非可食バイオマス由来樹脂を使用した摩擦材を新開発

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スターライト工業株式会社(本社:大阪市旭区、代表取締役社長:西郷隆晄)は非可食バイオマス由来樹脂を使用した協働ロボット用ブレーキ向け摩擦材を開発した。
持続可能な社会への貢献はもちろん、化石由来樹脂を使った従来摩擦材よりも温度変化による摩擦摩耗変化が小さいといった、優れたトライボロジー性能を発揮。この技術は一般社団法人大阪工研協会 第72回工業技術賞を受賞した。
スターライト工業は1936年設立の「すべる」「とめる」「まもる」のトライボロジー技術を強みに社会の課題解決に向けた技術を発信する企業。スターライト工業のサブブランドの一つであるエスベア®はエンプラ・スーパーエンプラをベースとしたコンポジットで、フリクション性能向上や耐久性能を発揮することで事務機器、産業機械および自動車向けで活躍している。

 協働ロボット分野では、従来の産業用ロボットよりも小型で設置の制限が少ないため、フレキシブルなレイアウトによる生産性効率向上が実現でき、大規模な工場から飲食店での調理ロボットまで幅広い分野での利用が増えている。その協働ロボットの保持や非常制動を司る無励磁作動ブレーキで、動きを止めるための摩擦材はいかなる作動条件でも安定した保持力、制動力を発揮しなければならない。
ブレーキ性能に大きく影響するのが「発熱」であり、一般的には熱による特性変化が小さい熱硬化性樹脂ベースの摩擦材が多用されるが、生産性とリサイクル性に課題があった。

 そこで、これらの課題を解決するため、 スターライト工業は非可食バイオマス由来樹脂をベースとしたブレーキ向け摩擦材を開発。射出成形が可能な熱可塑性樹脂ベースであり、量産性、リサイクル性に有利なのはもちろん、

カーボンニュートラル実現に貢献できる点も注目されている。この開発材X2101は、ブレーキ用摩擦材の課題である高温域での性能を安定させた。25℃~150℃の静摩擦性能変化をほぼゼロとし、耐久性能を示す耐摩耗特性は従来材(化石由来樹脂ベース)の2倍にアップ(グラフ1)。

開発材X2101はJBPA(日本バイオプラスチック協会)規定のバイオマスプラスチック基準を満たしており(バイオマスプラスチック度25%以上)、22年5月には社団法人大阪工研協会 第72回工業技術賞を受賞している。

  開発材X2101(ブレーキ向け摩擦材)の特徴が以下。
1. 幅広い温度領域で安定した摩擦性能発揮

2. 静音で滑らかに物体を止めることができ、長寿命化に貢献

3. 量産に適した射出成形材料

4. バイオマスプラスチックベースの環境に優しい材料

開発材X2101は、これまでのバイオマスプラスチックのイメージを覆す、協働ロボットのシビアな要求性能をクリアできる高機能摩擦材である。

スターライト工業は、目まぐるしく変化する時代の流れで次々と生じる「社会のお困りごと」を解決し続け、持続可能な未来づくりに貢献する。

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