フィリピンでバイナリー地熱発電所建設プロジェクトを受注

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日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO 佐藤雅之)は、このたびフィリピン現地法人であるJGCフィリピン社が、世界最大級の地熱エネルギー企業であるEnergy Development Corporation(EDC社)から、フィリピンにおけるバイナリー地熱発電所建設プロジェクトを受注しましたのでお知らせします。

 1.契 約 先:     Energy Development Corporation(EDC社)(本社:フィリピン パシグ市)

2. 建設場所:         フィリピン共和国 レイテ島オルモック市マハナグドン地区

(首都マニラから南東約550 km)

3. 役務内容:         28MWのバイナリー地熱発電所の付帯設備に関わる

設計、機材調達、建設工事(EPC)役務

4. 契約形態:         ランプサム契約

5. 受注金額:           非公開

6. 納期:           非公開

7. プロジェクトの概要:

フィリピンにおける地熱発電設備容量は米国、インドネシアに次いで世界第3位(出典:WGC 2020 Update report)であり、地熱発電は気候に左右されない安定電源であることから、現在フィリピンでは積極的に開発が進められています。EDC社は、約50年間地熱発電事業に従事しており、地熱発電設備だけでなく風力、太陽光、水力発電設備を開発するフィリピン最大級の再生可能エネルギー発電事業者です。

新設されるバイナリー地熱発電所は、EDC社が保有する既設のマハナグドン地熱発電所で生じる熱水から熱エネルギーを回収し、有機ランキンサイクル技術※2を用いたバイナリー発電により28MWの追加発電を行うものです。JGCフィリピン社は、この追加されるバイナリー地熱発電所の機電システムなどの付帯設備に関わる設計、機材調達、建設工事(EPC)を行い、主要発電設備の設計及び供給は世界で約500MWの設備導入実績を保有するExergy International Srl(Exergy)社が実施します。

JGCフィリピン社は30年以上にわたり、フィリピン国内において数多くのプラント・設備の設計・調達・建設(EPC)および保守運転事業を顧客に提供してきた高いプロジェクト遂行能力が評価され、本プロジェクトの受注につながったものと考えています。

また、本プロジェクトは当社グループの海外EPC事業会社である日揮グローバル株式会社を代表事業者として、環境省が実施している令和4年度「二国間クレジット制度 (Joint Crediting Mechanism:JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」※3の対象プロジェクトとして選定されています。当社グループは本プロジェクトを通じて、日本およびフィリピンのCO2排出量削減目標達成に貢献してまいります。

現在当社グループは、長期経営ビジョン「2040年ビジョン」で掲げるリージョナル経営体制の強化、ならびに中期経営計画「BSP2025」で掲げる重点戦略のなかの「EPC事業の成長市場・分野の拡大」の実現に向けて、昨年シンガポールにJGCアジアパシフィック社を設立しました。

同社は東南アジアの統括拠点として、フィリピン、インドネシア、ベトナム、マレーシアの海外エンジニアリング会社の営業・プロジェクト遂行を支援し、事業拡大を目指しています。本プロジェクトは、その活動の一環であり、今後もフィリピンをはじめとして、東南アジア全体で環境負荷低減・脱炭素ソリューション提供等を通じた顧客の事業価値の向上を積極的に支援してまいります。

※1:蒸気等で熱を運ぶサイクルと、タービンを回す2つのサイクルで構成される発電方式。

※2:熱交換により有機媒体等の気体を作ることでタービンを回す技術。この技術により比較的低温な熱源を用いた発電が可能となり、地熱発電だけでなく産業設備の排熱回収やLNG冷熱発電システムに適用できるため、注目されている。

※3:優れた脱炭素技術等を活用し、途上国等における温室効果ガス排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行う事業。途上国等における温室効果ガスの削減とともに、JCMを通じて我が国及びパートナー国の温室効果ガスの排出削減目標の達成に資することを目的とする。優れた脱炭素技術等に対する初期投資費用の2分の1を上限として補助を行う。尚、本事業はフィリピン政府と日本政府の協力の下で実施されている。

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