「だれもが文化でつながるサマーセッション2023」は、昨年度行われた国際カンファレンス「だれもが文化でつながる国際会議」で得た知見・ネットワークを国内文化施設や教育機関等へ広めるとともに、共生社会の実現に向けた取組を推進することを目的として開催いたします。
今年は「アクセシビリティと共創」をテーマとし、国内におけるアクセシビリティに関する認識や価値観を再考するきっかけをつくり、芸術文化による共生社会の実現に向けた“新たなコミュニケーションのあり方“を創造する場として、全8つのトークセッションと、レクチャー&ワークショップ、展示、パフォーマンス×ラボを実施します。国内外でアクセシビリティに携わる各分野のスペシャリストの知見や作品を通じた問いかけから、美術館、博物館、劇場やコンサートホール等といった文化施設の担い手が抱える、“情報保障”の課題、そして“誰もが楽しめる鑑賞体験”について向き合います。
またそれだけではなく、2025年に東京開催となる「デフリンピック」を見据え、聴覚障害のある方を対象とした情報保障やろうの表現の理解を深めるための“気づき”となるプログラムもございます。
ぜひこの機会に、芸術文化による共生社会の実現に向けたきっかけづくりとなるセッションにご参加ください。
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開催概要
「だれもが文化でつながるサマーセッション2023」
開催期間
2023年7月29日(土)〜8月6日(日)
開催場所
東京都美術館
講堂:トークセッション
ロビー階 第4公募展示室:レクチャー&ワークショップ、展示、パフォーマンス×ラボ
主催
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
参加費
無料(一部要事前申込・先着順。特設サイトよりお申し込みください。)
プログラム
・トークセッション 7月29日(土)~ 31日(月)
・レクチャー&ワークショップ 8月1日(火)~ 6日(日)
・展示 7月29日(土)~ 8月6日(日)
・パフォーマンス×ラボ 8月1日(火)~ 6日(日)
「だれもが文化でつながるサマーセッション2023」特設サイト:https://www.creativewell-session.jp/
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トークセッション
【期間】7月29日(土)~ 7月31日(月)※要事前申込
アクセシビリティに関わる各分野の専門家やアーティストをお招きし、文化施設での取組や最先端のテクノロジーの活用等を含む包括的なテーマを議論する、全8セッション。
〈見どころ〉
session1 「文化的『社会的処方』と共創の場」 7/29(土)13:15-15:00
[登壇者]稲庭 彩和子、中野 敦之、伊藤 達矢、森 司
「だれもが文化でつながる国際会議2022」で議論された共生社会における芸術文化活動を活用した取組について、イギリスでの実践を参照しつつ、日本国内での国や大学での共生社会の実現に向けたグローバルな事例を交えて、今後の展望について議論いたします。
映画上映『手でふれてみる世界』 7/30(日)10:00-11:00
session3「ふれることから出会う世界」 7/30(日)11:15-12:45
[登壇者]岡野 晃子、半田 こづえ、茂木 一司
視覚障害のある方の芸術文化の楽しみ方の幅を広げる取組と可能性について議論。「手でみる」イタリアでの実践やインクルーシブ教育の事例を通して、知覚の多様性や、視覚障害のある方の世界観やコミュニケーションについて語り合います。
session8「共創するとは何か~文化的実践を通して~」 7/31(月)14:30-16:00
[登壇者]西尾 美也、伊藤 亜紗、森 司
地域の高齢者と共同制作の実践を重ねるアーティストの西尾氏と、様々な障害や世代や属性の人と協働と対話を重ねてきた研究者の伊藤氏による対談を通して「共創」することの可能性を探るセッション。「共に創る」ことの本質と可能性に迫り、共生社会のあり方の議論を、次回の国際会議につないでいきます。
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レクチャー&ワークショップ
【期間】8月1日(火)~ 8月6日(日)※要事前申込
アクセシビリティの向上や共生社会の実現に向けて、今日の社会に必要な情報保障や多様な他者とのコミュニケーションの形をともに考え、体験する場として、レクチャー&ワークショップを行います。
<見どころ>
テーマ:「視覚身体言語とコミュニケーション」 / 講師:和田 夏実
和田 夏実さんを中心に「めとてラボ」が実施する、 「つたえる、うけとる、つたえあう」ことを考えるワークショップ。手話と音声言語のあいだで言葉を伝える手話通訳者と共に考えていきます。
テーマ:「触察」 / 講師:大内 進
大内 進さんによる触察に関するレクチャーとワークショップ。私たちの身の回りにある様々なモノから、3D制作された絵画や、触知図などを触りながら、触察することへの理解を体感と共に理解を深めていきます。
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展示
【期間】7月29日(土)~ 8月6日(日)9:30〜17:30(最終受付は17:00まで)
現代美術家、ろう者アーティストの作品展示や最先端のテクノロジーを用いた情報保障の取組を発表します。 デフリンピックに向けたろう者や聴覚障害への理解へとつながる作品もございますので、ご注目ください。
<見どころ>
「身体と多様性と表現」 / アーティスト:檜皮 一彦
60数台の車椅子を用いた多様な知覚や身体感覚、異なる他者との共有やコミュニケーションについて問いを投げかけます。属性や背景が異なる世界と出会い、アクセシビリティについて多角的な視点を獲得する契機をつくりだします。
「共創する活動」 / アーティスト:西尾 美也
元タンス店を改装して大阪市西成区で展開するkioku手芸館「たんす」の活動を紹介。美術家・西尾美也と「たんす」に通う女性(おばちゃん)たちとの共同で立ち上げたファッションブランドの店舗風景を再現し、独自の手法を元に創作された洋服を展示。店長としておばちゃんたちが駆けつける日もあります。
「情報保障とデバイス」:QDレーザを体験した盲学校の高校生と写真家の池田晶紀による作品の展示
芸術文化の鑑賞や体験のサポートにつながる先端テクノロジーやデバイスを通して、今日の情報保障のあり方を考える展示。さらにアーティストとの表現手法も重ね合わせることで、技術と情報保障への創造的な視点を提供いたします。
「ろう者と表現」:国内のろうアーティストによる作品展示
絵画、漫画、写真等の表現、作品を通して、ろう者の知覚、世界観、コミュニケーション等、ろう教育についての理解を深めます。
企画協力:大杉 豊、管野 奈津美、西 雄也
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パフォーマンス×ラボ
【期間】8月1日(火)~ 8月6日(日)10:00~16:00
多言語や、映像・パフォーマンス等の複数の表現手法が含まれる作品の情報保障について、障害当事者も交えて実験的に取り組むことで、多文化共生における今後の新たな実践に向けて知見を深めます。
音声や文字による情報保障を加える「めとてラボ」チームとジョイス・ラムがワークショップを行い、ジョイスのレクチャー・パフォーマンス作品《家族に関する考察のトリロジー/On Family》の伝え方を探求します。最終日(8/6)には、アクセシビリティに対応した状態でのレクチャー・パフォーマンスを上映します。
<来場に関するお問合わせ:サマーセッション2023事務局>
TEL:080-4827-1239 / E-mail:hello@creativewell-session.jp
※電話窓口:平日及び会期中の土日(7/29・30、8/5・6) 10:00~18:00
※会場への直接のお問合わせはご遠慮ください。
「だれもが文化でつながるサマーセッション2023」特設サイト:https://www.creativewell-session.jp/