宇宙ベンチャーのワープスペース、データ中継衛星にMynaric社製の光通信端末を採用

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小型衛星を活用した宇宙空間での光即応通信サービスの実現を目指す株式会社ワープスペース(茨城県つくば市、代表取締役CEO:常間地悟)は、2023年1月24日(火)、第一世代の3基の中継衛星用の光通信端末として、レーザー光通信製品プロバイダーであるMynaric(マイナリック、ドイツ)が製造する「CONDOR Mk3(コンドル・マークスリー)」を採用することに決定いたしました。
ワープスペースは、地上400~1,000kmの低軌道を周回する人工衛星向けに、光を利用した即応通信ネットワークサービス「WarpHub InterSat」の開発を進めています。従来の電波通信では即応的に大容量のデータを地上に送ることは困難でした。しかし、ワープスペースの中継衛星は地上との通信を成立しやすい中軌道に位置する予定で、この中継衛星はレーザー光でデータの送受信ができます。そして、受信したデータはすぐさま地上局へと伝送されるようになります。これにより、災害の即時対応や防災シミュレーション用の多量の衛星データ取得が可能となります。今回採択されたMynaricの「CONDOR Mk3」端末は、この光中継ネットワークの最初の中継衛星3基にて使用される予定です。

Mynaricの光通信端末「CONDOR」シリーズは、政府および商用衛星コンステレーションの一部として大規模に展開できるよう特別な設計がされています。これまでに同製品は、米国宇宙開発メーカー大手ノースロップ・グラマンを通じて宇宙開発庁(SDA)のデータ伝送衛星群や、米国の地球観測衛星事業者カペラ・スペースの商用合成開口レーダー(SAR)衛星、カナダの衛星通信事業会社テレサットを通じて国防高等研究計画局(DARPA)の小型衛星関連技術の実証プログラム「Blackjack」の衛星などで採用されています。さらにMynaricは、DARPAの低軌道衛星向け通信網を構築する「Space-BACN」プログラムのフェーズ1の主要な開発パートナーに指名され、欧州宇宙機関 (ESA) によって、次世代の高スループット光衛星間リンクの光技術の調査案件も受託しています。

今回の契約はMynaricにとって日本企業との初めての契約となります。ニュージーランド外務貿易省の市場レポートによると、日本の宇宙産業は現在の90億ドルから2050年までに300億ドル以上に成長すると予想されます。

ワープスペース COO 東 宏光氏コメント
「MynaricのCONDOR製品は、当社のレーザー光通信のニーズだけでなく、お客様のニーズにも適したソリューションとなります。そのように、様々な条件を満たした同端末を採用できたことを、うれしく思います。今後の衛星開発と打ち上げに向けて同端末を受け取ることを楽しみにしています。」

Mynaric CCO Tina Ghataore氏コメント
「光データ中継衛星ネットワークに必要な光通信端末を当社に託してくださったワープスペースに感謝します。日本における最初の顧客として彼らと契約を結んだことにより、当社は引き続き世界中の顧客の信頼を獲得し、工業化された光通信端末を幅広いアプリケーションで広く利用できるようにするという使命を果たすことにより商業市場シェアを拡大していきます。」

【ワープスペースについて】
ワープスペースは、同じく宇宙の通信を変革しようとしている事業者や研究者との共働、世界中の様々な分野の事業や産業との連携、そして各国政府機関や研究機関との協力を通じて、民間として世界初の衛星間光通信ネットワーク「WarpHub InterSat」の実現を目指すベンチャー企業です。このネットワークが実現すれば、衛星データを30分以内に取得することが可能となり、災害対策等の様々な分野で即応性を高められます。2025年頃に商用の1号機の打ち上げを予定しており、その後打ちあがる予定の数機を併せた衛星コンステレーションにより、高容量で即応性の高い人工衛星向け通信サービスの実現を目指しています。

公式ウェブサイト:https://warpspace.jp/

【マイナリックについて】
マイナリックはレーザー光通信の産業革命を、空、宇宙そして移動体のアプリケーション向けの光通信端末を製造することによってリードしています。レーザー通信網は空中からネットワーク接続を提供し、超高データレートで安全に長距離のデータ伝送を、移動体同士におけるワイヤレスな地上や、車、空と宇宙向けのアプリケーションで可能とします。本社はドイツのミュンヘンに所在し、他にアメリカのロサンゼルスとワシントンD.C.にも拠点を置いています。

公式ウェブサイト:https://mynaric.com
 

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