咲洲プロジェクトについて
西尾レントオール株式会社がトップパートナーとして参加する108 ART PROJECTは、アートの力で、まちの景観を豊かにし、賑わいのある街づくりに貢献することを目的に2021年に発足し、ビルオーナーやパートナー企業、アーティストの協力のもと、建設地の仮囲いアートを皮切りに様々なプロジェクトを展開しています。
日本の裏側にあるアフリカとの出会い
~女性の一生を彩る、東アフリカの伝統布カンガ~
ここ咲洲に近い夢洲で2025年に開催される大阪・関西万博がテーマに掲げる「いのち」。万博という場で世界が一つになること、この万博がSDGs達成への飛躍の機会になることを考えたときに浮かんできたのが、日本の裏側にあるアフリカでした。
今回のプロジェクトのコンセプトは「チーム地球。」 隔たりも国境もない「一つの地球」からアフリカという遠く離れた国を思い浮かべ、そこにある文化、暮らしている人の生活を知っていく中で、東アフリカで女性が身にまとう「カンガ」に出会いました。東アフリカでは女性は「カンガ」と呼ばれる大きい一枚布を身に付けます。花・植物の絵柄がカラフルに彩色された布は、現地女性にとっての必需品で、産着からスカート、ドレス、死装束にまで使われ、一人の女性の一生を彩るものです。装いにおけるコミュニケーションをテーマに活動するアーティストの西尾美也がケニアで収集し、撮影したカンガの写真は、現地の文化を伝える貴重な記録になっています。
一つ一つのカンガには、昔からのスワヒリのことわざや愛のメッセージなどの言葉が書かれています。女性たちは、その日の自分の気持ちや考えに合わせて身につけたりするそうです。展示されるカンガの写真には、アフリカの女性たちの人生がつまっています。本作のタイトルにも、そうしたアフリカの女性を象徴するものとして、あるカンガの言葉が引用されています。
アフリカの女性たち、そしてアフリカという国に思いを馳せながらこれからの未来を描いてみませんか?
展示作品について
タイトル:POPOTE NILIPO NINA RAHA わたしがいるところではどこでも喜びがある
アーティストからのメッセージ
本作は、僕自身が各地で古着を収集して作品を作ってきた延長で、アフリカでも古布のカンガを収集した際に、物語をまとったその物質性に圧倒され、おもわず写真に記録したものです。穴が開き、破けたカンガは、それがれっきとした生活の記録であることを知ると、絵柄は新品以上にカラフルに、生き生きとした女性たちの物語として見えてくるようでした。
アーティスト:西尾美也(にしお・よしなり)
1982年奈良県生まれ。美術家。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。奈良県立大学地域創造学部准教授。装いの行為とコミュニケーションの関係性に着目したプロジェクトを国内外で展開。大阪の西成発のファッションブランド「NISHINARI YOSHIO」を手がける。2011年から2年間、文化庁新進芸術家海外研修員(ケニア共和国ナイロビ)として活動したことをきっかけに、アフリカと日本をつなぐアートプロジェクトを企画・運営している。
展示概要
アート掲出期間:2022年8月24日(水)~11月末(予定)
アート掲出場所:西尾レントオールR&D国際交流センター(仮称)
(住所:大阪市住之江区南港北1丁目)
主催・事務局:108 ART PROJECT 事務局
108 ART PROJECT について
様々な垣根を超え、皆が気づき、感動し、インスピレーションを得るアートをテーマとして、2021年に開始したプロジェクトです。アートの力で、まちの景観を豊かにし、人々が自分たちの街やコミュニティに興味を持つきっかけを創出すると共に、共感する物語を紡ぎながら様々な領域の企業や自治体そして人々を繋ぎ、その時代に合った価値を共に創るネットワークを生み出すことを目指しています。
これまで東京、大阪、愛知、福岡など主要都市を中心に、ビルオーナーやパートナー企業、アーティストの協力のもとプロジェクトを展開し、新ビル建設地の仮囲いアートから新しいまちの景観を生み出してきました。
トップパートナー企業:西尾レントオール株式会社、株式会社乃村工藝社、TSP 太陽株式会社、
日本たばこ産業株式会社
アーティストキュレーター:伊藤悠(island JAPAN co.Ltd)
アドバイザー:佐藤優(神戸芸術工科大学)
108 ART PROJECTのHPでは、描かれたアートの一部を再利用可能な素材で制作するといったSDGsへの取り組み
や、プロジェクトのプロセスやアーティストのインタビューなどを撮影したプロジェクトムービーや写真などもウェブサイトにて公開しています。(随時、更新予定)
ウェブサイト:https://www.108art.ne.jp/