イルミナ株式会社(製造販売業者:東京都港区、以下「イルミナ」)は、臨床用ゲノムシーケンサーNovaSeq™ 6000Dx システムが厚生労働省より医療機器として登録が完了したことを発表しました。
製造販売名 NovaSeq™ 6000Dx システム(以下、NovaSeq 6000Dx)(届出番号:13B1X10303000007)は、1台でイルミナの実証済みのシーケンシング技術に基づく診断(IVD)モードまたは研究(RUO)モードを 選択して運用可能で、2日未満で6Tb以上のデータ出力が可能な遺伝子解析装置です。
イルミナ日本ゼネラルマネジャーのアジュナ・クマラスリヤ(Arjuna Kumarasuriyar)博士は次のように述べています。「患者さんにタイムリーな診断と治療を提供するために、臨床現場においてDNAサンプルのシーケンスと解析をより迅速かつ低コストで行う能力が不可欠です。ゲノミクスはさまざまな形で患者さんに利益をもたらす可能性を秘めていますが、迅速かつ費用対効果の高いシーケンスと解析へのアクセスがしばしば制限要因となっています。NovaSeq 6000Dxのシーケンス技術が日本に導入されることで、多くの患者さんが恩恵を受けられるようになることを目指しています」
人口1億2,500万人を超える日本では、高齢化が進む中、がんをはじめとしたさまざまな疾患が増加しており、より効率的な診断と的確な治療法が切実に求められています。Global Cancer Observatory(GCO)によると、日本における年間のがん診断に対するがん関連死亡率は、米国の0.27に比べ0.42と高い数値となっています。この比率を米国と同等まで抑えることができれば、日本において年間約15万人の命が助かる可能性があると考えられます。
イルミナは、すべての人々が公平に健康を享受できる世界の実現を目指し、シーケンスの低コスト化、診断技術へのアクセス向上、ゲノミクスデータの多様化に取り組んでいます。
「当社は、ゲノミクスを組み入れることで、診断の精度を改善し、がんや希少疾患の患者さんにより絞った効果的な治療を提供することで、日常的な臨床治療を変えることを目標としています。遺伝学の進歩は、ゲノミクスに基づいた医療を実現させ、医療を変革させる可能性を秘めています。また、新しい発見により、疾患の原因となる変異や遺伝的素因についての理解が急速に進んでいます。臨床現場でこの情報を活用することで治療へのアクセスが改善され、より良い患者ケアにつながることが期待されます」とクマラスリヤは述べています。
臨床検査における次世代シーケンサー(NGS)システムには柔軟性が不可欠です。検査は、サンプルのスループットやパネルサイズ、必要なシーケンスに合わせた深さなど、スケーラブルに行う必要があります。臨床検査のコスト削減を目指す臨床検査機関では、解析量の増加された、より安価なシーケンスを使用することで検査の規模を拡大できるようになります。
「イルミナは、検査開発パートナーの協力を得やすくする環境をつくることに努めてきました。臨床検査機関には、異なる患者さんのニーズに合わせたシーケンス技術を選択できる柔軟性が必要です。MiSeq™Dx システム(以下、MiSeqDx)、NextSeq™ 550Dx システム(以下、NextSeq 550Dx)に加えNovaSeq 6000Dxが薬事登録されたことで、イルミナはロー、ミドルスループットからハイスループットまでカバーするシーケンス技術を提供できるようになりました。臨床で完全にスケーラブルなシーケンス技術を提供できるプロバイダーは、イルミナの他にありません」とクマラスリヤは述べます。
NovaSeq 6000Dxは、日本市場における臨床検査用の機種としては最高レベルのスループットを有するシーケンサーです。患者情報の取り扱いに関する高度なデータセキュリティとプライバシー対策を備え、最高水準のコンプライアンスを実現し、使用者および患者さんの安全を確保しつつ、治療において実用的な洞察を提供します。
「セキュリティは、ゲノミクスのデータ管理に関する現在のベストプラクティスを含めて、一から設計されています」とクマラスリヤは述べています。
イルミナは、2018年に体外診断用(IVD)医療機器として初めて承認されたNextSeq 550Dx の発売より、日本における臨床ゲノミクスを牽引してきました。2019年に承認されたMiSeqDxや本日発表のNovaSeq 6000Dxの参入を機に、規制に沿ったNGSプラットフォームの構築と革新に貢献します。
使用目的について
NovaSeq 6000Dxは、体外診断(IVD)アッセイ時におけるDNAライブラリーのシーケンスで使用することを目的としたものです。NovaSeq 6000Dx は、特定の登録、認可または承認を受けたIVD試薬および解析ソフトウェアと併用されることを前提としています。
将来の見通しに関する記述
本プレスリリースには、リスクおよび不確実性を伴う将来の見通しに関する記述が含まれている場合があります。実際の業績に将来の見通しに関する記述と大きく異なる影響を与えうる重要なる要因には、以下のようなものが含まれます。(i) 頑丈な機器および消耗品を製造する能力、(ii) 製造業務の拡大や変更、重要部品の第三者サプライヤーへの依存など、新しい製品やサービスの開発、製造、発売に特有の課題、(iii) 規制当局から当社製品に対する承認を取得または維持する能力。また、これらに加え、最新のForm 10-K、Form 10-Q等、米国証券取引委員会(SEC)への提出書類、事前に公表されているカンファレンスコールにおいて開示される情報さなどの要因があります。 イルミナは、これらの将来の見通しに関する記述の更新、アナリストの予想の見直しや確認、または当四半期の進捗状況に関する中間報告書もしくは最新情報の提供を行う義務を負うものではありません。
イルミナ日本法人について
イルミナ日本法人は2004年に設立され、2013年に最初のオフィスとイルミナソリューションズセンター(ISC)を開設しました。ISCは、顧客の研究室における当社の技術活用を促進する目的で設立され、当社のシーケンスシステムやワークフローの実践的な経験を提供するトレーニング施設です。現在、日本には約100名の従業員が勤務しており、これまでに1,000台以上のシーケンスシステム設置の実績があります。 また、国立がん研究センター、岡山大学、シスメックス、大塚製薬、栄研化学など、多くの重要なパートナーシップを結んでいます。詳細については https://jp.illumina.com/ もしくは https://www.facebook.com/illuminakk/ をご覧ください。