【Qlipperランキング】賃上げをめぐる報道の論点とは?企業の賃上げと春闘に関するウェブニュースランキング

この記事は約8分で読めます。
株式会社トドオナダ(代表取締役社長 松本泰行)は、賃上げに関連した企業の動向および「賃上げ」「春闘」を報じたウェブニュースの分析を発表いたしました。3,000以上のWEBメディアをモニタリングできるPR効果測定サービス「Qlipper」(https://qlipper.jp/)のデータに基づいた調査結果です。

岸田総理が物価上昇率を超える賃上げの実現を目指す方針を示し、連合は5%程度の賃上げ目標を示しています。企業側も、大手を中心に賃上げの動きが目立ち始めています。こうした状況下で、まもなく春闘が事実上のスタートを切ります。
この調査では、賃上げに関連する記載の多かった企業のウェブニュース記事、および「賃上げ」と「春闘」を見出しに含むウェブニュース記事を集計・分析しました。期間は2022年11月1日から2023年1月15日までの2ヶ月半です。

■サマリー■
・賃上げ議論を先導するサントリー
・社会的インパクト大のファーストリテイリング
・具体性の強い日本生命
・事実上「20年ぶり」ベアで高PVのキヤノン
・「物価高」を中心に議論される賃上げ・春闘
・「賃上げ」は2023年1月5日に約1,000記事

■詳細をご希望の方はこちらからお問い合わせください。
https://qlipper.jp/contactus.html
 

  • 賃上げを表明した企業の記事数ランキング

【1位〜10位】

1〜10位1〜10位

【11位〜15位】

11〜15位11〜15位

※仮想PV:Qlipperが取得したサイト構造を基に独自エンジンで記事のページビューを予測・算出した数字
※記事ツイート数:記事のURLを含むツイートの数

■賃上げ議論を先導するサントリー
記事数1位、仮想PV・記事ツイート数2位だったのがサントリー。
新浪剛史社長がベアを含めた月収ベースで6%の賃上げを検討していると明らかにしました。これが当日の12月13日に新聞・通信社とテレビを中心に大きく報道されました。
また、新浪社長は経済同友会のトップに内定している立場として、メディアの注目を集め続けています。そうした中で賃上げ推進の発言をしていることで、賃上げに関連するサントリーのニュースが断続的に出ています。
たとえば、令和5年度の与党税制改正大綱で防衛費増額の財源として法人税増税の方針が盛り込まれたことについての記事があります。経済界からは賃上げや投資意欲への影響を懸念する声があがったと報じる中で、新浪社長のコメントが引用されています。さらに、1月5日に行われた経済3団体の新年祝賀会での取材対応が集中的に記事となりました。

■社会的インパクト大のファーストリテイリング
記事数2位、仮想PV・記事ツイート数1位だったのがファーストリテイリング。
同社は1月11日、国内の従業員の年収を数%~40%ほど引き上げると発表しました。それまでほとんど賃上げ関連のニュースがなかったファーストリテイリングですが、当日は400記事ほどのウェブニュースが出たことがそのインパクトを表しています。
この賃上げをファーストリテイリング1社の決定以上の出来事として扱う報道が多いのも特徴です。
松野官房長官が記者会見でファーストリテイリングの発表を「前向きに評価したい」と歓迎するコメントが報じられていて、これは他社にはないニュースです。ほか、「賃金が上がる空気が整ってきた」ことの証とするエコノミストの指摘があったり、国内と海外の報酬水準の差や他の国内企業への波及を論じたりする記事が目立ちます。

■具体性の強い日本生命
日本生命保険は記事数・記事ツイート数3位、仮想PV4位でした。
12月19日、同社は営業職員約5万人を対象に2023年度から7%程度の賃上げを検討していると明らかにしました。これを報じる記事の傾向に特徴がありました。多くの記事の見出しと本文で、賃上げ対象となる人数の「5万人」、引き上げ率の「7%」、そしてそのために投じる資金「100億円」超という具体的な数字が強調されていました。

■事実上「20年ぶり」ベアで高PVのキヤノン
記事数は4位、仮想PVは3位に入ったのがキヤノンです。
全従業員の基本給を月額7000円引き上げると発表したキヤノンは、上記3社とメディア露出の傾向が異なります。
キヤノンの記事数は4位で、3位の日本生命とは約90記事の差があります。しかし仮想PVは日本生命の約2倍を得ています。これは12月26日の昇給の発表を報じる記事が『Yahoo!トピックス』に掲載されたことが影響しています。
また、プレスリリースのウェブ配信サービスを利用して昇給を発表した数少ない企業でした(今回の調査対象企業では、ほかにノジマ)。
記事の傾向としては、事実上「20年ぶり」のベアであることを強調する傾向が見られました。

【記事数・仮想PV上位4社のニュース推移】

サントリー・ファーストリテイリング・日本生命・キヤノンの記事推移サントリー・ファーストリテイリング・日本生命・キヤノンの記事推移

 

 

  • 「賃上げ」「春闘」の記事推移

※見出しに各ワードを含む記事を集計

見出しに「賃上げ」「春闘」を含む記事の推移見出しに「賃上げ」「春闘」を含む記事の推移

【賃上げ】
全記事数:7,030
仮想PV:98,822,503 pv
※見出しに「賃上げ」を含む記事
【春闘】
全記事数:1,598
仮想PV:13,944,089 pv
※見出しに「春闘」を含む記事

■「物価高」を中心に議論される賃上げ・春闘
下記の表に示したトレンドワードは、「賃上げ」でも「春闘」でも1位が「物価高」でした。
ほかのトレンドワードからも読み取れることですが、岸田首相も、経団連をはじめとする経済団体や企業トップも、連合など労働組合も、みな物価高への対応を中心に賃上げの議論をしていることがわかります。
首相はインフレ率(物価上昇率)を超える賃上げの実現を呼びかけ、経団連の十倉雅和会長は「物価高に負けない賃上げをお願いしている」「これは企業の責務」と語り、連合は2023年春闘で物価高を踏まえて5%程度の賃上げを求めています。

■「賃上げ」は2023年1月5日に約1,000記事
記事推移のグラフを見ると、「賃上げ」を見出しに含む記事が1月5日に突出して多くなっています。
この日は経団連、経済同友会、日本商工会議所の経済3団体の新年祝賀会が開催されていました。出席した岸田首相、3団体のトップ、そして企業の代表らが、あいさつ、記者会見、メディアの個別取材で上記のような賃上げの実現について語っており、新聞・通信社とテレビを中心に大量のニュース記事となりました。
また、同日は連合の新年交歓会も行われていました。今回の春闘で、連合はベースアップ相当分と定期昇給分とを合わせて5%程度の賃上げを求めています。
芳野会長は記者会見で、物価が上がる中で実質賃金を上げることの重要性を指摘し、賃上げの実現に全力を挙げると強調しました。こちらの会にも参加した岸田首相も、連合の方針について「政府としても取り組みを後押ししたい」と述べています。こうした一連の発言もニュースとなり、この日の記事数急増に影響しました。

トレンドワードランキング
※単純な記事数ではなく、時間軸なども踏まえてAIが判断

【賃上げ】

「賃上げ」トレンドワードランキング「賃上げ」トレンドワードランキング

【春闘】

「春闘」トレンドワードランキング「春闘」トレンドワードランキング

■調査概要
調査期間:2022年11月1日〜2023年1月15日
(Qlipperの記事確認日時)
調査機関:自社調査
調査対象:
1) 下記企業のウェブニュース記事で、賃上げ・ベアおよびその関連語を含むもの
NEC(日本電気株式会社)、アサヒビール株式会社、キヤノン株式会社、キリンホールディングス株式会社、サッポロビール株式会社、サントリーホールディングス株式会社、セコム株式会社、株式会社ノジマ、株式会社ファーストリテイリング、株式会社ローソン、ロート製薬株式会社、株式会社三井住友フィナンシャルグループ、大和ハウス工業株式会社、日揮ホールディングス株式会社、日本生命保険相互会社
2) 見出しに「賃上げ」または「春闘」の語を含むウェブニュース記事
調査方法:Qlipperが調査期間中に収集した国内主要ニュースサイトのウェブニュースの内、調査対象の記事数、仮想PV数を集計。
※仮想PV:国内3,000媒体以上のWEBメディアをモニタリングしているQlipperが、取得したサイト構造を基に独自エンジンで記事のページビューを予測・算出しています。(特許第7098122号)

■Qlipperについて
Qlipper(URL: https://qlipper.jp/)は、広報業務を支援するPR効果測定サービスです。
Webモニタリング、SNSモニタリング、PR分析、業務自動化によって、PR調査のコストダウンを行います。
正確かつ大量のデータをリアルタイムで簡単に得られます。
競合比較やベンチマーキングによる目標設定に活用可能です。
無料トライアルを用意しており、弊社コンサルタントが専任でサービス初期設定と最適化を支援します。
カスタマイズされたデータを簡単に確認でき、PR活動の分析と改善にご活用いただいています。

【株式会社トドオナダ】
https://todo-o-nada.com/
代表取締役社長:松本泰行
〒108-0073 東京都港区三田3-13-16 三田43MTビル2F
会社設立日:2020年1月20日
資本金:580万円

【プレスリリースに関するお問い合わせ】
株式会社トドオナダ
Qlipper運営事務局
担当:遠藤
Email:qlipper@todo-o-nada.com

タイトルとURLをコピーしました