ロビット、繊維工業品の検査自動化を進める「TESRAY Rシリーズ」の提供を開始。ダイヤテックス社の実生産ラインで検査精度100%を達成。

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AI・ソフト・ハードを融合させたクロスソリューションを提供する株式会社ロビット(代表取締役:新井雅海 所在地:東京都板橋区)は、AI外観検査ソリューション「TESRAY」シリーズに、「ロールtoロール」の生産方式で製造される、シート形状のワークの検査に最適化した汎用ソリューション「TESRAY Rシリーズ」を新たに提供開始したことを発表いたします。

■「AI外観検査ソリューションTESRAY」について

ロビットが開発し導入を進めるAI外観検査ソリューション「TESRAY」は、検査工程の自動化に必要となるAI・撮像・ロボティクス技術を全て自社で保有することで、高精度の異常検出を瞬時に行い、インラインで全数検査を実現するオールインワンソリューションです。

2018年より、製造業をはじめとした幅広い産業、多様な検査対象に対して、高精度の検査AIアルゴリズムとそのAIアルゴリズムを実装した検査ロボット・検査ラインの導入を進めてきました。

2021年には、自動車業界などの検査基準の厳しい製造業における3D形状の検査対象にも対応した、さまざまな製品の検査にご活用いただける汎用検査装置「TESRAY Sシリーズ」を発表しました。

(TESRAY Sシリーズ 過去プレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000020284.html

2022年には、製造業だけにとどまらず、食品等小型の検査対象の異物除去/不良品選別に最適化した「TESRAY Gシリーズ」を国際食品工業展”FOOMA”にて発表し、今まで人間にしか出来なかった官能的な指標による外観検査の自動化を推し進め、工場のDX化に貢献しています。

(TESRAY Gシリーズ 過去プレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000020284.html)

■「TESRAY Rシリーズ」の概要

今回新たに開発した「TESRAY Rシリーズ」は、「ロールtoロール」の生産方式によって製造されるあらゆるシート状の製品の外観検査を行うことが可能で、AIだけでなく、コンベアや撮像光学ユニットなどのハードウェア、装置を制御するソフトウェアがオールインワンで搭載された汎用型ソリューションです。生産ラインの前後設備との連携にも対応しており、生産ラインの省力化に貢献します。

検査性能のコアとなる「TESRAY Rシリーズ」に搭載されているAIアルゴリズムは、従来よりシート形状の製品検査で活用されてきたルールベースの欠陥探知機では実現できなかった正常部の過検出を抑制することができます。

具体的には、製品品質や外観上問題がない繊維のヨレなど、異常部に酷似した正常部を過検出せずに異常部のみを検出することが可能です(画像は、ダイヤテックス社様ご提供)。
 

(図)正常品/異常品における撮像画像(画像左)、AIアルゴリズムの推論結果(画像右)の例

 

1.正常品:キンク(繊維のよれ)の特徴があるが、後工程等の処理等で品質/見栄えに影響しない正常品をAIアルゴリズムは過検出せず正常品と判定

※AI推論結果では、AIはキンク(繊維のよれ)に一定量の注目(緑色)をしているが、過検出には至っていない(図2)

図2:キンク(繊維のよれ)AI推論画像図2:キンク(繊維のよれ)AI推論画像

図1:キンク(繊維のよれ)撮像画像図1:キンク(繊維のよれ)撮像画像

2.異常品:上記のキンクと形状が類似した異物をAIアルゴリズムは見逃さずに異常品と判定

※図2のAI推論結果に比べ、AIは異物に明らかに多く注目(赤色)している(図4)

図3:異物撮像画像図3:異物撮像画像

図4:異物AI推論画像図4:異物AI推論画像

■「TESRAY Rシリーズ」の特徴

AI x HW x SWすべてを内蔵した「TESRAY Rシリーズ」には6つの特徴があります。

  • 「ロールtoロール、シート」などの生産方式で生産されるあらゆる工業製品、食品に対応(例:フィルム品、繊維織物、不織布、薄板の鋼板、麺類などの食品等)

  • ルールベースの欠陥探知機では実現できなかった正常部の過検出の抑制が可能

  • 生産ラインにおいて、生産設備の仕様、生産速度を変えずに、既存検査装置からの置き換え、または前後の設備との連携が可能

  • 異常検出時には異常部の画像をリアルタイムにモニターに表示。製品の座標も合わせて表示することができ、異常品のエビデンス構築が可能

  • 検出した異常種類を識別し、検出数を集計することが可能。集計データを用いた品質向上のためのビッグデータ活用が可能

  • 導入後に異常の種類が増えたり、新しい製品が検査の対象となった場合でも、AIの追加学習が可能であり、また別工場への横展開が可能

【アプリケーション事例】

繊維製品繊維製品

化学フィルム・シート化学フィルム・シート

■導入事例:【国内養生テープトップシェアのダイヤテックス社の製造ラインに導入】

【概要】

会社名:ダイヤテックス株式会社

国内養生テープのリーディングカンパニーで三菱ケミカル株式会社の100%子会社(代表取締役社長:今屋 隆信 所在地:東京都千代田区)

検査内容:生産ライン上での、養生テープの外観検査

養生テープの品質上問題のない一時的な「よれ」などを異常と検出せずに、製造中に発生するキズや異物の検出を行いたい。

【背景】

ダイヤテックス社では、現在画像処理技術を用いた欠点探知機にて養生テープの不良箇所を検知しておりますが、探知レベルを上げると異常箇所の過検出(正常部を異常部と判定すること)が生じ、場合によっては製品不良となる実際の異常の100倍以上の不良箇所を検出し、目視による再検査実施という作業負荷が重い状況となっておりました。また、異常の分類や程度を定量化できず、作業員の経験や目測にて良否の判断をされておられました。

【製造ラインへ導入までの経緯】

  • 上記のような状況のなか、同社では、異常箇所の過検出が発生してしまう欠点探知機に取って代わる新しい技術を模索しているなかで、AI技術に着目されていました。

  • そういったなか、ロビットが開発を進めるAI外観検査ソリューションTESRAYの導入に着手され(2021年2月18日 プレスリリース)、POCにて異常部検出99%超、正常部過検出0%の高精度の異常検出成果を実現するとともに、実機導入に向けての設計、開発、製造をロビットへ発注されました。

  • 満を持して、2021年秋に、同社製造ラインへAI外観検査ソリューション「TESRAY Rシリーズ」が納入され、2022年より本格稼働を開始しました。

■TESRAY Rシリーズで実現したこと

【検査品質の向上、作業員の負担軽減】

  • AI技術を活用した養生テープの外観検査において、異常検出率100%を実現し、画像処理技術をベースにしたルールベースの欠陥探知機では実現できなかった正常部の過検出の抑制を実現

  • 異常検出時には異常部の画像とともにリアルタイムにモニターに表示し、全長方向、全幅方向の座標も合わせて表示することで、異常品のエビデンスを構築

  • 1ロットごとに検査情報を集計しているため、異常種類の傾向や発生頻度等の検証など、品質向上のためのビックデータ活用が可能

  • ルールベースの技術で発生した過検出品の再確認といった、作業員の負荷を軽減

  • AI技術の導入より熟練の作業員でなくとも、異常部の選別が可能となり検査品質の安定化を実現

【工場への導入容易性】

  • 既存の養生テープの生産ラインにおいて、既存設備のレイアウトを変更することなく省スペース空間に装置を設置し、生産設備の仕様、生産速度を変えずに、ラミネート工程における既存検査装置からのTESRAY技術の置き換えを実現。

  • 養生テープの色違い(赤色、茶色、緑色)など、多品種ロットにも1つのシステムで検査を実現

【AI導入後の保守体制の確立】

  • 実生産ラインで検査した画像データをもとにAI学習ができるため、短期間でのAIアップデートが可能

  • 生産ラインとは別に、AIの追加学習用のオフライン装置を導入することにより、既存ラインとは別の製品が検査の対象となった場合でも、生産ラインを止めずにAIの追加学習が可能な環境を構築

【ダイヤテックス社よりコメント】

今回の導入にあたり、ダイヤテックス株式会社 代表取締役社長 今屋 隆信様より、下記の通りコメントを頂戴しております。

PJ開始当初は、通常織物に混入するもの(ヨコ糸結び目、キンク等)が異常感知することなく、品質保証上実害のないレベルであることを確実に判断できるのであろうか?という、精度への不安があったことに加えて、膨大なデータを学習させていくための手間と時間が、合理的なのか否か疑問な部分もありました。

しかしながら、機器導入後、欠点反応総数が導入前の「165箇所」から「3箇所」まで削減できたのと同時に、人の「目」と同等の判断が正確にできていることがわかりました。

これまで生産ラインは、安全安心の観点から「可能な限り人が介在しない」ことを念頭に設計設備してきましたが、品質保証面でも同様の方策を施せることがわかり、省力化と共にヒューマンエラーの削減にもつながりそうです。

データ収集段階においても、装置、ソフトウェア、AIを組み合わせた「クロスソリューション」により、効率的かつスピーディに取り進めることができることを実感しました。更なるデータの蓄積が、精度をさらに高めることも期待しています。

半導体不足などによる設備機器の納期遅延などはあったものの、今後は前工程においても、同様な異常種の判別及び異常レベルの自動判別を目的に横展開していきたいと考えているのと、これをDX推進の足掛かりとしていきたいと思います。

・本件に関するお問い合わせ先 (株式会社ロビット 広報宛)
 (info@robit.co.jp)

<株式会社ロビット 会社概要>
社名:株式会社ロビット
所在地:東京都板橋区
代表取締役:新井雅海
事業内容:ロボット、精密機器、関連するハードウェア、部品およびソフトウェアの設計、製造、販売
設立:2014年6月
URL:https://robit.co.jp

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