パーセフォニの炭素会計システム、脱炭素目標とベンチマーク企業設定機能を追加

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脱炭素計画策定や投資・取引先の選定を容易に
炭素会計・管理ソフトウェアのグローバルリーダーであるパーセフォニ(本社:米国アリゾナ州テンペ)は、新たに「気候変動モデリング」と「気候変動ベンチマーク」のモジュールの提供を開始します。企業や投資家である金融機関は、より正確かつ簡単に温室効果ガスの削減目標を設定することができ、サステナブルな投資や融資先の検討にも利用可能です。業種や規模を問わず、あらゆる企業や金融機関が、今後ますます高まる規制当局やステークホルダーからの情報開示への要求に対し、より効果的に対応できるようになります。

パーセフォニの「気候変動モデリング」は、脱炭素目標を容易に設定できるモジュールです。企業や投資を行う金融機関は、気候変動をめぐるSBTi(※1)(科学的根拠に基づく目標設定のイニシアチブに準拠した目標を自由に設定できます。パーセフォニの炭素会計システムへの本機能の追加によって、自社の温室効果ガスの排出量を包括的・精緻に計測するだけでなく、目標に対する脱炭素化の進捗管理を行うことができるため、ユーザーは、規制当局、機関投資家、顧客やサプライチェーンの上層からの開示要求に、より迅速かつ容易に対応することができます。また、CEO、CFOは脱炭素化のための意思決定を行いやすく、組織の脱炭素経営の推進に大変効果的です。

パーセフォニの「気候変動ベンチマーク」は企業や投資家である金融機関の脱炭素経営に大きな効率化をもたらす業界初のモジュールであるだけでなく、社会的・環境的にポジティブな効果をもたらすことが求められるインパクト投資(※2)の分野においても革新的な機能です。パーセフォニのプラットフォームは、企業の気候変動対策の評価活動を行うNGOであるCDP(※3)が収集する各社の気候変動に関する開示情報データと連携しており、「気候変動ベンチマーク」はCDPデータベースを用いて、炭素排出に関する多様な分析を行うことができます。投融資家である金融機関は、「気候変動ベンチマーク」を活用し、国別・業種別の平均排出量や企業別の炭素強度(※4)をベンチマーク(基準)として設定することで、投融資先のポートフォリオに優先順位をつけることができます。ベンチマーク機能を通じて、現在または今後の投融資先企業が、自社(またはポートフォリオ)の総排出量においてどの程度の割合を占めるかを把握することもできます。その他の企業(非金融業)については、最大10社の排出量と比較することで、自社の脱炭素の取り組み水準を把握すると同時に、具体的にどのスコープ(※5)で他社との差異が大きいかを確認することができます。

英Verdantix社のESGサステナビリティ部門でプリンシパル・アナリストを務める、ジェシカ・プランクシー氏は、「企業が温室効果ガスの排出量削減を効果的に行うには、投資家や経営幹部が、その企業の総排出量と各活動において炭素をどの程度排出しているかを確実に把握でき、同業他社との比較も可能なツールが必要です。しかし、実際は多くの企業が、統一性のない炭素会計データやデータ不足、炭素会計ルールの複雑さなどに頭を悩ませています。企業の脱炭素化を加速させるためには、サプライチェーン全体における排出量算出の透明性と確実性の向上が欠かせません」と述べています。

パーセフォニCEOのケンタロウ・カワモリは次のように話しています。「カーボンニュートラル目標に対する脱炭素化の進捗(しんちょく)管理には、大きなコストと時間がかかり、業務も複雑になりがちです。温室効果ガスの排出量削減目標を掲げる全ての企業や金融機関が、今後、脱炭素化を効率的に推進していくためには、テクノロジーとデータの有効活用が必要不可欠となってきます。『気候変動モデリング』と『気候変動ベンチマーク』は、まさにテクノロジーとデータ活用を融合させた革新的なモジュールであり、今回これらの新機能を日本市場を含む各国で公開できることをとてもうれしく思います。今後、企業や投資家である金融機関が、 より早く、より手軽にカーボンニュートラル目標を達成するための有効なツールになると確信しています。炭素会計・管理ソフトウェアにこのような高性能ベンチマーク機能を実装したのは、パーセフォニが史上初となります。多くの企業や組織が脱炭素化に関心を持つ一方で、炭素会計における種々の課題に直面し、国内外のバリューチェーン全体において、脱炭素業務に本格的に取り組めない状況があると推察します。しかし、ユーザーフレンドリーで直感的に操作ができるパーセフォニのプラットフォームを利用すれば、気候変動に関する情報開示を、財務情報開示と同様の高い精度で行うことができます。私たちは、炭素会計を中心とするソリューションを提供することによって、企業や世界の脱炭素化を加速させていきます」

※1 SBTi:パリ協定が求める⽔準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減⽬標。
※2 インパクト投資:財務的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的および環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資行動。
※3 CDP:英国の非政府組織(NGO)で、投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境への影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営している。
※4 炭素強度:温室効果ガス排出量を売上高をはじめとする付加価値などの単位当たりでみた数値。
※5 スコープ:サプライチェーンの排出量で、スコープ1から3に分かれる。スコープ1は事業者自らによる温室効果ガスの直接排出、スコープ2は他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出、スコープ3はそれ以外の、事業者の活動に関連する他社の排出。

パーセフォニについて
パーセフォニは、気候変動管理・会計プラットフォーム(CMAP)のリーディングカンパニーです。企業や金融機関は、国際的な炭素会計基準であるPCAFやGHGプロトコルに対応する当社のSaaS型ソリューションを利用することにより、国内外のステークホルダーや規制当局が求める気候変動に関する情報開示業務を、高い信頼性、透明性、利便性をもって行うことができます。パーセフォニのプラットフォームは、「炭素分野のERP(経営資源を統合的に管理し、経営の効率化を図る手法)」であり、スコープ1から3までの(自社や国内外のサプライチェーン全体での)炭素管理の一元化を実現し、企業は従来の経理業務と同様の厳密さと信頼性をもって、炭素会計・管理業務を進めることができます。
パーセフォニHP:https://www.persefoni.com/ja

 

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