避難を余儀なくされた子ども、過去最高の4,330万人に~ユニセフ、各国政府に受け入れ対応の強化などを訴え【プレスリリース】

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駅に設置されたユニセフの支援拠点「ブルードット」で、スタッフからおもちゃを受け取るウクライナ難民の子ども。(ポーランド、2022年10月撮影) © UNICEF_UN0727814_Reklajtis駅に設置されたユニセフの支援拠点「ブルードット」で、スタッフからおもちゃを受け取るウクライナ難民の子ども。(ポーランド、2022年10月撮影) © UNICEF_UN0727814_Reklajtis

【2023年6月14日 ジュネーブ/ニューヨーク】

ユニセフ(国連児童基金)は、6月20日の世界難民の日を前に、2022年末までに避難を余儀なくされた子どもは推計で過去最高の4,330万人に達し、多くの子どもにとっては子ども時代すべてにかけて避難生活が及んでいる、と明らかにしました。

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強制的に家を追われた子どもの数は、過去10年間で倍増し、難民や国内避難民の子どもたちを受け入れ、保護するための取り組みを上回る勢いで増えています。例えばウクライナでの戦争により、同国の子ども200万人以上が国外に逃れ、100万人以上が国内で避難しています。

 

ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは、「故郷を追われた子どもの数は、10年以上にわたり驚くべき速さで増えており、国際社会の対応能力にはずっと重圧がかかっています。その数は、世界中で絶え間なく起こる紛争や危機、気候災害にともなって増えています。しかし、多くの政府が、難民や国内避難民の子どもたち一人ひとりが学び続け、健康を保ち、持てる力を最大限に伸ばせるようにするための、十分な対応をしていないことも浮き彫りになっています」と述べています。

オロミヤ州での干ばつの影響により故郷から、Dubuluk国内避難民キャンプへ逃れた家族。(エチオピア、2022年10月撮影) © UNICEF_UN0724789_Ayeneオロミヤ州での干ばつの影響により故郷から、Dubuluk国内避難民キャンプへ逃れた家族。(エチオピア、2022年10月撮影) © UNICEF_UN0724789_Ayene

2022年末までに避難を余儀なくされた4,330万人の子どものうち、ほぼ60%(2,580万人)が紛争や暴力から逃れるために国内で避難しています。また、難民や庇護の申請をしている子どもの数も1,750万人と過去最高を記録しました。これにはスーダンの紛争などで2023年に新たに逃れてきた子どもの数は含まれていません。ユニセフの推計では、これまでにスーダンでの紛争が原因で避難した子どもは今現在で94万人以上に上っています。

 

これに加え、パキスタンの洪水やアフリカの角の干ばつなどの異常気象により、2022年の間にさらに1,200万人の子どもたちが避難することになりました。

 

国内避難民や難民の子どもたちは、しばしば最も脆弱な立場に置かれています。その多くは、教育や保健医療も、定期的な予防接種も、社会的保護も受けることができません。

 

北東部のラッカにある非公式居住区で暮らす子ども。(シリア、2022年9月撮影) © UNICEF_UN0710287_Souleiman北東部のラッカにある非公式居住区で暮らす子ども。(シリア、2022年9月撮影) © UNICEF_UN0710287_Souleiman

多くの子どもたちにとって、避難生活はますます長期化しつつあります。現在、避難生活を送っている子どもの多くは、子ども時代をすべて避難先で過ごすことになるでしょう。地球温暖化を緩和し、人々が気候危機の矢面で暮らす準備をするための緊急行動がなければ、気候災害が原因で避難する人々の数は急速に増加すると予測されます。

 

ラッセル事務局長は、「避難の要因に対処し、移動する子どもたちに長期的な解決策を提供するためには、より大きな政治的意思が必要です。難民、移民、避難民となった子どもたちの数は、アルジェリアやアルゼンチン、もしくはスペインの人口にさえ匹敵するほど多く、相応の対応が必要です。私たちは、避難した子どもや家族を受け入れるために政府が適切な投資を行えば、持続的な変化が起こることを目の当たりにしてきました。力を合わせれば、子どもたちの安全、健康、学習、保護を確保することができるのです」と述べています。

 

ユニセフは、各国政府に対し、子どもを誰ひとり取り残さないために、以下のことを求めています。

  • 難民、移民、避難民の子どもたちを、何よりもまず一人の子どもとして、また彼らには守られ、受け入れられ、参加する権利があることを認識する。

  • 子どもたちが移動し、庇護を申請し、家族と再会するための安全かつ合法的な経路を提供する。

  • いかなる子どもも、移動にあたっての法的身分を理由に拘束されたり、子どもの最善の利益と判断される場合を除いて保護措置なしに送還されたりすることのないようにする。

  • 国の教育、保健、子どもの保護、社会保護制度を強化し、避難してきた子どもたちを差別なく受け入れる。

  • 搾取や暴力の危険にさらされている移動中の子どもたち、特におとなの同伴者のいない子どもたちの保護をより良く行うために、各国による子どもの保護制度に投資する。

  • 避難してきた子どもたちに対する持続可能で包括的な解決策を見出し、彼らの持てる力を最大限伸ばすために、子どもたちの声に耳を傾け、有意義に関与する。

■ 追記

  • 今回発表された数字には、国連難民高等弁務官(UNHCR)保護下の庇護申請者、難民および難民と同様の状況にいる人々、また国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に登録されたパレスチナ難民のほか、UNHCRが別途報告した「国際的保護を必要とするその他の人々」の中の子ども、が含まれています。

  • 異常気象の影響による子どもの国内避難者数の推計は、国内避難民モニタリングセンター(IDMC)が報告したデータに基づいています。

  • ユニセフは、「移動する子どものための国際データアライアンス(IDAC)」の議長を務め、移動する子どものための成果拡大を目的としたデータの利用可能性と質を向上させる世界的な取り組みを主導しています。詳しくはこちらをご覧ください。 https://unicef.jp/3X38ecU 

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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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