2023年度第3四半期決算

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• 受注高は比較可能ベースで15%増の242億ユーロとなり、再び非常に高い水準に(2022年度第3四半期は220億ユーロ)
• 売上高は比較可能ベースで10%増の189億ユーロ(2022年度第3四半期は179億ユーロ)
• インダストリアルビジネスの利益は28億ユーロ(2022年度第3四半期は29億ユーロ)となり、スマートインフラストラクチャーおよびデジタルインダストリー事業で大幅に増加
• 純利益は14億ユーロ(2022年度第3四半期は純損失15億ユーロ)
• グループレベルでのフリーキャッシュフロー(全支出織り込み済み)は30億ユーロに達し、29%増加(2022年度第3四半期は23億ユーロ)
• シーメンスエナジーへの投資関連を除いた2023年度の売上成長率およびPPA前EPSについて、グループレベルの見通しを確認

シーメンスは2023年度第3四半期(2023年6月30日終了)においても収益性の高い成長軌道を維持し、すべてのインダストリアルビジネスが力強い売上成長を達成しました。また、大型プロジェクトおよびシステムビジネスの受注も好調に推移しました。出荷受注比率は1.28と非常に高く、受注残高は1,100億ユーロと再び過去最高水準となりました。シーメンスは2023年度のグループレベルの業績見通しを確認し、引き続き9%から11%の増収と、シーメンスエナジーへの投資関連を除いた企業買収時の取得原価配分前の基本1株当たり利益(PPA前EPS)を9.60ユーロから9.90ユーロと見込んでいます。

シーメンスAGのローランド・ブッシュ代表取締役社長兼CEOは、「当社は再び利益ある成長を達成し、全事業において競争力を発揮することができました。特に中国と短期サイクル事業において、需要の正常化が見られます。財務実績が引き続き好調かつ強靭であることを非常に喜ばしく思います。当社は引き続き、高い価値のある成長を生み出し、デジタルトランスフォーメーションとサステナビリティに向けたお客様の取り組みを加速させるという戦略を引き続き実行していきます」と述べています。

シーメンスAGのラルフ・P・トーマスCFOは、「第3四半期もまた、事業の好調な業績を反映する形で優れたフリーキャッシュフローを計上することができました。加えて、ムーディーズによる信用格付けの格上げが、当社の財務力を裏付けるものとなっています。当社は、株主、顧客、そして従業員のために価値を創造し続ける理想的な位置につけています」と述べています。

 

インダストリアルビジネスが顕著な売上成長を達成

2023年度第3四半期のシーメンスの売上高は、前年同期比で10%増の189億ユーロ(2022年度第3四半期は179億ユーロ)となりました。受注高も前年同期比で15%増の242億ユーロ(2022年度第3四半期は220億ユーロ)となりました。

インダストリアルビジネスの利益は、スマートインフラストラクチャーおよびデジタルインダストリーズの大幅増益などがあり、28億ユーロ(2022年度第3四半期は、Yunex社の売却益7億3,900万ユーロを含み、29億ユーロ)となりました。利益率は15.3%(2022年度第3四半期は17.0%)です。純利益につきましては、2022年度第3四半期にシーメンスエナジーAG株式の減損およびロシア関連の影響を受け15億ユーロの純損失を計上しましたが、今四半期は14億ユーロの純利益に転じました。2023年度第3四半期のシーメンスエナジーへの投資関連については、主にシーメンスエナジーの税引き後損失が新たに加わったことから、6億ユーロの損失を計上しました。これに対応するPPA前EPSは1.78ユーロ(2022年度第3四半期はマイナス1.85ユーロ)でした。シーメンスエナジーへの投資関連の損失を除くと、PPA前EPSは2.60ユーロとなります。

グループレベルでの継続事業と非継続事業からのフリーキャッシュフロー(全支出織り込み済み)は30億ユーロ(2022年度第3四半期は23億ユーロ)で、当四半期も傑出した水準となりました。この大幅な改善は主に、インダストリアルビジネスが創出した31億ユーロ(2022年度第3四半期は25億ユーロ)という非常に好調なフリーキャッシュフローと、すべてのインダストリアル事業において現金収入が好調であったことによります。

スマートインフラストラクチャーとデジタルインダストリーズが大幅増益

デジタルインダストリーズでは、前年同期比で合計11%増の53億ユーロとなりました。この成長は主にオートメーション事業、特にファクトリーオートメーション事業とプロセスオートメーション事業が牽引したことによります。受注高は比較可能ベースで35%減の41億ユーロとなりました。前期およびそれ以前に、オートメーション事業において、お客様が積極的に購買を進めたことによる恩恵を受け受注が伸びていたことによるものです。受注は全地域で減少しましたが、なかでも中国が顕著でした。対照的に、ソフトウェア事業の受注は複数の大型契約の獲得により増加しました。利益は24%増の11億ユーロ、利益率は合計21.1%でした。これは、稼働率の向上と、高収益製品向け部品の調達状況改善による製品ミックスの改善に支えられたものです。

スマートインフラストラクチャー部門の受注高は54億ユーロと、特に短期サイクル事業におけるお客様が積極的に購買を進めたことによる恩恵を受けていた2022年度第3四半期の高水準をほぼ維持しました。受注高は、データセンター向けの大型受注、ならびに電池メーカーや配電事業のお客様からの受注により、電化事業の大幅伸長が牽引しました。売上高は比較可能なベースとして全事業で増収となり、合計で15%増の49億ユーロとなりました。

電気製品事業と電化事業の成長が特に顕著です。利益は37%増の7億6,900万ユーロとなりました。利益率は2022年度第3四半期の12.9%に対し、15.6%となりました。

モビリティ部門の四半期受注高は再び過去最高の83億ユーロを達成しました。この好調な伸びを牽引したのは、大型契約を数件獲得したことであり、これには、エジプトにおけるターンキー鉄道システムの第1ライン25億ユーロの受注や、ドイツにおける近郊電車21億ユーロの受注を計上したことが含まれます。売上高は、比較可能なベースで12%増の26億ユーロとなりました。すべての事業がこの成長に寄与しましたが、これは部品の調達状況改善により受注残から売上への転換が進んだことによります。利益および利益率は全事業で増加しましたが、合計額として、Yunex社の売却益7億3,900万ユーロがあった2022年度第3四半期の例外的な高水準には届きませんでした。

グループレベルの見通しを確認

シーメンス・グループについては、売上成長率は前年度比で9%から11%(為替変動とポートフォリオの影響を除く)、出荷受注比率は1を超えるものと見込んでいます。

デジタルインダストリーズについては、今回、2023年度の前年同期比売上高成長率を13%から15%と見込んでいます(前回見込みは17%から20%)。利益率については、22%から23%となる見込みです(前回見込みは22.5%から23.5%)。

スマートインフラストラクチャーについては、2023年度の前年同期比売上高成長率を14%から16%、利益率を14.5%から15.5%と見込んでいます。

モビリティについては、前回見込みを据え置き、2023年度の前年同期比売上高成長率を10%から12%、利益率を8%から10%と見込んでいます。

シーメンスとしては、2023年度3四半期累計で9億200万ユーロの純利益とこれに対応する1.14ユーロのPPA前EPSをもたらしたシーメンスエナジーへの投資関連を除けば、インダストリアルビジネスの収益性を伴った成長により、2023年度のPPA前EPSは9.60から9.90ユーロのレンジに増加すると引き続き見込んでおります。

この見通しには、法規制上の問題による負担は含まれていません。

【参考資料】

本資料はシーメンスAGが2023年8月10日(現地時間)にドイツ・ミュンヘンで発表したプレスリリースを日本語に抄訳したものです。本資料の正式言語はドイツ語・英語であり、その内容および解釈については両言語が優先します。原文プレスリリースおよび関連資料は以下の URL よりご覧いただけます(英文)。

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