HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」の承認申請 再生医療等製品の条件及び期限付承認制度導入後初

この記事は約5分で読めます。

アンジェス株式会社(本社:大阪府茨木市、代表取締役社長:山田英、以下「アンジェス」)は、2023年5月31日、HGF(※1)遺伝子治療用製品「コラテジェン®筋注用4mg」(以下「コラテジェン」)について、厚生労働省に、慢性動脈閉塞症の下肢潰瘍の改善を効能、効果又は性能(※2)として、改めて製造販売の本承認申請を行いました。

コラテジェンは、2019年3月に条件及び期限付製造販売承認を取得しています。条件及び期限付承認された再生医療等製品は、承認期限内に承認条件評価の結果を改めて承認申請することになっています。本件が承認された場合、再生医療等製品の条件及び期限付承認制度の導入後、初めて条件解除の承認を受ける製品となります。

当社代表取締役社長・山田英のコメントは下記リンクよりご覧いただけます。

URL:https://www.net-presentations.com/4563/20230531/rg47wteg/

■HGF遺伝子治療用製品コラテジェンとは

コラテジェンは、アンジェスが設立以来手がけてきた主力のプロジェクトで、HGFの血管を新生する作用を利用し、世界初のプラスミドDNA技術を用いた治療用製品として日本国内における慢性動脈閉塞症の下肢潰瘍の改善を効能、効果又は性能として条件及び期限付製造販売承認を取得しました。2019年9月より田辺三菱製薬株式会社が販売を開始した国内初の遺伝子治療用製品です。

本品の承認条件は、

①重症化した慢性動脈閉塞症に関する十分な知識・治療経験を持つ医師のもとで、創傷管理を複数診療科で連携して実施している施設で本品を使用すること

②条件及び期限付き承認後に改めて行う本品の製造販売承認申請までの期間中は、本品を使用する症例全例を対象として製造販売後承認条件評価を行うこと

で、その期限は5年となっています。

条件解除を目指し、製造販売後承認条件評価のための使用成績比較調査を実施し、2021年12月に目標症例数の患者登録を完了しました。

今後は、血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症の潰瘍における新たな治療選択肢を提供し、重症下肢虚血患者さんの QOL 向上に貢献してまいります。

また、2023年第1四半期にコラテジェン®の米国における第Ⅱ相臨床試験における予定症例数の患者登録を完了し、現在経過観察中です。イスラエルにおいては、提携先企業のKamada社がコラテジェン®の製造販売承認を申請し現在審査が行われております。以上のように、アンジェスは日本を始め、米国、イスラエル、欧州などコラテジェン®の販売地域の拡大を目指すとともに、新たな適応症の開発も検討してまいります。

※1:HGF(肝細胞増殖因子)は日本で1984年に、最も再生能力の高い臓器である肝臓から成長因子として発見され、肝臓のみならず、血管、リンパ管、神経など生体の様々な臓器・組織の形成・再生において主要な役割を果たしていることがわかりました

※2:標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)における潰瘍の改善

■条件及び期限付き承認制度とは

2014年11月施行された改正薬事法(医薬品医療機器等法)で導入された遺伝子治療を含む「再生医療等製品」に対する早期承認制度のことです。

施行当時、iPS細胞等の再生医療が革新的な医療として実用化に向けて期待が高まっていましたが、一方で、再生医療等製品は人の細胞等を用いることから品質が不均一で有効性の予測が困難な場合があり、安全性を確保しつつ迅速な実用化が図られるよう、有効性が推定され、安全性が認められた再生医療等製品を、条件や期限を設けた上で早期承認する制度となります。

条件及び期限付承認の取得後は、使用成績調査や製造販売後データベース調査、製造販売後臨床試験を計画・実施し、原則として7年を超えない範囲で、有効性や安全性を検証した上で、期限内に再度、承認申請して条件解除(正式承認)を取得することになります。

■アンジェスについて

・商号   :アンジェス株式会社

・本社所在地:大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7番15号 彩都バイオインキュベータ

・代表者  :山田 英(代表取締役 社長)

・事業内容 :遺伝子医薬品の研究開発

・資本金  :34,559百万円(2023年5月10日現在)

・設立日  :1999年12月17日

・証券コード:4563(東京証券取引所グロース)

・HP     :https://www.anges.co.jp/

アンジェスは、遺伝子医薬技術を活用し、革新的な医薬品開発に取り組むバイオ製薬企業です。遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指し、遺伝子の働きを利用した新しいタイプのバイオ医薬品である遺伝子医薬の開発を行っています。

当社は、大阪大学の基礎研究を基に1999年12月に設立されて以降、研究と開発の段階を経て、足の血流が極度に悪化する慢性動脈閉塞症を対象としたHGF遺伝子治療用製品の開発や、椎間板性腰痛症を対象とした核酸医薬「NF-κBデコイオリゴ」などの開発、また希少遺伝性疾患のスクリーニング検査を中心として、検査受託サービスを実施しています。

当社はその他にも、大変希少な致死性の遺伝的早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロジェロイド・ラミノパチーの治療薬ゾキンヴィの日本での独占販売契約を2022年5月に米国のバイオ医薬品企業Eiger BioPharmaceuticals Inc.と締結し、2023年5月12日、厚生労働省に国内製造販売承認申請を行いました。ゾキンヴィは厚生労働省により希少疾病医薬品(オーファン・ドラッグ)に指定されました。

さらに、当社子会社であるEmendoBio社では、究極の遺伝子治療であるゲノム編集について先進技術を保有しており、今まで治療法のなかった疾患の治療を可能にするゲノム編集製品を患者の方々に届けできるよう研究開発を進めております。

タイトルとURLをコピーしました