2023年3月1日から就職活動に関する企業の広報活動(会社説明会受付)が開始され、この日を境に就活生たちによる志望企業へのエントリーが一斉に始まります。
コロナの国内初確認が2020年1月、さらに2020年4月には緊急事態宣言が発令され、コロナ関連での内定取り消しや、採用控え、説明会や面接のオンライン化など就職活動にも様々な影響・変化がありました。これから就職活動が本格的にスタートする2024年卒の学生は、大学入学当時からコロナとともに学生生活を過ごしており「コロナネイティブ学生」「コロナネイティブ世代」といわれています。
今回の調査ではhonto会員20~30歳を対象に、コロナがはじまる前年2019年から2022年の4年間の各年ごとに、就職活動と親和性が高い書籍ジャンル「就職・転職ガイド、就職問題集」と「ビジネス実務・自己啓発」の売れ筋タイトルを見ていきます。
【調査結果サマリー】 考法』が1位 1位は『メモの魔力』 |
ジャンル「就職・転職ガイド、就職問題集」 2019~2022年の年間売れ筋タイトル (20~30歳)
コロナの影響を受けweb面接対策の本などが上位にくるかと予想しましたが、各年、SPI(総合適性検査)対策問題集が上位タイトルの多くを占めています。
2022年のランクインタイトルはすべて2021年のタイトルの最新版という結果からも、選考過程の序盤に行われることが多いSPI、webテストは対策必須で、書籍の需要が高いことがわかります。SPI、webテスト対策以外では2019年と2020年で3タイトルがランクインしました。
▼SPI、webテスト対策以外で上位にランクインしたタイトル
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2019年
1位 『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法』(北野唯我/ダイヤモンド社/2018.6.22)
4位 『面接官の心を操れ!無敵の就職心理戦略』(メンタリストDaiGo/KADOKAWA/2017.3.23) -
2020年
2位 『科学的な適職 4021の研究データが導き出す最高の職業の選び方』( 鈴木祐/クロスメディア・パブリッシング/2019.12.13刊)
2019年、2020年の就職・転職市場状況をみてみると、2019年卒まで7年連続で大卒求人倍率は上昇しており、2020年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の求人倍率はリーマン・ショック(2010年卒)以降で2番目の高水準でした。※1また、2019年は2002年以降で転職者数がもっとも多く、その理由も「より良い条件の仕事を探すため」が「その他」に次いで2位の理由でした。2020年、2021年はコロナの影響で転職者数が大幅に減っています。※2
2019年、2020年は新卒採用・中途採用市場と共に売り手市場の年だったことから、SPI、web対策以外の書籍が上位タイトルに食い込んだようです。
ジャンル「就職・転職ガイド、就職問題集」 20~30歳の各年齢別売れ筋タイトル (2019~22年)
2019年~2022年の4年間に購入されたジャンル「就職問題集」の売れ筋タイトルを、購入時の年齢(20~30歳)を軸にみていきます。
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21歳・22歳
就職活動(新卒採用)期のボリュームゾーンではSPI、WEBテスト対策書籍が上位を占める。 -
23歳
自分と会社の適正、仕事への向き合い方や今後を検討するような書籍がランクインしはじめる。
2位 『科学的な適職 4021の研究データが導き出す 最高の職業の選び方』(鈴木祐/クロスメディア・パブリッシング/2019.12.13)
3位 『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法』(北野唯我/ダイヤモンド社/2018.6.22) -
24歳
新卒入社3年目のボリュームゾーン。厚生労働省の調査でも離職率の数字が注目され「3年後離職率」という言葉もある。5位中3タイトルが転職・適職についての書籍。
1位 『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法』(北野唯我/ダイヤモンド社/2018.6.22)
2位 『科学的な適職 4021の研究データが導き出す 最高の職業の選び方』(鈴木祐/クロスメディア・パブリッシング/2019.12.13)
3位 『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』(moto/扶桑社/2019.8.9) -
25~30歳
ほぼ転職・適職についての書籍。28歳では転職者用の試験対策書籍がランクイン。
5位 『転職者SPI3 すべての試験方式に対応!』(中村一樹/新星出版社/2017.2.6)
ジャンル「ビジネス実務・自己啓発」 2019~2022年の年間売れ筋タイトル (20~30歳)
「ビジネス実務・自己啓発」はエントリーシートや面接で聞かれることもあるため、就活時のキーワードとも考えられます。2019年~2022年のhonto会員20~30歳の購入実績からみた売れ筋タイトルは比較的ロングセラーといえるタイトルが並びました。
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4年すべてにランクイン
『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見一郎、古賀史健/ダイヤモンド社/2013.12.01) -
2020年、2021年
honto電子書籍ストアでのセール価格販売時に多数購入されランクイン。
『会話力速効ドリル 人に伝える7つの力』(石田章洋/新星出版社/2018.9.13)
『エクセル ワードより簡単!手早くできる文書作成(超速エクセルの仕事術)』(トリプルウィン/新星出版社/2011.7.13)
ジャンル「ビジネス実務・自己啓発」 20~30歳の各年齢別売れ筋タイトル (2019~2022年)
2019年~2022年の4年間に購入されたジャンル「自己啓発」の売れ筋タイトルを、購入時の年齢(20~30歳)を軸にみていきます。
- 上位5位に表出したタイトルは全年齢合計で13タイトル
- すべての年齢でランクイン
『人は話し方が9割 1分で人を動かし、100%好かれる話し方のコツ』(永松茂久/すばる舎/2019.9.1)
人から好かれる「話し方」の習得は年齢を問わない関心事ということがわかる。
本書は出版取次会社の日販が発表している年間ベストセラーランキングのビジネス書部門で3年連続1位を獲得している。※3 - 20歳・21歳
『さあ、才能に目覚めよう ストレングス・ファインダー2.0 新版』(トム・ラス、古屋博子(訳)/日本経済新聞出版社/2017.4.14)
インターンや就職活動を意識しだす影響か、自分の強み・活かし方が紹介されている本書の需要が高まる。 - 22歳
新卒年齢は他の年齢とのタイトル重複が最も少ない。
1位 『メモの魔力(NEWSPICKS BOOK)』(前田裕二/幻冬舎/2018.12.22)
4位 『入社1年目の教科書』(岩瀬大輔/ダイヤモンド社/2011.5)
5位 『会話力速効ドリル 人に伝える7つの力』(石田章洋/新星出版社/2018.9.13) - 23歳以上
自分なりの「正解」を導き出す手法や考え方を示すタイトルの需要が高まる。
『13歳からのアート思考』(末永幸歩/ダイヤモンド社/2020.2.21)
『エッセンシャル思考』(グレッグ・マキューン、高橋璃子(訳)/かんき出版/2014.11.17) - 25歳以上
入社4年見以降、会社で主力人材となっていく過程で「伝える術」が必要になってくると考えられる。
『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本 博報堂スピーチライターが教える』(ひきたよしあき/大和出版/2019.4.9)
ジャンル「ビジネス実務・自己啓発」 2023年1月の売れ筋タイトル(20~30歳)
2022年後半に刊行されたタイトルが並びました。1位、2位は全米ベストセラーの翻訳版、3位はスウェーデンでのベストセラーの翻訳版、5位には「就職問題集」ランキングに『科学的な適職』でランクインした鈴木祐さんの新刊です。20~30歳の全年齢でランクインしていた『人は話し方が9割』が4位と、2023年も支持が続きそうです。
直近4年間と最新のランクインタイトルの取り扱いテーマの共通点は「考え方」や「話し方」。数多ある書籍の中にもそのようなテーマを扱っている本があります。ロングセラーを読んでみたり、最新のヒットタイトルを読んでみたりするうちに自分に最適な本が見つかるかもしれません。
※1 就職白書2020 https://shushokumirai.recruit.co.jp/white_paper_article/20200611002/ (参照 2023/2/1)
※2 厚生労働省 令和4年版 労働経済の分析よりhttps://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/21/dl/21-1-1-2_03.pdf (参照 2023/2/1)
※3 日本出版販売 ベストセラー https://www.nippan.co.jp/ranking/ (参照 2023/2/1)
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<調査方法>
ハイブリッド型総合書店hontoの販売データ(電子書籍、通販、連携書店)から対象期間・年齢・ジャンルの冊数を100位まで集計しています。(無料作品やキャンペーンなどでの無料販売期間の販売冊数は除外)
<調査対象>
期間:2019年1月1日~2022年12月31日、2023年1月1日~1月31日
年齢:調査対象期間の購入時年齢20~30歳のhonto会員
ジャンル:就職・転職ガイド、就職問題集、ビジネス実務・自己啓発
<ジャンル、タイトル名について>
hontoの保有情報に準じています。
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●本調査の結果・グラフをご利用いただく際は、「ハイブリッド型総合書店honto調べ」と記載ください。
●調査には報道関係者向けの詳細レポートがあります。詳細および関連データをご希望の方はお問い合わせ窓口までご連絡ください。
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