリピンの海外労働者には女性が多く、ジェンダー面での配慮も重要です。
JITCOは今回締結した改訂版RoDに基づき、今後も日本の受入企業や監理団体の皆様と技能実習生・特定技能外国人等の外国人材の受け入れの促進を図る事業目的推進のため各種施策を実施してまいります。
(*1 フィリピンの送出機関の連合体はAPLATIP、PRAJEC、JEPPCAの3団体)
【JITCOについて】
1991年に「財団法人 国際研修協力機構」として設立、2012年4月に内閣府所管の公益財団法人に移行。2020年に名称を「公益財団法人 国際人材協力機構」に変更しました。技能実習生や特定技能外国人等の外国人材の受け入れの促進を図ることを事業目的としています。