ハンドラベラーは、1962年に創業者の佐藤 陽が開発しました。値段が書かれた紙を切り、商品一つ一つに糊で貼り付けている小売現場の値付け作業を見て「何とか作業を楽にできないか」と思ったことがきっかけでした。当時の日本は、高度経済成長期で小売業が発展し、多くの商品が店頭に並ぶようになっていました。値付け作業の機械化を模索する中、ある日胸ポケットに入れたシールを見た佐藤はひらめきます。「台紙を折るとシールがきれいに剥がれる」。これを応用し、初代ハンドラベラー「HIT」が誕生しました。
それ以来、日本はもとより、世界中のお客さまにご利用いただき、現在は6シリーズ41機種※1を揃えています。ハード面では、軽量かつ落下耐性のある筐体の採用や、ラベルセットが簡単にできる構造とするなどの改良を重ねてきました。サプライ(純正Ⓡハンドラベル)も、用途や使用環境にあわせてお選びいただけるよう、ラベル基材・糊、インキローラーのラインアップを増やしてきました。
ハンドラベラーが活躍する場面も広がりました。小売分野における値付けだけではなく、外食(食材の期限管理等)、病院(管理番号や期限の表示等)、物流(ロットナンバーの表示等)などさまざまな現場でお使いいただいています。
店頭に並ぶ商品に、値段を貼り付けるハンドラベラーは、モノに情報をひも付け、課題を解決する、サトーグループの現在のビジネスの出発点です。
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
- ≪参考資料≫
■ハンドラベラー開発前の値付け作業
■ハンドラベラーのあゆみ
◇1960年代 ハンドラベラーを開発
「値付け作業を楽にしてさしあげたい」という思いから誕生したハンドラベラーを1962年に発売しました。1965年には、海外でも販売を開始。当時佐藤は、納品先の国が増えるごとに、その国の国旗を岩手県の製造工場に掲げ、社員を鼓舞していました。
◇1970年代 店名印字など新たな機構を組み込み、大きく改良
店名を印字できる機構を新たに搭載した他、印字バンドの耐久性強化、ラベル送りの改善、軽量化など、機能・性能を強化。注文が急増しました。
◇1970年代 多段印字機の登場
値段の他に食品の消費期限など、日付表示が可能になりました。
◇1970年代 POS用ハンドラベラーの開発に挑戦
商品管理のためにバーコードを利用するPOS(販売時点情報管理)システムが登場。それを受け、1974年世界初のPOS用ハンドラベラーを開発。しかし、バーコードを安定して読み取れるだけの印字品質が出ませんでした。この失敗がきっかけとなり、サトーグループはバーコードプリンタの開発に着手。現在は主力事業に成長しています。
◇1970年代 貼付け場所を選ばない、小さなラベルに対応
化粧品や薬など、小さな対象物へのラベル貼り付けに適したPB-1を発売。本体重量はわずか240g。現在でもサトー製ハンドラベラーの最軽量モデルです。※2
◇1980年代 物流、製造の業界でも活用
物流の入庫管理や製造の品質管理などにも採用され、小売業以外でも用いられるようになりました。
◇1980年代 しっかりとラベルを送り出す構造が特長
丸い送り穴により、1枚1枚のラベルをしっかり送り出すパンチラベルに対応したSPを発売。ベストセラーとなりました。
◇2000年代 消費税総額表示に対応
2004年、価格表示において消費税額も含めた支払い総額を示すことが義務付けられました。市場の動きを捉え増産体制をいち早く整えたことで、小売り各社にハンドラベラーの安定供給を図りました。
◇2010年代 シニア世代にもやさしい、見やすい大きな文字
2005年発売の商品「UNOⓇシリーズ」に、大きな文字が印字できる「UNOⓇ PROMO」をラインアップ。シニア世代の増加に伴い、誰にでも見やすい表示をめざし開発されました。
◇2010年代 サプライのラインアップも充実
2018年、HACCPに基づく食品衛生管理の実施※3が求められ、食品原材料の受け入れから、製造・調理・出荷までの管理がより厳しくなりました。冷凍食材の管理に適した、冷たい面でも強い粘着力を持つ純正Ⓡハンドラベルや、印字がにじまない速乾インクなど、サプライ面もラインアップを充実させています。
◇2020年代 1円未満の価格も表示
税込み価格を小数点第2位まで表示できるハンドラベラーが好評を得ています。同じ商品でも、単品で購入した場合と、複数同時に購入した場合では、支払金額に差額が生じる場合があることから、商品にかかる消費税額を、消費者により明確にお伝えしたい小売企業のニーズに応えています。社会やお客さまの変化に応えられるよう、ハンドラベラーはこれからも進化を続けていきます。
※1 個別のお客さま向け受注生産品も含みます。
※2 2022年11月現在。
※3 2018年6月に公布され、2020年6月までに施行の改正食品衛生法では、原則として全ての食品等事業者(小売業・外食などを含む)に、国際的に推奨される食品衛生管理手法であるHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point )に沿った衛生管理に取り組むことが盛り込まれています。HACCPにおいては、食品製造工程上の危害要因をあらかじめ予測し、危害を防止するための重要管理ポイントを特定した上で、そのポイントを継続的に記録管理していくことが求められます。
※純正、UNO、およびDUOBELERは、サトーホールディングス(株)の日本登録商標です。