エンゲージメントの高い企業では株価も上昇!エンゲージメントと株価の関係について一橋大学野間幹晴教授と共同研究

この記事は約9分で読めます。
People Tech (テクノロジーによって人の可能性を拡げる)事業を展開する株式会社アトラエ(本社:東京都港区、代表:新居佳英、東京証券取引所プライム市場:6194)は、組織力向上プラットフォーム「Wevox」(ウィボックス、以下「Wevox」)のデータを用いて測定したエンゲージメントと株価の関係について、一橋大学野間幹晴教授と共同研究を行ったことをお知らせいたします。

《背景》
2022年8月、内閣官房より「人的資本可視化指針」が発表され、金融庁からも「2022事務年度金融行政方針」が示されました。また、経済産業省の「人材版伊藤レポート」では企業価値向上のための「人的資本経営」が提唱され、岸田首相率いる日本政府も「人への投資」を成長戦略の柱と位置付けています。

これらを受け、従来はコストと捉えられていた「人材」が、近年では企業利益や企業価値を生み出す重要な「資本」として認識が変化し、「人的資本経営」への注目の高まりと共に、人材価値を引き出し企業価値をも高める施策としてエンゲージメントの向上が重要視されています。

組織力向上を支援する「Wevox」でも、企業の人的資本経営・人的資本の開示を後押しし、人的資本経営の普及促進に貢献すべく、エンゲージメントと株価の関係について一橋大学野間幹晴教授のご協力のもと研究いたしました。

《要約》
一橋大学野間幹晴教授と連携し、「Wevox」を用いて測定したエンゲージメントと株価について研究。2020年4月7日に緊急事態宣言が発出された日をイベント日とするイベント・スタディを実施したところ、エンゲージメントの高い企業では株価が約65%上昇したものの、エンゲージメントが低い企業では株価上昇の効果は小さかった。

■研究概要
対象
Wevox利用中の上場企業 44社が対象(※1)

期間
2020年4月7日をイベント日とし、2020年3月31日から2020年10月5日(-5日~+120日)までの株価推移データを利用

手法
イベント・スタディ:方法論

  • 緊急事態宣言(対象:東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都道府県)が発出された2020年4月7日をイベント日とする。
  • Brown and Warner(1985)に依拠して、-244日~-6日の期間を推計期間として、サンプル企業の株価収益率をTOPIXの配当込み収益率に回帰。
  • 累積異常株価収益率CARを算出。
  • エンゲージメントスコアの高低によって企業を4つのグループに分類し、スコアが上位25%に含まれる企業を「エンゲージメントの高い企業」、下位25%に含まれる企業を「エンゲージメントの低い企業」と定義。

協力
一橋大学大学院 経営管理研究科 野間幹晴 教授

《詳細》
欧州を中心としたワークエンゲージメント研究や、弊社がWevox利用企業様と2019年に行った共同研究(※2)によって、エンゲージメントが生産性を高めることが明らかになってきています。

しかし、売上や成長率などの生産性指標は、外部要因による影響が大きく、解析は常に困難であったとともに、それら外部要因の完全な排除が難しいものでした。そこで、今回は一橋大学 野間幹晴教授の協力のもと、エンゲージメントと株価の関連について調査を実施しました。なお、株価は様々な外部要因がすでに織り込み済みの指標であるため、先述した問題が少なく、効果的な検証が可能と考えられます。

今回の調査では、東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都道府県を対象に緊急事態宣言が発出された2020年4月7日をイベント日とするイベント・スタディを実施しました。2020年4月1日時点でのWevoxの総合スコアの高低により企業を分類し、それぞれのグループでの累積超過収益率(CAR) を比較しています。

その結果、イベント日より5ヶ月かけて、総合スコアが高い群のCARが68.4%の水準まで上昇する傾向が見られました。なお、Wevoxで測定しているワークエンゲージメント(※3)のスコアや従業員エンゲージメント(※4)のスコアで分類した場合でも同様の傾向が見られています。

本共同研究により、エンゲージメントと株価には相関関係があり、エンゲージメントが高い方が後の株価上昇につながる傾向を示す研究事例が得られました。そして、エンゲージメントが昨今重視されるESG経営の特に S (Social) の側面における数値指標としての採用可能性や、企業と投資家が人的資本を含めた非財務情報が企業価値に与える影響に関する対話を行う上で共通言語になりうることが示唆されたものといえます(詳細については2022年10月中に論文にて正式発表予定)。
 

※1 金融(銀行・証券・保険・その他金融)を除く上場会社

※2 生産性を高める一手を学術的に証明(1)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000021544.html
生産性を高める一手を学術的に証明(2)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000021544.html

※3 ワークエンゲージメント:従業員個人の仕事に対するポジティブな心理状態を指す言葉。仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、活力・熱意・没頭によって特徴づけられるもの

※4 従業員エンゲージメント:自社への愛着心や仕事に対する満足感、仕事のやりがいや組織との関係性など多様な要素を含むもの

■一橋大学大学院 経営管理研究科 野間幹晴 教授
https://www.sba.hub.hit-u.ac.jp/faculty/000704.php
 

一橋大学大学院商学研究科で博士(商学)取得。2004年10月から一橋大学大学院国際企業戦略研究科助教授、准教授を経て2019年4月より現職。2010年より2011年までコロンビア大学ビジネススクール・フルブライト研究員。現在、日本調剤社外取締役、グッドコムアセット社外取締役、ナイス社外監査役、ダーウィン・キャピタル・パートナーズ社外監査役、バンダイナムコエンターテインメント事業アドバイザー、キーストーンパートナース社外投資委員。『退職給付に係る負債と企業行動-内部負債の実証分析』(中央経済社、2020年)で第63回日経・経済図書文化賞受賞、日本会計研究学会太田・黒澤賞、国際会計研究学会学会賞を受賞。

《野間幹晴教授コメント》
株式会社アトラエがWevoxで測定した各社のエンゲージメントデータを使用して、エンゲージメントと株価との関連について実証分析を行いました。具体的には、東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都道府県を対象に緊急事態宣言が発出された2020年4月7日をイベント日とするイベントスタディを実施しました。実証分析の結果、エンゲージメントが高い企業では株価が大きく上昇したのに対して、低い企業ではそのような効果は確認されませんでした。この結果は、緊急事態宣言の発出によりリモートワークが進んだことによって、エンゲージメントが高い企業では企業価値が向上したことを示唆します。

 
■株式会社アトラエ 取締役CFO 鈴木秀和

早稲田大学政治経済学部を卒業後、2005年に大和証券SMBC(現:大和証券)投資銀行本部へ入社。以後一貫して13年間、投資銀行部門で数多くの企業のIPOを含む資金調達やバリュエーション、エクイティストーリー及びガバナンス構築を含む東証審査対応のアドバイザリー業務並びにIPO時のプライシング業務に従事。日本初ユニコーンのグローバルIPO等を主幹事証券のディールヘッドとして実現。
2018年9月アトラエに参画。取締役CFOとして、財務戦略、経営企画、IR、M&A等を担当。

《鈴木秀和コメント》
財務諸表のみならず、非財務情報が企業価値に与える影響について、世界的に大きな注目を集めています。弊社の「Wevox」をはじめとするツールの活用や企業独自の分析などで、企業と投資家が共通言語で対話できるよう非財務情報を可視化するニーズは高まっています。同時に、可視化の手法が各社様々であることから、企業間で比較可能な指標が確立されていない点に課題を感じておりました。今回、企業業績の将来情報を反映する株価と弊社「Wevox」のエンゲージメントスコアの相関が確認できたことは、非常に興味深く、また非財務情報の相対比較の方法を確立していくうえで大きな一歩になったと考えております。

■Wevox(ウィボックス)について
エンゲージメント研究の国内第一人者である慶應義塾大学 島津明人教授にアドバイザーとして参画していただき開発されたエンゲージメントサーベイを軸とした組織力向上プラットフォーム。組織に属する一人ひとりの心の状態を可視化する「Wevox Engagement」は、PCやスマートフォンから簡単に回答でき、極めて負担の少ないUI設計とご評価いただく。
サーベイ結果は自動集計され、蓄積されたビッグデータからAIが解析。組織ごとの特徴や傾向、課題などを特定し、その後の改善までを支援する。他にも、組織のカルチャーを可視化する「Wevox Organizational Culture」や自由に質問を設計できる「Wevox Custom」、互いに活力を高め学び合える「Wevox Academy」など、組織が常に進化し続ける”きっかけ”になれるよう多角的なサービスを展開中。

現在ビジネス領域のみならず、スポーツや教育の領域でも広く導入が進んでおり、導入組織数は2,490以上、回答データは累計1億2,040万件を超える。2019年度グッドデザイン賞を受賞。(2022年8月現在)
Wevox 公式サイト:https://get.wevox.io/
Wevox Twitter:https://twitter.com/wevox_io

■会社概要
社   名:株式会社アトラエ(東京証券取引所プライム市場:6194)
所 在 地:東京都港区麻布十番1-10-10 ジュールA 8F
代 表 者:代表取締役CEO 新居 佳英
URL:https://atrae.co.jp/
事業内容:People Tech事業(Green・Yenta・Wevox・Inow)、Sports Tech事業(Altiri)
※People Tech事業:“テクノロジーによって人の可能性を拡げる事業を創造していく” という想いを込めてアトラエを再定義した造語
Green https://www.green-japan.com/
Yenta https://page.yenta-app.com/jp
Wevox https://get.wevox.io/
Inow https://get.inow.jp
Atrae Design https://atrae.design/
Altiri https://altiri.jp/

■お問い合わせ先
Wevox :support@wevox.io
一般:info@atrae.co.jp
報道関係:pr@atrae.co.jp
採用情報:https://www.green-japan.com/company/172

タイトルとURLをコピーしました