2022年 奈良市観光入込客数調査結果について

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奈良市を訪れる観光客数等を調査する「奈良市観光入込客数調査報告」について、2022年1月から12月までの調査結果がまとまりましたので、報告します。
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◆2022年に奈良市を訪れた観光客数は929.4万人(前年比 26.5%増)。うち、一般観光客数が852.4万人(前年比 21.0%増)。10月から政府による観光需要を目的とした「全国旅行支援(全国旅行割)」がはじまり、国内旅行へ出かける意識が高まった。

新型コロナウイルス感染拡大前(2019年)と比較すると、約5割強まで回復。特に修学旅行需要の回復が顕著(2019年度比…一般:-35.8%、修学旅行:-29.2%、外国人-94.4%)。

◆宿泊客数は137.9万人(前年比 59.6%増)。観光客数に占める宿泊客数の割合は14.8%となり、過去10年間で最高となった。

修学旅行生徒数は58.3万人(前年比 126.0%増)。コロナ前(2019年)と比べると約7割までに回復しており、月別で見ると10月以降はコロナ前を上回る回復となった。

奈良市内の観光消費額は598.3億円(前年比170.3億円増)【参考値】

  • 2022年 奈良市観光入込客数について

概要

2022年に奈良市を訪れた観光客数は、929.4万人(前年比26.5%増)でした。

一般観光客数は、852.4万人(前年比21.0%増)でした。このうち、日帰り客数が726.1万人(前年比16.5%増)、宿泊客数が126.2万人(前年比54.8%増)となりました。

修学旅行で奈良市を訪れた観光客数は、58.3万人(前年比126.0%増)でした。このうち、日帰り客数が49.1万人(前年比128.4%増)、宿泊客数が9.3万人(前年比116.3%増)となりました。

奈良市を訪れた外国人観光客数は、18.7万人(前年比306.5%増)でした。このうち、日帰り客数が16.3万人(前年比307.5%増)、宿泊客数が2.4万人(前年比300.0%増)となりました。

注1: 集計結果については、四捨五入の関係で積み上げた数値とその合計値は必ずしも一致しない。

注2:  2021年の外国人(合計・日帰り)は、新型コロナウイルス感染症拡大による入国制限の影響で推計に必要な調査が行われなかったため、測定不可としていたが、調査方法を見直し、推計しました。

  • 2022年 観光の状況

1.2022年における全国の観光

2020年に世界へ拡大した新型コロナウイルス感染症は、2022年になっても収束することなく、オミクロン株に変異したことで陽性者数は急激に増加し、「第6波」にあたる2月には一日当たりの陽性者数が10万人を超え、7月頃からの「第7波」、11月頃からの「第8波」と継続的に感染拡大し、一日あたりの陽性者数が20万人を超える日もありました。

さらに、インフレの進行、エネルギー価格の高騰、ウクライナ情勢、円安の進行など、さまざまな事情が観光業界に影響を与えた1年となりました。

一方で、日本政府観光局が発表した訪日外国人旅行者数は、6月の外国人観光客の受入再開

後、10月の入国者数上限撤廃、個人旅行の解禁、ビザなし渡航の解禁といった水際措置の緩和等により、年間で約383万人と2021年(約24.6万人)と比べて大幅に増加しており、着実に回復に向けて動き出しています。また、2023年の上半期の速報値では約1,071万人となっており、既に2022年の約3倍の人が日本を訪れています。

国内旅行は、観光庁の「旅行・観光消費動向調査」によると、2022年の日本人国内延べ旅行者数が4億1,785万人(2019年比28.8%減、2021年比55.8%増)と、コロナ禍の中で「マイクロツーリズム」※1や「アドベンチャーツーリズム」※2といった新しい観光が浸透し、回復傾向がみられました。さらに10月からは政府が実施する「全国旅行支援(全国旅行割)」がスタートしたこともあり、宿泊を伴う国内旅行の需要が大幅に回復しました。

※1  マイクロツーリズム:新型コロナの流行をきっかけに感染防止の観点で広がった、自宅から1~2時間程度の移動圏内の「地元」で観光する近距離の旅行形態

(JTB総合研究所「観光用語集」より)

※2  アドベンチャーツーリズム:「アクティビティ」、「自然」、「異文化体験」の3つの要素のうち2つ以上で構成される旅行形態(JTB総合研究所「観光用語集」より)

2.奈良市の観光客数(全体)

2022年の奈良市の観光客数は929.4万人(前年比26.5%増)でした。

新型コロナウイルス感染症拡大や入国制限措置等の影響による厳しい状況が続く中で、10月から政府による観光需要喚起を目的とした「全国旅行支援(全国旅行割)」がはじまり、国内旅行へ出かける意識が高まったこともあり、一般観光客数が852.4万人(前年比21.0%増)、修学旅行生徒数が58.3万人(前年比126.0%増)となりました。

全国の新型コロナ陽性者数が10万人を超えるなど、急激に増加した「第6波」にあたる2月には観光入込客数が前年比18.3%減の48.3万人となりました。一方、「第7波」にあたる7月(前年比7.6%増)、「第8波」にあたる11月(前年比24.8%増)はいずれも前年より増加しており、「ウィズコロナ」が浸透してきていることが伺えます。

【参考値】ビッグデータを用いて、東大寺・奈良公園・奈良町などの市内主要観光エリアを来訪した人(来訪者)を集計した結果、2023年1月~7月の全ての月で、2022年を上回る結果となり、好調に推移しています。なお、本データには訪日外国人観光客は含まれていません。

3.奈良市の観光客数(宿泊者数)

2022年の奈良市の宿泊客数は137.9万人(前年比59.6%増)でした。

「全国旅行支援(全国旅行割)」の影響もあり、宿泊を伴う国内旅行の需要が増えたと考えられ,宿泊率は過去10年間で最高でした。

【参考値】奈良市内宿泊施設数は2021年から2施設増加の143施設となりました。また、客室数についても、昨年度から25部屋増加し、推計で5,261部屋となりました。

【参考値】大手オンライントラベルエージェント経由で、2022年1月~2023年7月の期間に利用があった奈良市内の宿泊単価と全国の宿泊単価を比較しました。2022年6月及び9月から11月までは全国の宿泊単価を上回ったものの、2023年5月以降は下回る月が続いています。

4.奈良市の外国人観光客数(宿泊客数)

2022年に奈良市内に宿泊した外国人観光客数は、2.4万人でした。(前年比300.0%増)

2022年6月より添乗員つきのツアー客に限定する形で外国人観光客の受け入れをおよそ2年ぶりに再開し、1日あたりの入国者数の上限が2万人に引き上げられました。その後も段階的に緩和され、10月には入国者数の上限撤廃や外国人の個人旅行が解禁されたことも影響し、11月以降は本格的な回復傾向がみられました。

国籍別の外国人宿泊者数では、アメリカが4,300名となり最も多い結果となりました。

また、韓国や台湾など、日本から近距離の地域の回復が早く、中国や東南アジアの回復が遅れています。

5.修学旅行

2022年に奈良市を訪れた修学旅行生徒数は、58.3万人(前年比126.0%増)と、2021年と比べ大幅に回復しました。月別の宿泊修学旅行生徒数を各年で比較しますと、「奈良県いまなら。キャンペーン2022プラス(全国旅行支援)」が修学旅行も支援対象となったこともあり、10月以降はコロナ禍前の2019年を上回る結果となりました。

奈良市では、2021年度に引き続き新型コロナ対策に追加費用が発生した学校を支援する「奈良市修学旅行生『奈良旅行』支援事業」を実施し、2022年度は242校 15,307人の修学旅行生へ支援金を支給しました。

[参考1]奈良市内の観光消費額

「観光入込客統計に関する共通基準」に基づき奈良県が実施した調査結果によると、2021年の奈良県における1人あたりの観光消費額は、宿泊が23,394円、日帰りが3,483円となっています。

上記1人あたりの観光消費額に、奈良市の2022年の観光入込客数を乗じて奈良市の観光消費額を推計すると、598.3億円(前年比170.3億円増)となります。

  • 関連リンク

▼【市長会見】2022年 奈良市観光入込客数調査結果について(令和5年8月16日発表)

【市長会見】2022年 奈良市観光入込客数調査結果について(令和5年8月16日発表)
  • 本件に関するお問い合わせ先

奈良市 観光経済部 観光戦略課

TEL:0742-34-4739

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