■調査結果トピックス <インボイス制度対応に関して> ・法人の約8割、個人事業主の7割弱がインボイス制度を認知している ・法人が約6割、個人事業主の約2割がインボイス制度への対応ができている ・法人の約半数、個人事業主の約2割がインボイス制度を機にクラウドサービス導入または導入を検討している <適格請求書発行事業者登録と対応に関して> ・法人の約8割が適格請求書発行事業者に申請済み、または申請予定と回答。一方、個人事業主は約3割にとどまる ・法人の約半数は適格請求書発行事業者登録について確認があったと回答、一方、個人事業主においては 約7割が確認がないと回答した <インボイス制度によるマイナスの影響に関して> ・マイナスな影響として、法人は「経理処理の煩雑化による間接業務の増加」が最多、個人事業主は「取引金額の変更」が最多の回答となった |
- <インボイス制度に関して>
・インボイス制度の認知は6割以上。一方、対応が済んだ個人事業主は未だ少数という結果に
※法人 N=668、個人事業主 N=512
法人では「知っている」、「少し知っている」を合計して約8割に認知されていることがわかりました。個人事業主についても6割以上が制度を認知していることがわかりました。
※インボイス制度を「知らない」と回答した人は未回答であり母数には含まれません
※法人 N=636、個人事業主 N=450
しかし、インボイス制度対応の状況については、法人は「対応出来ている」「一部対応出来ている」との回答は約6割だったのに対し、個人事業主は約2割と、対応状況には法人と個人事業主とで差が見られました。
・インボイス制度を機に、法人の半数でクラウドサービスの導入意向が高まる
※法人 N=603、個人事業主 N=342
SaaSなどのクラウドサービスの導入について、法人では「導入した」「導入を検討している」を合わせて、約半数に導入意向が見られました。一方、個人事業主で導入の意向があるのはわずか2割ほどと、導入に対してハードルがあることがわかります。
- <適格請求書発行事業者登録と対応に関して>
・適格請求書発行事業者の登録申請は、個人事業主で少ない傾向に
※法人 N=636、個人事業主 N=450
法人では「登録申請済み」あるいは「登録申請予定」の回答が合計約8割と、大部分が適格請求書発行事業者になるために申請済み、または申請する意向があることがわかりました。一方、個人事業主は約3割と、法人に比べ登録申請が少ないことがわかります。
・個人事業主が登録申請をしない主な理由は、「課税売上高が1000万円を超えていないから」
※適格請求書発行事業者登録申請を「した」「する予定がある」と回答した人は未回答であり母数には含まれません
※個人事業主 N=171
※複数回答可
個人事業主が適格請求書発行事業者登録申請をしない理由として、最多は「課税売上高が1000万円を超えていないから」、続いて「事業や売上に影響がないから」でした。こちらの結果から、
・課税売上高が1,000万円を超えていないため、適格請求書発行事業者登録をせずに免税事業者を継続する
・仕入税額控除を受けなくても事業や売上に影響がないと捉えている
といった傾向があることがわかりました。適格請求書を発行できなくても、自社の売上高を基準に判断して、これまで通り免税事業者のまま事業を継続するという意向がみられます。
・取引先からの事業者番号確認は、法人の約半数が「あった」、個人事業主は7割が「ない」
※法人 N=668、個人事業主 N=512
インボイス制度に対応するためには、インボイス(適格請求書)の発行をしなければなりません。インボイスには、取引先の適格請求書発行事業者番号を記載する必要があります。しかし、取引先への番号確認の連絡は法人でも約半数にとどまり、個人事業主についてはわずか約1割と、進んでいないことがわかりました。
・取引先に適格請求書発行事業者の登録を求めるケースは法人で4割
※法人 N=668、個人事業主 N=512
個人事業主は、免税事業者が多いため取引先に適格請求書発行事業者になるように求めるというケースは約1割と少ない一方で、法人の約4割は、取引先に対しても適格請求書発行事業者になるように対応を求める傾向があることがわかりました。
・適格請求書発行事業者登録をしない事業者に対する契約変更や価格変更の交渉は、約8~9割が「なし」
※適格請求書発行事業者登録申請を「した」、「する予定がある」と回答した人は未回答であり母数には含まれません
※法人 N=64、個人事業主 N=171
適格請求書発行事業者登録申請をする予定はないと回答した法人の約8割、個人事業主の約9割が顧客から価格や契約変更などの交渉は「ない」と回答しました。顧客側が、売り手の取引先が免税事業者か課税事業者かをまだ把握出来ていないため番号の確認にも至っておらず、したがって取引変更等も行われていないことがわかりました。
- <インボイス制度によるマイナス影響に関して>
・インボイス制度対応について、法人8割、個人事業主7.5割が「大変だと思う」と回答
※法人 N=603、個人事業主 N=342
インボイス制度対応を大変だと感じている割合は法人で約8割、個人事業主で約7.5割と、共にインボイス制度対応を負担に感じているということが明らかになりました。
・インボイス制度のマイナス影響を、法人・個人事業主共にの約5~6割が「感じている」と回答
※法人 N=636、個人事業主 N=450
インボイス制度による事業へのマイナス影響を感じている割合は法人約6割、個人事業主で半数弱と、それほど差がみられませんでした。
・マイナス影響について、法人1位は「経費処理の煩雑化による間接業務の増加」、個人事業主1位は「取引金額の変更」
※マイナス影響を「あまり感じていない」「感じていない」と回答した人は未回答であり母数には含まれません
※法人 N=532、個人 N=372
※複数回答可
インボイス制度の対象者にとってのマイナス影響として、法人は「経理処理の煩雑化による間接業務の増加」が1位になり、個人事業主では「取引金額の変更」が1位となりました。法人では取引先数や、受領する請求書の枚数が個人事業主に比べて多くなるケースがほとんどのため、経理処理の悩みを抱えやすいことがわかります。
- <バックオフィスのデジタル化について>
・「電子帳簿保存法改正やインボイス制度はバックオフィスのデジタル化を促進すると思うか?」法人と個人事業主とでDX推進に対して温度差
※法人 N=668、個人事業主 N=512
「電子帳簿保存法の改正やインボイス制度は、バックオフィス業務のデジタル化を促進するきっかけになると思いますか?」というと設問に対し、ポジティブな回答があったのは法人で約6割、個人事業主で約3割と、感じ方に温度差が見られました。個人事業主にとって制度対応の必要性を感じにくいという点が対応の遅れにも繋がっており、今後の課題になりそうです。
- 調査総括(マネーフォワードビジネスカンパニーCSO 山田一也)
今回の調査結果を経て、インボイス制度開始まで1年を切ったこともあり認知は上がってきていることがわかりました。しかし、法人ではインボイス制度により「経費処理の煩雑化による間接業務の増加」というマイナスな影響を挙げており、また個人事業主では、現時点で適格請求書発行事業者の申請をしていない方も多くいることがわかり、これから課税事業者になると判断される方も含め、クラウドサービスの提供者としてよりいっそうサポートを行うことの必要性を感じました。
一方で、電子帳簿保存法の改正やインボイス制度をデジタル化促進の契機と捉えている事業者も一定数いらっしゃるため、この法改正が日本のバックオフィスのデジタル化を推進する一つの契機になればと感じています。当社においても、デジタルインボイスへの対応や、適格請求書発行事業者番号の照合機能など、インボイス制度対応をより効率化するための機能アップデートにより、その一助を担っていく所存です。
- 調査概要
調査テーマ :インボイス制度に関するアンケート
調査実施 :株式会社マネーフォワード
調査対象 :法人事業者702名、個人事業主541名
調査実施期間:(法人)2022年12月23日~12月30日
(個人事業主)2022年12月23日~12月20日
調査方法 :Fastaskを用いたインターネットリサーチ
- インボイス制度に関する特設サイト
インボイス制度についての基本情報や、インボイス制度に対応するうえでのお役立ち情報、『マネーフォワード クラウド』での対応機能について掲載しています。
URL:https://biz.moneyforward.com/invoice-about/
- 株式会社マネーフォワードについて
名称 :株式会社マネーフォワード
所在地 :東京都港区芝浦 3-1-21 msb Tamachi 田町ステーションタワーS 21F
代表者 :代表取締役社長CEO 辻庸介
設立 :2012年5月
事業内容:PFMサービスおよびクラウドサービスの開発・提供
URL :https://corp.moneyforward.com/
主要サービス:
お金の見える化サービス『マネーフォワード ME』 https://moneyforward.com/
バックオフィスSaaS『マネーフォワード クラウド』 https://biz.moneyforward.com/
*記載されている会社名および商品・製品・サービス名(ロゴマーク等を含む)は、各社の商標または各権利者の登録商標です。