ウクライナ避難民支援~日本人学生ボランティア ポーランドでの活動を報告~

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日本財団(東京都港区、会長 笹川陽平)は、日本財団ボランティアセンター(東京都港区、会長 山脇康)と共催で、ウクライナ避難民支援のためのボランティア活動「The Volunteer Program for Ukraine」を行った日本人学生ボランティアの活動報告会を7月7日(木)に開催。同報告会には、Group1(派遣期間:5月31日~6月16日)とGroup2(派遣期間:6月13日~29日)の学生25名が出席しました。学生ボランティアは、ポーランドのプシェミシル等を拠点に、主にウクライナ避難民の方々の一時滞在施設で、子どもたちとの交流や施設の清掃、物資や備品の管理等を行いました。

 

ウクライナ隣国ポーランドで活動した学生ボランティアたちウクライナ隣国ポーランドで活動した学生ボランティアたち

今後は、Group3の15名が8月1~17日に、Group4の15名が8月15~31日に活動する予定です(活動国はポーランド、スロバキア、オーストリア等)。また、Group5、6については、本日から日本財団ボランティアセンターの公式サイト「ぼ活!」(https://vokatsu.jp/)で募集を開始しました。10月までに1グループ15人×7回(最大105名)の派遣を予定しています。
 
<コメント抜粋>
日本財団 常務理事 ​樺沢 一朗 

日本財団 常務理事 樺沢一朗(かばさわ いちろう)日本財団 常務理事 樺沢一朗(かばさわ いちろう)

避難してくるウクライナの方々、そして世界中から集まったボランティアの人たちと、2週間の活動をする中で、自分で考え、避難してきた人たちの為に何ができるのか、を自分に問いかけながら、過ごした日々だったのではと思います。そうした中、自分にできること、そして自分の力がこんなに及ばないのか、という風に痛感する時もあったと想像しています。日本財団としましては、皆さんが世界的な危機の一端を体験することで、将来に向けて世界に目を向けてもらうことが今回のボランティア派遣の目的です。コロナのリスクを回避しながら活動をすることは、本当に大変だったと思います。現地で学生の安全な活動を見守ってくださった方々に日本財団を代表し、お礼を申し上げます。

 

Group1 上田 琳さん(兵庫県立大学2年 兵庫県出身)

Group1 上田琳(うえだ りん)さんGroup1 上田琳(うえだ りん)さん

私が今回のボランティア活動で印象的だったのは最終日、避難民一時滞在施設で出会い、よく一緒に遊んでいた子が、私の手を握って離さず、涙をこぼしてくれたことです。少しでも彼女の力になれたのであれば嬉しいと感じました。しかし、同時に語学力、専門知識・技術があれば更に多くの人の力になれたのではないかと考えます。私は現在、看護学生であり、将来は看護師として働く予定です。これからの大学生活において、看護師としての専門知識・技術を身につけ、さらに語学力も高めたいと思っています。多くの力を身につけ、今よりも人のために役立てる人になり、助けを必要としている多くの人々へ医療・看護を届けたいと思います

Group1 恩田 泰成さん(上智大学4年 栃木県出身)

Group1 恩田泰成(おんだ たいせい)さんGroup1 恩田泰成(おんだ たいせい)さん

避難民一時滞在施設での活動で、特に印象に残っている活動内容は、ロシア語での対応です。私は活動をする中で、英語よりもロシア語を使用する場面の方が多くありました。もっとロシア語力があれば、この人の手助けができたのに、そう考える場面も正直ありました。同時にロシア語の勉強をもっと頑張ろうと強く思えたシチュエーションでもありました。また、私は自分が作成したWEBサイトを使って、日本の受け入れ対応について、受身的ではなく自発的に発信していこうと考えています。SNSを使って今回のプログラムの事を発信し、プログラムが終わっても、私たちが経験した事を発信していく事が大切なのではないかと考えます。

Group2 小松 龍生さん(明治大学4年 東京都出身)

Group2 小松龍生(こまつ りゅうせい)さんGroup2 小松龍生(こまつ りゅうせい)さん

私がこの活動を通じて考えたことは、「ボランティア活動における配慮と優遇の違い」です。一時滞在施設には水や食事、寄付された衣服など生活に必要な物資は最低限揃っていましたが、避難民の方の全ての要求に応えられるわけではありません。時には、答えられない要求に対して、はっきりと断ることも求められました。避難民に対して必要なのは同情ではなく共感であり、ボランティアと避難民が対等な関係を維持するために一番重要なことだと身をもって思い知らされました。同じ目線に立って共感しようと努める姿勢を忘れず、優遇ではなく、配慮を心がけることが、本当の意味で避難民の方への対等な支援活動になるのだと確信しました。

Group2 仲原 菜月さん(早稲田大学4年 愛知県出身)

Group2 仲原 菜月(なかはら なつき)さんGroup2 仲原 菜月(なかはら なつき)さん

この活動を通して、私は、人間の暗い側面と明るい側面、両方を肌で感じました。明るい要素も陰の要素も身を持って感じたことで、私は「人が関わり合い、支え合うことの可能性」を学びました。そしてこれは、誰一人取り残さない社会の構築にも、欠かせないものであると思っています。この学びから、私はこの2週間で出会ったウクライナの人々、支援ボランティアに励む方々、多くの人との繋がりを大切にし、もう一度ボランティア活動に従事する機会へ繋げたいと思います。私は、8月中旬から約1年間、ポーランドとも近い、スウェーデンに留学します。より長期的な活動に従事したいと考えています。

 <参考>
*今後の学生ボランティア募集について
Group5(派遣期間:8月28日~9月21日の間の2週間)
https://vokatsu.jp/event/1656916873840×663742967505748000

Group6(派遣期間:9月11日~10月5日の間の2週間)
https://vokatsu.jp/event/1656921905375×191285932868501500

*そのほかの日本財団のウクライナ避難民支援はこちら
https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/support_ukraine

【日本財団とは】

痛みも、希望も、未来も、共に。
日本財団は1962年、日本最大規模の財団として創立以来、人種・
国境を越えて、子ども・障害者・災害・海洋・人道支援など、
幅広い分野の活動を推進しています。
https://www.nippon-foundation.or.jp/

【日本財団ボランティアセンターとは】

2010年にNPO法人日本財団学生ボランティアセンターとして設立し、学生のボランティア活動を支援してきました。2015年に一般財団法人へ、2017年に公益財団法人へ移行。そして2022年に「日本財団ボランティアセンター」へと名称変更し、学生だけではない幅広い世代を対象に、ボランティアに関する事業を実施しています。

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