コロナ下における教育現場のデジタル化の現状。体調管理のデジタル化は保護者希望の18%程度にとどまる

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日本の教育現場では、従来の制度や慣行から長らくデジタル化の遅れが指摘されてきましたが、新型コロナウイルスによる学校でのオンライン授業が普及した背景もあり、DX(デジタルトランスフォーメーション)化が急速に進んでいます。
そこで、ドリームエリア株式会社(本社:東京都 渋谷区、代表取締役:寺下 武秀、以下 ドリームエリア)は、同社が提供する学校向け連絡網サービス「マチコミ」を利用している全国の保護者を対象に、コロナ下で変化した教育現場のデジタル化に関してのアンケート調査を行い、調査結果を公開いたしました。併せて、多くの保護者の方が導入を希望する「体調管理」機能の新機能リリースを発表いたします。
  • 教育現場の常識を変える!1万4,000以上の施設に導入されている「マチコミ 」

「マチコミ」は、プリントの配布や電話連絡など、従来のアナログな方法による連絡の不便さを解消するためにスタートしたメール連絡網サービスです。予算確保が難しい教育施設やPCが苦手な先生でも簡単に無料で連絡網を構築できることが特徴です。2005年のサービス提供開始から17年の実績があり、現在、全国47都道府県で公立小学校をはじめ約14,000の施設に導入いただいています。また、71の教育委員会と協力関係にあり、逗子市や鎌倉市等との共同の取り組みを行っています。(2022年9月現在)

(調査概要)
・調査対象期間:2022年8月25日~2022年8月30日
・調査対象:「マチコミ」利用者(未就学児から大学生までのお子様がいる保護者)
・有効回答者数:18,610名
・調査機関:ドリームエリア株式会社
・調査方法:インターネット調査

 

  • 【コロナ前と比較して、半数の人がデジタル化が「進んでいる」と回答】

学校業務のデジタル化、進んでいると感じますか?
 

「学校業務のデジタル化、進んでいると感じますか?」という質問に対して、「とても進んでいる」「少し進んでいる」という回答を合わせると52%の方が「デジタル化が進んでいる」と回答しました。この結果から、コロナ下で教育現場でも少しずつですが、着実にデジタル化が進んでいるということが見て取れます。

以下に「マチコミ」の機能別に学校のDX化の詳細に関する保護者の方の回答をまとめました。
 

  • 【最も多いお休み連絡の方法は「電話」と回答】

現在、園・学校を休む時の連絡方法は?
 

 

園・学校を休む時の連絡方法は「電話連絡」が最も多く約62%という結果になりました。電話連絡が占める割合についてはコロナ下前の2019年と比較して大きな変化はありませんが、「スマホ/タブレット(アプリを含む)」を連絡方法として利用している方がコロナ前よりも16%増加し、一方で日本の教育現場の主流であった「連絡帳を兄弟姉妹や友達が届ける」方法が、2019年が29%だったのに対し今回の調査では5.4%まで下がるなど、教育現場においても少しずつデジタル化の導入が進んできていることがうかがえます。

<お休み連絡のデジタル化における保護者の希望と導入の実情>

 

お休み連絡のデジタル化を希望している保護者の方が70%以上であるのに対し、実際にデジタル化を導入している施設は30%前後にとどまることが分かりました。その中でも保育園や幼稚園といった「未就学児施設」では、実情と希望の差が大きくなる傾向にあるようです。預かる人数が少なくデジタル化による効率化が期待しにくいことや、導入に向けた担当者の配置が難しいことも考えられます。
 

  • 【現在もプリント物の配布方法は「紙」が6割】

現在、園・学校でプリント物の配布方法は?

「紙とデジタル両方で配布」と回答された方が30.4%という結果になり、デジタル化を導入している場合でも多くの施設がプリント物を紙で配布していることが分かりました。

紙で配布されたプリント物を児童が自宅へ届けることを教育目的としている場合や、紙をメインとしてデジタルは予備としている場合など、学校や施設によって様々な意図があるようです。

<配布物のデジタル化における保護者の希望と導入の実情>

70%以上の方がデジタル化を望んでいるものの、実態は30%強との結果に。まだまだ希望と実態に乖離があることが分かりました。

 

  •   【体調管理は紙の管理表で記入している方が約7割】

現在、お子さまの体調管理の方法は?
 

お子さまの体調管理方法として、「紙の体調管理表に記入」と回答された方が7割近くを占める結果になりました。一方で「アプリで報告」「webフォームで報告」といったオンライン上での体調管理と回答された方は合わせても18.4%にとどまり、体調管理におけるデジタル化の普及が進んでいない実情が分かりました。

<体調管理のデジタル化における保護者の希望と導入の実情>

 

  体調管理のデジタル化を希望する保護者の方は60%を超えていますが、実際にデジタル化している施設は最も低いところでは13%にとどまるなど、保護者側の希望に対し教育現場における導入が進んでいない実情がうかがえます。これは一概に遅れているわけではなく、あえて管理しやすい従来の紙や大切にいつまでも保管できる連絡ノートを使っている状況が考えられます。
 

  • 各機能の実情と保護者の希望

「体調管理のデジタル化」では、保護者の希望が64.2%であることに対し、実情は18.5%となっています。体調管理は多くの学校や施設で「紙に記入して提出する」という文化が根強く、体調の確認や管理方法がルーティンとして確立されているため、デジタル化への移行ハードルが高いことがうかがえます。

 「お休み連絡のデジタル化」では、1/3の施設でデジタル化されている実情がうかがえますが、デジタル化するに際し、「気軽に休まれてしまう」ことや「児童による不正利用」といった施設側の懸念も解決していく必要がありそうです。

「プリント配布のデジタル化」では、他の機能に比べ導入実情が高い結果になりました。学校からのプリント物の配布をメールで行なうことができるため、印刷に係るコストの削減などのメリットが大きく、導入の際に手間がかからないことも導入の実情が高い要因として考えられます。
 

  • 「マチコミ」の体調(体温)管理機能に新機能が追加されました

マチコミではコロナ下の学校DXを推進するために日々機能追加を行っていますが、このたびコロナ下で重要な機能のひとつである体調管理機能において大幅な機能改善を行いました。

①体調の分析・レポート作成機能
自動の平均体温や・体調管理の提出状況が管理画面から一目で確認できるようになり、日々の体調の変化を自動集計しPDFファイルとして出力することが可能です。
これにより、お子様の体調変化の把握や分析がしやすくなります。
(※万が一児童の体調に異常があった場合は、管理者へ自動的にお知らせすることができます。)
 

②体調連絡の提出漏れを防ぐ児童リマインド機能
朝の忙しい時間に体温を計測して提出することは忙しい保護者にとって負担になり、ついつい忘れてしまう事があります。管理者が任意に設定した時刻に体調連絡が漏れている場合は、システムが自動的に記入を促すメールを送ります学校側の確認作業を軽減することができます。

③連絡ノート機能
今までの保護者から管理者に送る一方通行の連絡だけではなく、管理者による承認(電子印捺印)やコメントの返信が可能になりました。これにより体調の連絡だけではなく”連絡ノート”としても活用できるようになりました。

 

  • 総評と新機能に関して(「マチコミ」を運営するドリームエリア代表 寺下武秀より)

今回のリサーチはマチコミを導入している施設を対象として行っており、保護者が希望する全ての機能が無料で使える状況になっています。その様な状況にも関わらず、多くの機能でデジタル化の導入率は30%前後に過ぎず、体調管理に至っては20%にも満たない結果になっています。

デジタル化を進める上で便利な機能を提供するだけではなく、教育現場で導入に至らない原因を分析し、システム面だけではなくソフト面での提案と改善が必要であることを痛感する結果となりました。実態と希望の乖離は保護者の不満を生む結果となり、教育現場の方には負担となり得るものでもあります。

また今回のリサーチで「デジタル化により不便になったこと、以前のやり方に戻して欲しいことはありますか?」の問いに対して、17%の方が「不便なことがあり以前のやり方に戻してほしい」と回答されています。

全国には様々な学校があり、学校に通う児童生徒にもそれぞれの家庭環境があります。デジタル化が推奨される現代の教育現場において、デジタル化を行うことにより不便を感じる学校やご家庭があることにもしっかりと目を向ける必要があると感じています。デジタル化によりすべてが良くなるわけではありません。あくまでデジタルは先生方や保護者の方の補助であり黒子であることを改めて考え、今後も教育環境がより豊かになるシステム作りを進めていきたいと考えています。

【ドリームエリア株式会社について】
ドリームエリアは、2001年にインターネットシステム会社としてスタートしました。2005年、「子どもが安心して暮らせる街づくり」をコンセプトに「マチコミ」(https://machicomi.jp/)事業を開始。「子どもに教えておきたい不審者遭遇時の対処法」や「親として普段気を付けること」等の安全管理に必要な情報を始め、様々なお役立ち情報や地域固有の情報等を掲載し、地域を通してのコミュニケーションを活性化させ、 少しでも不審者等の問題が起こりにくい「街づくり」へのきっかけとなればと考えています。現在、「マチコミ」は全国47都道府県で、71の教育委員会、公立小学校をはじめ13,000以上の施設に導入いただいています(2022年5月現在)。学校と保護者間連絡をデジタル化し負担を軽減するため、「マチコミ 」にて2022年3月14日より保護者とプリント共有等の新機能を提供開始しました。
[参考URL]
学校と保護者を結ぶ連絡網サービス「マチコミ」、保護者とプリント共有など、新機能の提供開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000025607.html

【ドリームエリア株式会社 会社概要】
社名:ドリームエリア株式会社 Dreamarea,Inc.
本社所在地:東京都渋谷区道玄坂一丁目20番8号 寿パークビル9階
設立日:平成13 (2001) 年4月25日
代表者:代表取締役 寺下 武秀
資本金:100,000,000円
事業内容:不審者情報システム「マチコミ」の運用、見守りサービス「みもり」の企画・開発・運営モバイルコンテンツの企画・開発、サーバー構築と運用保守、飲食店舗の運営
URL:https://www.dreamarea.com/

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