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導入の背景
医療の進歩に伴い専門化・細分化が進んだことで、医師が担当する領域はより狭く深くなっています。医師にとって、すべての疾患に精通し、診断や治療方針を決めることは極めて困難な時代になっています。生活者に最新の医療を提供するためには、医師が知識や技術を習得し続けていくことが必要です。
学会は医師にとって、研究や知識・情報共有の場として重要な役割を担っており、エキスパートが持つ知識や経験の伝承をしていくことで、医療の質向上を高めるとともに次世代を担う専門医の育成に取り組んでいます。
Mediiでは、主治医がエキスパート専門医に気軽にアクセスできる仕組みをつくり、専門医が持つ最先端の高度な知見を広げることで、希少疾患や難病などの専門性の高いスペシャリティ領域における患者の早期発見や治療最適化を目指しています。
専門知見の共有による医療の質向上という同じ課題と目的を持ったMediiと神経免疫学会が連携し、E-コンサルを活用した学会員限定コンサルトシステムを構築することになりました。学会で行われる年に数回の学術集会や勉強会などのリアル開催のイベントに限られていた学会員の知識・情報共有の場を広げ、学会員同士が日常的に知見を共有できる学びの場を拡大する取り組みを進めてまいります。
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取り組みの内容
E-コンサルのグループチャット機能を活用し、難治性神経免疫疾患である「多発性硬化症(MS)/視神経脊髄炎(NMOSD)」、「免疫性ニューロパチー」、「重症筋無力症(MG)/ランバート・イートン筋無力症候群(LEMS)」、「筋炎・ミオパチー」の4つのエキスパートチームを作成し、学会員からの症例相談に対応します。
学会員限定のコンサルトシステムにより、各疾患に特化したチームにいつでも、どこでもチャットで相談することができ、エキスパートの鑑別や治療方針などを学ぶことができます。
利用開始は2023年内を予定しています。
学術集会等のイベントの場だけではなく、日常的に学会員同士の知見共有を行うことで学会活動を活性化させ、神経免疫学における研究の発展・若手専門医の育成を目指します。
■日本神経免疫学会 理事長 中島一郎 先生 のコメント
本学会は会員数が700人に満たない小さな学会ではありますが、非常に専門性が高いが故に少数精鋭が集まっており、免疫性神経疾患の概念や治療法の発展に貢献してきました。年々増加するすべての免疫性神経疾患の患者さんが日本のどこにいても最適な治療が受けられる状況を実現するには、専門医や専門的知識をもつメディカルスタッフをより多く養成する必要があります。
そこで、若手専門医にとって魅力的な取り組みができないか考えていたところ、MediiのE-コンサルと出会いました。全国の専門医から非同期的にオンラインで知見共有ができる、このE-コンサルの仕組みが、若手の神経免疫学の専門医の育成や、それを魅力に感じて神経免疫学の専門医を目指す学会員の増加につながることを期待しています。
■Medii 代表取締役医師 山田裕揮 のコメント
Mediiは「誰も残さない医療を」のミッションのもと、主治医と特定領域のエキスパート医師を繋げ、専門知見を共有する仕組みにより、希少難病患者の早期診断や治療最適化を目指しています。この度の日本神経免疫学会との連携によって、神経免疫学の発展と専門医の育成が促進されることで、免疫性神経疾患で苦しむ患者さんが一人でも多く救われる未来に繋がると信じています。
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日本神経免疫学会とは
日本神経免疫学会は、神経免疫学における研究の発展を目指し、1988年に設立されました。自己免疫を主な病態機序にもつ神経疾患および筋疾患を対象に、病態解明のための基礎研究を促進し、治療法の確立のための臨床研究を推進して創薬に繋げることを使命として取り組んでいます。
webサイト:https://www.neuroimmunology.jp/index.html
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E-コンサルとは
E-コンサルは、患者の診断や治療方針に悩む医師が、近くにいない専門領域の専門医に症例を相談できる完全無料のオンラインマッチング相談サービスです。1,000名以上のエキスパート専門医の協力のもと、全ての専門領域の相談に対応しており、厚労省指定難病の99%をカバー(患者数ベース)できるに至っています。相談内容に応じて最適なエキスパート専門医とマッチングされ、医師は匿名でチャット相談が可能です。1対1だけでなく、複数の専門領域のエキスパート専門医が所属するチームへの相談(特許取得済)もできます
会社名:株式会社Medii
所在地:東京都新宿区新宿5丁目14-12-202
設立:2020年2月20日
代表者:代表取締役医師 山田 裕揮
URL:https://medii.jp
※E-コンサルは、株式会社Mediiの登録商標です。