◆ さまざまなクリーンエネルギープロジェクトとの協力を通じて、将来的な豪州の脱炭素化を目指す
三菱重工業は12日、豪州東南部のニューサウスウェールズ州にあるニューカッスル港(Port of Newcastle)との間で、豪州気候変動・エネルギー省ボーエン大臣の同港訪問に合わせ、同港における約220ヘクタールのクリーンエネルギー地区実現に向けた取り組みに関する覚書(MOU)を締結しました。クリーンエネルギー地区を起点として、州東南部ハンター地域全体へのクリーンエネルギー技術の供給、クリーンエネルギー製品の輸出、港湾地区のあらゆるエネルギー分野にわたるクリーンエネルギープロジェクトとのさらなる協力の可能性を模索し、同地域における世界レベルのクリーンエネルギー経済圏構築ならびに豪州の脱炭素化実現を目指します。
このクリーンエネルギー地区プロジェクトに関する具体的な取り組みは、内陸と沖合の風力発電の開発、送電、クリーンエネルギーの生産・貯蔵・輸出とバンカリングなど多岐にわたります。これらの計画を進めるためには、豪州企業との協力に加え、クリーンエネルギーの主要市場である日本などにあるグローバル企業が有する専門知識を活用することが不可欠です。豪州政府によりニューサウスウェールズ州の水素ハブに指定されているニューカッスル港は、クリーンエネルギー経済の開発、貯蔵、輸出経路の実現に取り組んでいます。
今回のMOU締結に際し、ニューカッスル港のCEOであるクレイグ・カーモディ氏は次のように述べています。「ニューカッスル港取扱い貨物の多様化戦略において、本プロジェクトはその中心的な役割を果たします。クリーン燃料の貯蔵、輸送、および輸出に関する共通インフラなど大規模なクリーンエネルギー生産のために必要不可欠な環境を提供し、この港湾内だけでなくハンター地域全体を支援してまいります」。
また、三菱重工 取締役 副社長執行役員 加口 仁は次のように述べています。「豪州の主要な港湾であり、将来の有望な水素ハブであるニューカッスル港の大規模開発プロジェクトに携わらせていただくことを大変光栄に感じています。当社は、水素/アンモニア発電、CO2回収技術をはじめとして、アンモニア/メタノール製造プラント、アンモニア・液化CO2運搬船などニューカッスル港の水素ハブ実現に必要と思われるさまざまな技術を保有しており、この知見に基づいて港湾内におけるエネルギー関連設備の最適構成を検討します。同港は、資源積出し港として古くから日本にとって重要な拠点であり、このプロジェクトを通じて、豪州や日本の脱炭素化に貢献できるように港湾と共同で取り組んでいきます」。
三菱重工グループは、これまで培ってきた脱炭素に関する技術や知見の提供を通じて、ニューカッスル港を中心としたクリーンエネルギー経済圏の構築に寄与するとともに、豪州におけるカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。