口の健康管理のための歯科受診が歯の喪失の抑制と関連することをビックデータ解析から確認 ~第66回春季日本歯周病学会学術大会で発表~

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 サンスター株式会社(以下、サンスター)と株式会社ミナケアは、定期健康診断結果と医療機関の診療情報(レセプト)をもとに、歯科受診内容、喫煙、糖尿病と歯の本数の関連を分析しました。
 その結果、口の健康管理のための歯科受診(管理受診)が歯の喪失の抑制と関連することや、喫煙、糖尿病が歯の喪失と関連することを明らかにし、研究成果を「喫煙,糖尿病,歯科受診内容と歯数の関連に関するデータベース研究」という演題で、第66回春季日本歯周病学会学術大会(2023年5月26日(金)~5月27日(土)、於:香川)にて発表しました。
 今まで、歯科受診と歯の本数の関係を日本のリアルワールドデータで示した報告はなく、今回の報告は歯科受診の効果を調べた貴重なデータとなります。
 今回の結果から、40代以上のすべての年代において、管理受診が歯の喪失の抑制と関連することが示されました。このことから、痛みなどの不具合が発生した時にだけ歯科治療を受けるのではなく、歯科専門家の判断に基づく予防管理を受けることが、歯の喪失を防ぐために重要だと考えられます。

<研究概要> 

◆研究の背景・目的

 歯の喪失の主な原因はう蝕と歯周病であり、早期にう蝕や歯周病を発見し、歯科医院での治療を行うことが大切です。また、歯周病においては、治療後においても再発リスクや重症化リスクが高い場合には、定期的な管理が重要であることが知られています。しかし、歯科受診と歯の本数の関係については、地域や医療機関を限定した報告や、自己申告による歯科受診状況を用いた報告はあるものの、大規模データベースを用いた研究はありませんでした。

 そこで今回の研究では、診療報酬明細書と定期健康診断結果から構成されるデータベースを用いて、歯科受診内容と歯の本数の関連を検証しました。また、歯周病のリスクファクターとして歯周病の新分類(AAP/EFP)※にも使用されている喫煙と糖尿病についても、同様に歯の本数との関連を検証しました。

※歯周病の新分類(AAP/EFP)[ty1] 

2017年11月に、米国シカゴで世界各国の歯周病学分野の専門家が一同に会した、アメリカ歯周病学会(AAP)・ヨーロッパ歯周病連盟(EFP)共催ワークショップを経て作成された、新しい歯周病の分類

◆対象者属性と方法

 複数健保の定期健診受診者約70万人のうち、2015年度に歯科受診歴があり、歯の本数の算出ができ、喫煙とHbA1cのデータを有する、20-74歳の233,555人を解析対象者としました。年齢、性別、喫煙、HbA1cは、2015年度の健康診断データから抽出し、歯科受診内容の分類は、2015年度の歯科レセプトの診療行為をもとに歯科医師が分類しました。

 そして、対象者を、歯科受診内容(治療受診のみ、治療・管理どちらも受診、管理受診のみで分類)、また、喫煙(なし、あり)、HbA1c(6.0%未満、6.0-6.9%、7.0%以上)の条件で群分けをし、歯の本数を比較しました。

◆研究結果

1.歯科受診内容と歯の本数の関連

 40代以降のすべての年代で、治療受診のみの者に比べて、治療・管理どちらも受診した者、管理受診のみの者の両方が、有意に歯の本数が多いことが分かりました(図1-1、1-2)。

<40代、50代、60代、70代の歯の本数>

 治療受診のみの者と比べて、治療・管理のどちらも受診した者ではそれぞれ0.1本、0.6本、1.8本、3.1本多く、管理受診のみの者ではそれぞれ0.3本、1.1本、2.8本、4.5本多い (図1-2)。

  

2.喫煙と歯の本数の関連

 30代以降のすべての年代で、非喫煙者に比べ、喫煙者は歯の本数が有意に少なく、その差は、年齢が高くなるほど大きくなるという結果でした(図2-1、2-2)。

<30代、40代、50代、60代、70代の歯の本数>

 非喫煙者に比べて、喫煙者は、それぞれ0.2本、0.5本、1.4本、2.1本、2.4本少ない (図2-2)。

3.糖尿病と歯の本数の関連

 30代以降のすべての年代で、血糖コントロールが良い者(HbA1c6.0未満)に比べて、血糖コントロールが悪い者(HbA1c6.0%以上)は有意に歯の本数が少ないという結果でした。また、30代から60代では、血糖コントロールが悪くなるほど、歯の本数が少ないことが示されました(図3-1、3-2)。

<30代、40代、50代、60代、70代の歯の本数>

 HbA1c6.0%未満の者に比べて、6.0-6.9%の者ではそれぞれ0.2本、0.3本、0.5本、0.5本、0.7本少なく、7.0%以上の者ではそれぞれ0.5本、0.7本、1.2本、1.4本、1.1本少ない (図3-2)。

●研究結果に関する歯科専門家コメント

大阪大学名誉教授、歯科医師、歯学博士、サンスターグループ顧問 雫石聰(しずくいし さとし)先生

2023年6月に閣議決定された「骨太の方針2023」において、「全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の集積・活用と国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた取組の推進、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯科専門職による口腔健康管理の充実」などの方針が示されました。

今回の研究は、複数の健康保険組合の定期健康診断結果と医療機関のレセプト情報をもとに、働く人々の持つ歯の本数を口腔の健康指標とし、それと歯科受診内容、喫煙、糖尿病との関連を明らかにしたもので、ビッグデータを活用した、「全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠」を示す非常に有用な研究と言えます。

この研究結果では、口の健康管理のための歯科受診をしている人は単に治療のために受診している人に比べて歯の本数が多く、定期的な口の健康管理が歯の喪失を防ぐ可能性を示しています。また、喫煙者や糖尿病で血糖コントロールが悪い人は歯の本数が少なく、これらの結果は過去の数多くの研究結果とも一致しています。

本研究の結果は、超高齢社会において、働く世代から全身の健康に十分気を配り、歯の疾病の重症化予防につながる歯科での口腔健康管理を行うことが極めて重要であることを示す貴重な研究と言えます。

【サンスターグループについて】

サンスターグループは、持株会社サンスターSA(スイス・エトワ)を中心に、オーラルケア、健康食品、化粧品など消費者向けの製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・スイスSA(スイス)と、自動車や建築向けの接着剤・シーリング材、オートバイや自動車向け金属加工部品などの産業向け製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・シンガポールPte.Ltd.(シンガポール)を中核会社とする企業グループです。

100年mouth100年health

人生100年時代、サンスターが目指すのは、お口の健康を起点とした、全身の健康と豊かな人生。毎日習慣として行う歯みがきなどのオーラルケアは、お口の健康を守り、そして全身の健康を守ることにもつながっています。

100年食べ、100年しゃべり、笑う。一人ひとり、自分らしく輝いた人生、

豊かな人生を送るためにも、お口のケアを大切にしていただきたいと考えています。今後もお口の健康を起点としながら全身の健康に寄与する情報・

サービス・製品をお届けすることで、人々の健康寿命の延伸に寄与することを目指していきます。

【株式会社ミナケアについて】

大切な人にずっと元気でいてほしい。大切な人のためにずっと元気でいたい。

ミナケアは、人々の健康を長く、手軽に守ることができる社会に向けて、「健康に投資する医療(投資型医療)」の実現を目指すヘルスケアベンチャーです。2011年の創業以来、健康づくりや予防のための経営戦略やデータの活用、コミュニティの構築などの事業を展開しています。投資型医療で人と社会の未来を変えていきます。

<本件に関するマスコミからのお問い合わせ先>

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