ロボセンサー技研が生産現場の手の感覚をデータ化する「手袋型の触感センサーと無線計測システム(RH500シリーズ)」を開発、CEATEC2023にて初展示

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手袋型の触感センサー(※-1)にて生産現場の手の感覚をデータ化し、これを無線計測システムにてリアルタイムでの計測データ表示とFFT解析、信号判定、およびデータ保存を行うことが出来ます。この「手袋型の触感センサー」は、大手企業との2年間のPoC(※-2)により、製造ラインにおける手作業の管理や作業内容の良否判定に有効であることが確認されました。
生産組立ラインの手作業をリアルタイムでデータ化することで、現場での生産状況や不具合の発生有無を遅延なく確認することが可能となります。今まで不可能であった人の手作業のデータを活用することで、製造業における『組立不良の大幅な削減』、『不具合品の下流流動の削減』、『人の生産性の向上』など、高い効果が得られると期待されています。

【従来技術の課題】 製造ラインにおいて、人の手作業のモニタリング、また人が原因となる不良の削減のために触感センサーが活用されていない

激しい変化が続く産業界において、毎日の生産現場でどのような状況・変化が起きているのか計測し、管理し、更なる改善を進めることを目的とする産業のDx(Digital Transformation:産業分野におけるデジタルトランスフォーメーション)(※-3)において、この実現のためのDxツールやDxシステムの重要性が益々高まっています。

ところが産業のDxに関して、現状は工場内の生産機械やロボットが主な対象となっており、工場内で人が介在する生産作業の内容に直結する現場の人のデータや、人の作業内容の質に関するリアルな計測データは、産業のDxの対象としてそもそも捉えられていない、あるいは十分な調査が行われていないという状況でした。

これらのデータ取得と分析に関しては生産管理や計画立案と推進にとって非常に重要であるにも関わらず、人体や手・指先に適合可能なセンサーが少ないこと、または利用可能なセンサーそのものの性能が十分ではなく、センサーデータが活用できるレベルに達していないという課題もありました。

つまり、生産ラインにおける人の作業内容や質に関するデータを取得することが難しいということから、産業Dxは機械やロボットのセンシングとそのデータ分析による活用が主たるものとなっていました。生産を行う人やその手作業まで、全工場レベル・生産工程の全体をカバーした産業のDxの実現はかなり遅れているという状況でした。

  

【製品の効果】 当社の触覚センサー手袋の技術・製品の導入により見込まれる効果

当社が開発しました 『触感センサー手袋とウォッチ型無線通信アンプ、およびモニタリングシステム(RH500 シリーズ)』 を活用すれば、人の手作業による手指の触感、指先による作業の内容やその質を直接計測し、高感度・高精度のデータの収集と分析が可能となります。

触感センサーの計測データは専用の無線デバイスによって送信され、データ変換器で受信されます。ここから管理用PC側にUSB接続され、PC上で動作する専用システムにより、リアルタイムで連続モニタリングと作業データ収集および分析が可能です。

今まで出来なかった 『人の生産性の向上』、『不具合品の下流流動の削減』などに関して、非常に有効なセンシングシステムとなると期待されています。

       

 触感センサー手袋(SHG100)を手にはめて、ウォッチ型無線通信アンプ(RBTA510)を手首にバンドで装着します。触感センサーにて得られたセンサー信号は、無線通信(Bluetooth5.0)により半径10メートルの範囲で無線通信が可能となります。小型充電式の単4型バッテリー2本で、10時間以上の完全連続の無線データ通信が可能となるため、PCに送られたデータは連続計測(切れ目の無い計測)がリアルタイムで可能となります。

このため製造ラインにおいて作業する人の手の作業の記録、全ての製造行為が切れ目無く連続で計測が可能となります。製造ラインの作業状況のモニタリングについては、リアルタイムでの信号波形表示とFFT解析結果の表示が可能となっています。

  

  (RH500シリーズ 触感センサーシステムの概要)

これらシステムによれば、従来困難であった極小さな部品の組付け作業や、ワイヤーハーネスの小型コネクターの嵌合作業などのモニタリングに活用可能です。人の介在する手作業を活用する生産現場において、製造ラインに何人の従業員がいて、その手元ではどのように組立て生産が進められているのか、リアルタイムで生産の状況が管理できます。

さらに、計測データよりその作業内容がどうなのか、どこのポントで不具合品が発生した可能性が高いのかなど、データをリアルタイムでチェックすることができます。

その場・その時にデータから即座に判断し、不具合をリペアすることができれば、作業ミスによる不良品の生産、あるいは下流への流動を防止に対する効果が期待されます。

この様に、人の生産作業を含めた工場全体での生産性の向上と労働力不足を補う的確な生産管理が可能となれば、本当の意味での産業のDxのさらなる進展が可能になると考えています。

  

【製品の構成と生産計画】 触感センサーの評価用サンプルは、12月より受注を開始

今回は産業のDxのデータの入り口で重要なキーパーツとなる、当社の触感センシング&評価システム(HR500シリーズ)のご提供スケジュールについて下記にまとめます。

RH500シリーズを構成する基本製品は、人の手から触感データを取得する手袋型触感センサー (SHG100)と、ウォッチ型無線通信アンプ(RBTA510: Bluetooth5.0ワイヤレス通信デバイス)、および無線受信機とセットで動作するデータ変換器(DT-CONV-A )、さらにPCにインストールして動作する触感データ解析システムとなる波形モニター(RWMON)の4製品から構成されています。これら製品を全てまとめたものがRH500システムの評価用サンプルとなります。

下記の計画はこれら全ての製品を含む試作・量産・販売の計画となります。

 生産と販売の計画 (2023年10月時点の計画であり、予告なく改訂される場合があります)

  1) 評価用サンプルの一般受注開始予定: 2023年12月

  2) 評価用サンプル品のご提供開始予定: 2024年1月

  3) 量産品のご提供開始予定:      2024年4月以後を計画

【RH500シリーズに付いて】

 手袋型触感センサーおよびセンシングシステム: RH500シリーズ

 手袋型触感センサーおよびセンシングシステム(RH500 シリーズ)を構成する各センサーおよび機器、ソフトウェアの機能について下記に簡単にご説明します。

  (本製品シリーズの製品パンフレットのご希望や、製品へのお問い合わせにつきましては、

    下記のお問い合わせ先までお願い致します。)

    SHG100 : 手袋型型触感センサー            RBTA510:ウォッチ型無線通信アンプ

    (ロボセンサー®を適用)

          

         RWMON:波形モニター                 DT-CONV-A:データ変換器

          (Windows PC上で動作) 

(1) 手袋型触感センサー (SHG100) 

手袋型の触感センサーで、手袋の指先にロボセンサー®を縫い付け固定しています。

触感センサーの配置の基本は指先1本となります。最大で指5本分まで任意の指先にセンサーの配置が可能ですが、独立した触感センシングはセンサー信号系統が2チャンネル(chと略記)までとなります。

また、手袋はお客様のご指定の手袋タイプ、形、色、保護コーティングの有り無し、を任意に選択することが可能です。左上写真の手袋では、親指と人差し指の2か所にセンサーを配置し2chのデータを計測する仕様で、表面への樹脂コーティングを施した実施例となります。

(2) ウォッチ型無線通信アンプ  (RBTA510) 

触感センサー手袋(SHG100)にて得られたセンサー信号を無線通信にて伝送するためのウォッチ型の無線通信デバイスで、独立して計測可能な指先2ch分のセンサーデータを同時に無線送信することができます。

 本デバイスによる無線通信(無線仕様:Bluetooth5.0/技適あり)により半径10メートルの範囲で無線通信が可能となります。充電式の単4型バッテリー2本で、10時間以上の完全連続の無線データ通信が可能となるため、PCに送られたデータはリアルタイムで連続計測(切れ目の無い計測)が可能となります。

(3) データ変換器 (DT-CONV-A) 

PCにデータを取込むための専用のデータ変換器です。

入力側にBluetooth無線受信機を接続することで、送られてきた触感センサーのデータをUSBケーブルを通じて直接PCに取り込むことができる信号変換を行う装置となります。

(4) 波形モニター (RWMON) 

PCにインストールして利用するソフトウェアとなります。

PC上にてリアルタイムでの信号波形計測(判定)と波形グラフの表示、FFT解析結果の表示、データ保存を行います。同時に2つのセンサーの計測データを2つのチャネル(ch)に同時表と示が可能です。

 (PC画面の表示では、1st-ch:上側(白)、2nd-ch:下側(緑)となります。) 

【技術的優位性と今後の開発の方向】

1)手・指の触感計測だけでなく脈拍や呼吸、音声(声帯の振動)なども計測ができるほど高感度

2)今後はAIを取り込んだより高度な判定システムの開発を計画

当社の『触感センサー手袋とモニタリングシステム(RH500 series)』を使用すれば、人の手作業の常時モニタリングや作業データの収集・分析が可能となります。

このセンシングシステムでは、非常に高性能な触感センサー(Robosensor®)が応用されているため、手首やのど(頸動脈)に触れれば、人の脈拍の計測が可能です。もちろん呼吸や声帯の発音なども計測が可能です。事務所で使用しているPC用のマウスでも、右クリックと左クリックの違いが判別できます。製造ラインにおける人の手作業のセンシング以外にも、この製品の活用分野と活用方法は今後も大きく広がっていくものと確信をしています。

今後ますます、当社の優れたセンサー技術をベースとして、産業のDxに必須のセンサー製品類の開発を推進すると共に、より高速で大容量の通信システムや高精度のAI判定システムの構築などの技術に付きましても鋭意開発を進めて行く所存です。

皆様からの更なるご支援とご厚情を賜わりますようどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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<この件に関するお問い合わせ先>

■報道関係の方

ロボセンサー技研株式会社 総務・業務管理部門

E-mail: info@robosensor.co.jp

〒433-8105 静岡県浜松市北区三方原町1064-10

TEL: 053-438-1700  ,  FAX: 053-438-1700

■一般の方

ロボセンサー技研株式会社 営業本部

E-mail: tokyo@robosensor.co.jp

〒140-0014 東京都品川区大井 1-6-3 アゴラ大井町3階

TEL: 050-5372-0788  ,  FAX: 03-5742-5509

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注記:

【ロボセンサー技研株式会社】

 2016年8月に代表取締役の大村昌良がシニア創業したハードテックスタートアップ企業です。

数々の優れた性能を持つ高感度ワイヤーセンサー:ロボセンサー®の特徴を生かした様々なセンシング製品および計測システムを提供しています。

当社独自のノイズレス構造(国内・海外特許登録)をもつ極細高性能なワイヤー状センサーを開発し、僅か直径0.5mmの極細センサーとして世界最高レベルとなる1マイクロニュートン(※-4)の超高感度を実現しています。

触感センシング用の高感度センサーや手袋型触感センサーなどに加え、産業向けの振動センサーや、予防保全向け振動モニタリングシステムを提供しています。既にロボットや産業機器、インフラ設備など、様々な分野において200社以上のユーザーに利用されています。            

                          ロボセンサー技研(株)         

                          URL:https://robosensor.co.jp/

【用語の解説】

(※-1) 触覚センサー、および手袋型触感センサーについて

触覚センサーは、手指が感じる触覚を、PCやスマートホンなどの情報機器で扱うことができる電気信号、電子データ(デジタルデータ)に変換するセンサーのことを言います。

触覚センサーの形態は、固体状(ゴム状やスポンジ状)、フィルム状、紐状など様々なものが提案されており、この触覚センサーを手袋の形に加工したり、手袋の上に設置することで、手にはめて使うことができるものがあります。

触覚には触覚の三原色:色の三原色のような振動覚・圧覚・温覚の三種類の感覚、があると定義されていますが、当社が提供するセンサーは振動覚と圧覚に基づく感度を有していますので、あえて触感センサーとの名称を使用しています。

ロボセンサー技研株式会社が開発した手袋型触感センサーは、当社が提供する超高感度のロボセンサー®(極細ワイヤー状のピエゾ方式センサー)(※-5)を手袋の指の上に縫い付けることで、柔軟で軽量、人の手作業を殆ど制限することのない触感センサー手袋を実現しています。

この手袋型センサーは、市販の手袋のように人の手にはめて使うことができるセンサーであり、人の触感覚に類似し、もしくはより優れた触感センサー特性を持っています。

触感センサー手袋では、人の指先が触れる感覚や作業中に指先が感じる振動覚を計測し、得られたデータを連続でPCやタブレットに収集し解析できるため、リアルタイムで産業のDxに活用していたたけます。

(※-2) PoC(Proof of Concept)について

新たな概念やアイデア、試作製品などが実現可能か、狙った機能の実現により期待の効果が得られるのか、また技術的な観点など、様々な評価・検証を行なう行程のことを言う。今回は当社の手袋型触感センサーが、実際の製造工程において有効に動作可能か、また得られたセンサー信号にて良否判定が可能かなどの実地検証と、得られたセンサーデータと評価結果に基づき様々な改良・修正などを行ないました。

(※-3) 産業のDXについて

経済産業省ではこのDXの意味として 「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」 と定義されています。

ここでは単なるアナログからデジタルへの変換や、デジタルツールという意味ではなく、人の作業をも取り込んだ生産工場全体、製造ライン全体における、デジタルデータを活用した産業の活性化、競争力の強化、そして企業の成長戦略へと繋げるための変革ツールという意味として捉え、センサー(計測データ)は全ての基本となる入り口として非常に重要であると考えてご説明をしています。

(※-4) 1マイクロニュートン:1 µN/力の単位1Nの百万分の1の大きさ、0.1ミリグラムにかかる重力とほぼ同じ極微少な力のことです。

(1円硬貨が1グラムですのでこの百分の1に加わる重力と考えると単位が認識しやすいと思われます。)

当社が提供する高感度ワイヤーセンサーは、この極微弱な力による変形を捉えることが可能な高性能センサーであり、このセンサーを用いて人間の感じることができない極小の触感や高周波振動を捉えることができます。

(※-5)

ピエゾ方式について

圧電体に加えられた力を電圧に変換、または電圧を力に変換するピエゾ効果を利用する方式。このピエゾ効果はアクチュエータや加速度センサーなどの電子素子に広く利用されており、スマートホンの中の各種電子素子などでも多く活用されている

以上

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