菊川市は令和5年2月に、2050年までに市内全域の二酸化炭素排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ※1」を宣言しました。これを実現させるためには、脱炭素化社会を構築するための知見や技術力を活用し、官民の垣根を超えた取り組みが必要不可欠です。
そこで、菊川市において2016年よりエネルギーの地産地消としてバイオガス事業※2に取り組む当社と菊川市が本協定を締結し、ゼロカーボンシティ実現に向けた取り組みを企画、検討することとなりました。
現在、当社は菊川バイオガス事業所において産業技術総合研究所、静岡県工業技術研究所のご支援をいただき、新たなバイオガス発生技術の研究に取り組んでいます。
このたび、本協定で掲げている「市域への再生可能エネルギー設備の導入促進」に向け、当社技術と菊川市から排出される廃棄物を原料として使い、地域から排出される廃棄物の課題解決と併せて経済性の高く効率的な新しいバイオガス事業の開発を目指します。
また、本協定に基づく事業を起点として、他自治体への転用を見据え、地域循環型バイオガス発電事業のモデル構築を進めていく予定です。
さらに、2019年より取り組んでいるメタン発酵消化液の肥料化についても、昨今の肥料価格高騰対策として広く地域の農事利用が可能となるよう調査・研究を進め、農業のゼロエミッション化と地域のゼロカーボンシティ実現を目指して進めてまいります。
当社は本協定を通じ、エネルギーの地産地消、循環型社会の構築に向け菊川市と共創してゼロカーボンシティ実現に貢献すると共に、バイオガス発電事業の発展に努め地域社会の脱炭素化を推進してまいります。
※1 菊川市ゼロカーボンシティ宣言
菊川市の「ゼロカーボンシティ宣言」は、2050年までに、市域から排出する二酸化炭素排出量を実質ゼロとすることを目指すものです。
※2 当社は菊川市において自社のメタン発酵バイオガス発電プラントを2016年より操業し、市内の学校給食センター、市立病院などから食品廃棄物を受け入れ、資源循環に取り組んでいます。
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鈴与菊川バイオガスプラントについて
所在地 静岡県菊川市西方4035番地
処理量 6.7t/日
*上記のほか、地元で発生する農作物の剪定枝や廃棄物、鈴与グループの食品工場から排出される食品廃棄物を処理しています。
発電量 常時一般家庭約200軒分の電気を発電しています。
その他 発電機の排ガスと排熱は、隣接する当社トマト農場で、植物の光合成やビニールハウスの暖房等に利用しています。
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包括連携協定書の概要
1.連携する事項
(1)市域への再生可能エネルギー設備の導入促進に関する事項
・下水道汚泥を原料としたバイオガス発電事業の検討、実証試験 など
(2)次世代の育成に向けた環境教育の推進に関する事項
・小中学生を中心に市民を対象とした環境教育 など
(3)その他ゼロカーボンシティの推進に関する事項
・メタン発酵消化液の液肥利用の検討 など
2.協定期間 2023年8月8日~2024年3月31日(以降 自動更新)
2023年8月8日 協定締結式の写真
(左から)
菊川市: 長谷川 寬彦 市長
鈴与商事: 伊藤 正彦 代表取締役社長