電子書籍・事典の活用による読書支援の効果を長崎市立小学校で調査~学校および家庭での読書意欲が向上 授業での活用や図書室との相乗効果も~

この記事は約5分で読めます。
株式会社ポプラ社(本社: 東京都千代田区、代表取締役: 千葉均、以下「ポプラ社」)および株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 谷崎勝教、以下「日本総研」)は、2022年7月から長崎市内の4つの市立小学校において電子書籍・電子事典サービスを試行的に導入(以下「本取り組み」)しており、昨年度末、本取り組みが児童の読書環境や学習に及ぼす効果などについて調査(以下「本調査」)を行いました。
今般、本調査の結果を取りまとめましたので発表します。

株式会社ポプラ社および株式会社日本総合研究所は、2022年7月から長崎市内の4つの市立小学校において電子書籍・電子事典サービスを試行的に導入(以下「本取り組み」)しており、昨年度末、本取り組みが児童の読書環境や学習に及ぼす効果などについて調査(以下「本調査」)を行いました。

今般、本調査の結果を取りまとめましたので発表します。

  • 結果要約

●電子書籍サービス導入による児童の読書習慣などに対する効果

タブレットからさまざまな書籍を閲覧できるようになったこと、児童がデジタルサービス上の機能に関心を持ちやすいことから、長期休業中やすき間時間、帰宅後などの読書機会の増加につながった。また、一度に複数人で同じ書籍が利用できるため、教職員からは授業や課題で使いやすいと評価された。

電子書籍サービスによって図書室の利用が減るのではなく、図書室・電子書籍サービス双方から好きな本に出会うことができる、図書室の利用後に新しい本を探す、図書室のイベントに組み込むといった事例が見られた。電子書籍サービスと図書室活動の両立を図りつつ、児童の読書環境を豊かにすることができると言える。

●電子事典サービス導入による児童の調べ学習・インターネット利用に対する効果

電子事典サービスは、授業で専門用語を調べる場面や調べ学習をする場面で主に利用されていた。児童向けの分かりやすい説明があり、図や写真も見ることができることから、授業で活用しやすいと評価された。

ウェブ上の検索エンジンとは異なり、検索結果が児童向けに分かりやすく表示され、正確な情報や専用のコンテンツが表示される。そのため、安心して調べ学習(あるテーマについて、児童が書籍やインターネット検索などを用いて調べたことをまとめる学習)に取り組めるという意見があった。インターネットを利用する際のリスクを軽減し、児童の情報活用能力の向上につながる機能が評価された。

●電子書籍・電子事典サービスを学校現場に導入する際の留意点

電子書籍や電子事典サービスの一般社会への浸透はまだ十分とは言えない。学校現場で活用するには、教職員が活用方法や活用事例を知る機会を提供するなどの工夫が必要である。

  • 本取り組みの概要

導入先:長崎市内の4つの市立小学校(学校周辺に大規模書店や市立図書館が少ない市立小学校から選定)

導入内容:ポプラ社の電子書籍読み放題サービス「Yomokka!(よもっか!)」および電子事典などを閲覧できる調べ学習応援サービス「Sagasokka!(さがそっか!)」について、対象校で利用されているインターネット接続が可能なタブレット端末を通じて、教職員および児童が学校や自宅で自由に利活用できることとした。それぞれの利活用方法については、授業で活用する・しないも含め、個々の教職員の裁量とした。

〇Yomokka!(よもっか!)

32社3,500冊(2023年7月1日時点)の作品が掲載されている電子書籍読み放題サービス。同じ本を同時に複数人が利用できるほか、さまざまな本と出会う機能や読書履歴を確認できる機能などがある。

〇Sagasokka!(さがそっか!)

デジタル化された児童向けレファレンス資料をオンラインで提供する調べ学習応援サービス。「総合百科事典ポプラディア」および「ポプラディアプラス人物事典」の項目を閲覧できるほか、関連項目への遷移、コラム・クイズを通した項目の紹介、テーマ別項目集を用いた検索、項目に紐づく画像・資料の検索など調べ学習に適した機能がある。

○その他

「朝日小学生新聞」の一部のコンテンツを過去3カ月分閲覧できる。

○サービス概要: https://kodomottolab.poplar.co.jp/mottosokka/

導入期間:2022年7月~2024年3月(予定)

・本取り組み発表プレスリリース>>>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000515.000031579.html

  • 本調査の概要

調査目的:電子書籍・電子事典サービスの利活用を進める方法の検討に役立てるため、本取り組みの導入が以下の場面において児童・教職員に与えた影響や課題、ニーズなどを把握する。

・読書環境や学習環境

・学校図書室の利用

・家庭での過ごし方

・教職員の授業準備や読書推進

調査方法:①児童②保護者③教職員に対し、質問票によるアンケート調査を実施した(2023年2月20日~3月3日)。その結果、それぞれ以下の回答を得た。

 ・児童48名、保護者25名、教職員20名

④学校全体への影響を把握するため、学校長、教頭、図書室担当者には、対面によるヒアリング調査を実施した(2023年3月)。その結果、以下の回答を得た。

 ・導入した4校の学校長、教頭、図書担当者合計5名

⑤本取り組みによる読書行動の変化を把握するため、電子書籍利用冊数および本取り組み前後における図書室貸出冊数を計測した。

 ・電子書籍利用冊数(2022年7月~2023年1月)

 ・図書室貸出冊数(2021年7月~2022年1月および2022年7月~2023年1月)

  • 調査結果

・本調査結果詳細を含むプレスリリース>>>https://prtimes.jp/a/?f=d31579-675-5a9a9acf35132c86c4d499b91a2be305.pdf

タイトルとURLをコピーしました