「WOOMS」は、「“ごみ”のない世界へ。Beyond Waste」を事業ビジョンとして掲げ、収集業務全般の効率化とともに廃棄物の資源化など環境負荷低減に加えて、働き方改革に向けた取り組みのための余力創出に貢献しています。「WOOMS」のテクノロジーは、神奈川県座間市をはじめ沿線内外において、提供範囲が広がっています。
今回対象の地域は、多くの市民が居住する平野部のほか、人口が少なく住居も分散する山間部を有します。この幅広い居住エリアの家庭ごみの収集データを収集車に搭載する「WOOMS」のシステムが取得して活用することで、家庭ごみの量や収集車の走行の傾向を把握して最適なルートを提案します。さらに、リアルタイムでの収集状況の進捗等に応じた車両間のフォロー体制を構築することで、走行距離を短縮してCO₂排出量削減に貢献します。
また、山間部では、山林などの人目につかない場所も多く、家電製品や産業廃棄物の不法投棄が後を絶たない状況であり、土壌汚染を引き起こしているなどの課題があります。今般この課題解決にも「WOOMS」のテクノロジーを活用します。
不法投棄は、一般的な家庭ごみと異なり、いつ・どこに発生するか分からないため、同市では監視カメラの設置や定期巡回パトロールにより把握して紙地図へ位置情報をプロット、マンパワーでルートを作成して収集車を走行させてきました。本実証では、巡回パトロール中に「WOOMS」のシステムを搭載したタブレットにて不法投棄現場を撮影することで、位置情報の取得から電子地図上へのプロットまでをワンアクションで実施し、報告書作成までの事務処理の効率化を実現します。また、収集ルートを自動生成して、スピーディーに収集車を走行させることも検証します。
この不法投棄への取り組みから、美しい自然環境の維持を推進し、住宅エリアの取り組みも含めて事務業務の削減やペーパーレス化、収集車から排出されるCO₂の削減に寄与します。
今回、「WOOMS」のテクノロジーをはじめて山間エリアで活用しますが、日本の国土は約7割が山間部や丘陵地であり、本実証は今後の「WOOMS」の可能性を探求する取り組みとなります。日本各地のさまざまな廃棄物収集シーンで活用いただけるよう「WOOMS」を進化させて、環境負荷低減や循環型社会の形成に貢献したいと考えております。
相模原市で行う廃棄物収集の効率化に向けた実証の詳細は、下記のとおりです。
記
1 実施期間
2023年6月19日(月)から2024年3月31日(日)まで
2 対象地域
神奈川県相模原市津久井地域(旧城山町、旧津久井町、旧相模湖町、旧藤野町)
3 検証内容
<一般的な家庭ごみ>
・排出される量や走行の傾向をデータとして蓄積し、これを基にルート作成することで、収集車の走行距離短縮によるCO₂排出量の削減効果
・各収集車の現在地と収集の進捗状況を、収集担当者全員がリアルタイムで把握し、臨機応変にフォローしあうことによる作業時間短縮と、走行距離 短縮によるCO₂排出量の削減効果
<不法投棄された廃棄物>
・不法投棄の情報収集作業を、タブレットによる現場の撮影のみで実現する業務効率化効果
・自動作成する最適化された走行ルートによるCO₂排出量の削減効果
<全体>
・各種報告書の作成を自動化することによる事務作業の負担軽減効果
・書類のペーパーレス化による環境負荷低減効果
4 お問い合わせ
「WOOMS」ホームページ お問い合わせフォーム
URL https://www.wooms.jp/contact/
(参考)ウエイストマネジメント事業「WOOMS」(https://www.wooms.jp)について
「“ごみ”のない世界へ。Beyond Waste」を事業ビジョンに掲げ、2021年9月から始動しています。資源・廃棄物に関わる自治体と事業者に、テクノロジーを活用した収集から事務業務の効率化までを支援する「収集・排出サポート」と、効率化による余力を活用し、資源循環を高める施策を提供する「資源循環サポート」で構成するソリューションを提供しています。また、2023年5月からは、廃棄物の適正な資源化でコストと環境負荷を低減する「WOOMS Connect」を展開しています。
鉄道・不動産に次ぐインフラ事業として、小田急沿線におけるまちづくりをはじめ、持続可能な循環型社会の形成に向けて全国展開を目指しており、神奈川県座間市で全面採用されているほか、愛知県名古屋市では剪定枝回収の実証実験を行うなど、沿線地域外でも利用いただいています。
以上